雅で艶やかだけでは「ミス日本酒」を語れない!2019最終候補の埼玉と京都代表インタビュー
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日本酒と日本文化の魅力を国内外に発信するアンバサダーを選ぶ「2019 ミス日本酒(Miss SAKE)ファイナリスト発表会」が1月15日、東京都・東急プラザ銀座にて開催されました。
同コンテストは美意識と知性を身につけた女性選出を目的としており、2013年に外務省、農林水産省、国税庁、観光庁、日本酒造組合中央会などの後援のもとで「一般社団法人ミス日本酒」によってスタート。アメリカの著名な経済紙であるウォール・ストリート・ジャーナルでは「水着審査のない女性の尊厳と平等をうたった文化事業」と報じられ、高く評価されたこともあります。
「ミス日本酒」と聞くと雅で、艶やかな振袖姿ゆえに、大変華やかなイメージを持ちます。しかし、同社団は国内外で日本酒を切り口にした日本の食・文化に関する啓発や、日本への観光誘致活動を年間400 件以上行っており、アンバサダーは1年間社団に所属してその活動に従事することになります。
加えて求められるのが文章能力や語学力。歴代のミス日本酒は参加した各イベントレポート日本語や英語などで、SNS上で発信してきました。もちろん、イベント活動は基本的には振袖とミス日本酒のサッシュをかけた格好で行います。家を出た瞬間から、移動中ずっと多くの人の視線を意識した凜とした佇まいが求められるでしょう。
そして、アンバサダー選出はメディアや一般の方に向けて開催される選考会だけでは決まりません。2019年に選ばれたファイナリスト21人は、3月15日に京都で開催される最終選考会に向けて2カ月間、振袖の着付けや華道など、日本人女性として心得ておきたい教養や作法、伝統文化を学ぶ「ナデシコプログラム」を受講します。
ここでの受講態度や提出した課題が採点され、最終選考会の一芸アピールなどでの獲得点数に加算されます。住んでいる所も職業も全く違う21人が毎回参加するだけでも大変ですし、課されるレポートの文字数も相当な量になるといいます。
ミス日本酒としての活動への従事も、選考基準も相当にハードルが高いにもかかわらず、歴代のミス日本酒は笑顔を絶やさず、華やかさだけを見せてきました。そんなミス日本酒を目指すファイナリスト21人の中から、埼玉と京都代表にインタビューをしましたのでお伝えします。
埼玉代表 冨田梨花(トミタ・リカ)26歳・看護師
――高校時代に農業と酪農を学んだと聞きました。
私は埼玉県戸田市の出身でして、15歳までそちらに住んでいましたが、全寮制の山形県の高校に進学しました。そちらは普通科の高校ではあるんですけど、敷地内に畑や田んぼ、家畜がありまして、農業と酪農を学ぶことができました。
――日本酒を好きになったきっかけは?
冨田梨花(以下、冨田)
元々、日本酒そのものは味が大好きだったんですけど、一番大きなきっかけが「恋のしずく」(2018年10月20日)という日本酒映画を観たことです。そちらを通して蔵元様の想い、いかに世界に誇るべき日本文化であるかを知り、感銘を受けました。そこから自分でも蔵元様に見学に行きましたし、劇中に登場したミス日本酒が実際に募集されていたのを知り、すぐに応募した次第です。
――埼玉県の日本酒をどのように感じていますか?
冨田
日本酒出荷量では関東1位(※)ですし、多くの酒蔵があります。先日も埼玉県酒造組合の「2019新年賀詞交換会」に参加させて頂き、全ての蔵元のお酒を少しずつ試飲させて頂きました。どれも美味しい上に、ハレの日だけでなくケの日も楽しめるようなシチュエーションに合わせたお酒の種類が豊富だと感じました。
※日本酒造組合中央会によれば、2018年の埼玉県の日本酒出荷量は21153リットルで全国4位。
――どのように日本酒を伝えていきたいですか?
冨田
私は埼玉県代表として、看護士であることやフードアナリストの知識を活かし、食と健康の面から日本酒の魅力を発信して行けたらなと思います。
京都代表 春田早重(ハルタ・サエ)20歳・同志社大学英文科2年
――大阪出身ですが京都の大学に通われており、京都への強い想いからミス日本酒京都大会に応募したそうですね。その想いをお聞かせください。
春田早重(以下、春田)
まず、京都は国内だけでなく海外の方が観光客として多く訪れる注目度が大きい地であり、人々への影響力が大きいと思いました。あとは、大学の授業を通して一組の海外カップルに京都での和婚をプロデュースさせて頂いた時に、反応がすごく良かったことが印象的でした。やはり京都は日本文化を発信する上ですごく良い条件が揃っているので、今回は日本酒という面から日本文化を世界に発信できればと思ったんです。
――日本酒を好きになったきっかけは?
春田
アルバイト先で中国やインドの方など海外のお客様と接する機会が多く、皆様はたくさん日本酒を飲まれるんです。「そんなに大好きになる日本酒はどんな味なんだろう?」と一口飲んでみたらすごくフルーティーな香りが印象深かったです。「お米から造られているのにどうやってこんな香りが生まれるんだろう?」というところから興味を持ちました。今は少しずつ飲める日本酒の種類を増やして、勉強をしております。
――どのように日本酒を伝えていきたいですか?
春田
私自身が元々は日本酒に関心が無かったので、若者はあまり日本酒に関心が無いと聞きますから、「どうしたら若者に日本酒を好きになって頂けるか?」という視点で広めていけたらと思います。
※年齢は2019 ファイナリスト発表会2019年1月15日時点のもの。
2019ミス日本酒(Miss SAKE)最終選考会
日程 :2019年3月15日(金)
会場 :ウェスティン都ホテル京都(京都府京都市東山区粟田口華頂町1番地)
※ディナーショー形式、来場予定人数500人
※香港、台湾、ベトナム、オーストラリアの「2019 Miss SAKE」代表も来日します。