立春の日に日本一売れる日本酒「立春朝搾り」 どれだけ美味いのか「天覧山」の五十嵐酒造社長に聞いてみた
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立春の日に日本一売れる「立春朝搾り」という日本酒があります。2017年は約30万本(1本720ml)も売れた「立春朝絞り」とは、旧暦のお正月にあたる「立春」の日の早朝に搾り、その日のうちにお客の手元に届ける予約制の日本酒です。
天覧山の立春朝搾り2018見本
日本名門酒会の企画で1998年からスタートし、地元の加盟酒販店と協力して毎年2月4日に行う一大イベントでもある「立春朝搾り」。祝い酒として、立春の日に味が一番良い状態になるように仕上げたお酒は、“最高ランク”に当たる「大吟醸」より神経を使うと言う杜氏もいるほど。火入れなしの生原酒は、蔵元でしか味わえないフルーティーな香りとフレッシュな味わいです。
2018年は全国各地にある43蔵が「立春朝搾り」を製造。蔵人が未明から醪(もろみ)を搾り、蔵元の近郊にある「〈立春朝搾り〉参加加盟店」の酒屋さんが朝早くからラベル貼りなど出荷準備を手伝い、地元の神主さんがお祓いをした後に直接お店に持ち帰ります。蔵元の近くにある酒屋でしか買えない地域限定のお酒です。
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「天覧山」立春朝搾り
「立春朝搾り」を造る蔵元の一つ、埼玉県飯能市にある日本酒「天覧山」を醸す五十嵐酒造では、2017年は1日で7150本(1本720ml)も販売。「それまで夜勤勤務をしたことはなかったけれど、その日に搾ったお酒を夜飲めるのは面白そうだし、1つの目標に向かうことで社員のまとまりが出ると思って参加を決めました」と社長の五十嵐正則さんは語ります。
お酒を搾るのが立春の日の早朝と決まっているため、蔵人たちは夜中から徹夜で作業。「できあがりが早すぎたり遅くなったりしないように、完璧な管理と微細な調整」によって搾られた新酒は、本来なら蔵元に来ないと味わえない躍動感あふれる飲み口です。
「天覧山」立春朝搾りの持ち味をうかがったところ、「弊社の場合、昔ながらの搾り機『槽搾り』と自動圧搾ろ過器機『ヤブタ式』で搾ったお酒をブレンドしたにごり酒になります」との答えが。槽搾りの華やかな香りと濃厚な味わい、ヤブタ式で搾った爽やかな香りとフレッシュな味わい、「この2つをブレンドした製法の立春朝搾りは少ないと思います」と五十嵐さんは言います。
最後に五十嵐さんは「天覧山」立春朝搾りにおすすめの料理として、寒い時期なので海鮮鍋をあげました。「魚介類から染み出た旨みと、醤油ベースのカツオと昆布の合わせ出汁と合うと思います」と太鼓判を押しています。「立春朝搾り」いかがでしょうか?
普段から販売している「天覧山」。立春朝搾りと呑み比べも良いかもしれません
<日本名門酒会>
<「天覧山」五十嵐酒造株式会社>
〒357-0044 埼玉県飯能市大字川寺667-1