日本酒を飲みながら日本酒ボードゲーム「酒魅人」を遊ぶ会 これまでの日本酒会になかった盛り上がりに
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アナログゲームの祭典「ゲームマーケット」をきっかけに大ヒットした日本酒ボードゲーム「酒魅人」。制作者である由利真珠郎氏をゲストに向かえ、「日本酒を飲みながら酒魅人で遊ぶ会」を7月21日に酒屋「キングショップ誠屋」(埼玉県鶴ヶ島市)で開催しました。
ゲームの進行を見守る由利真珠郎氏
同日は日本酒造りで使われた桶の蓋を台にしたテーブルを使い、4人ずつ2グループに分かれて、「くどき上手 穀潰し(山形)」「豊盃 夏ブルー純米吟醸(青森)」「水府自慢 むらさきラベル(茨城)」の3 種類の日本酒、「南陽醸造の酒粕と花陽浴の純米吟醸酒に漬けたクリームチーズ」などの軽食を味わいながらプレイスタート。全員が初めてプレイするゲームであるため、由利氏が事前にルールを説明し、プレイ中も随時、質問に答えながら進行を見守りました。
左から「くどき上手 穀潰し(山形・亀の井酒造)」「豊盃 夏ブルー純米吟醸(青森・三浦酒造)」「水府自慢 むらさきラベル(茨城・明利酒類株式会社)」。普段日本酒を飲まない方でも飲みやすいように爽やかでフルーティーな3種類をチョイス
日本酒造りをテーマにしたゲーム内では3本製造する中で最初の1本を造り終えた辺りから、すぐにルールを呑み込んだ参加者を見て、「予想よりずっと飲み込みが早かったです」と語った由利氏。実際、最初は勝手が分からず周りにアドバイスを受けていた参加者が、最後には戦術巧みな勝負を見せるなど成長の早さに驚かされました。
1ゲーム通して1時間〜1時間半ほどかかるため、当初は1ゲームのみの予定でしたが、参加者の要望もあってメンバーをシャッフルしての2ゲーム目に突入。ゲーム終了後も、由利氏と参加者が懇親会を開くなど思わぬ広がりを見せました。
初対面でもゲームを通して仲良くなれるのがボードゲームの魅力。日本酒を飲みながらリラックスしてゲームを楽しめたことだけでなく、好きな日本酒の話で盛り上がり、制作者である由利氏にゲーム作りなどを質問する姿も多く見られ、終始、話が尽きなかったもよう。
同ゲーム内で出来上がった自分だけの日本酒銘柄をSNSで公開する人も多くいます
キングショップ誠屋では、日本酒初心者向け教室、日本酒の持ちより会、生け花と日本酒会などのイベントが定期的に開催されてきました。しかし、本イベント参加者は全員が初の顔ぶれで、平均年齢もこれまでで一番若かったのが特徴です。
ともすれば日本酒愛好家には専門知識を持つ者が多く、初心者からすれば敷居が高く感じられることもあります。本イベントは日本酒のうんちくではなく、実際に美味しさや面白さを体感してもらうことに比重を置いた初の試みであり、ボードゲームがあったからこそ狙い通りの成果を得られたと感じました。
もちろん、ボードゲームを遊ぶうえで飲食には十分な注意が必要で、本イベントでも飲食物の机は別にするなど細心の注意を払っていました。その問題さえクリアできれば、今後も新しい日本酒ファンを増やす魅力的な取り組みになるのではないかと思います。
由利氏は「酒屋さんと初のコラボでしたが、酒魅人を通して日本酒好きが集まって楽しむきっかけになって嬉しいです。今後も酒屋や酒蔵のコラボの話を頂けるなら積極的に参加して行きたい」と語りました。ちなみに現在は新作ゲームを製作中で、次回の題材はラーメンとのことです。
「酒魅人」ゲーム内容
同ゲームは、日本酒造りの8つの行程「宣伝」「酒米選び」「種麹造り」「米磨き」「アルコール添加の有無」「市場の操作」「神様への捧げ物」に対し、プレイヤーであるそれぞれの酒蔵がドコにどれだけ注力するかを決めて、より良いチップを取り合います。
米と麹の相性、米の磨き歩合、アルコール添加の有無などで、日本酒の完成度が決まり、さらに毎年行われるコンテストで賞を獲る事で勝利点を得ます。3本の日本酒を造り終わった時に、最も多くの勝利点を獲得していた人の勝利です。造った日本酒には名前が付くので、大喜利系のゲームの様な楽しみも同時に味わえます。
製作者:由利真珠郎
サークル名:スーパーナンバーワンゲームス
【酒魅人】販売元:テンデイズゲームズ