【前編】世界初・古酒を使った貴醸酒スパークリング日本酒、七賢「EXPRESSION2018」が誕生!
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2018年8月21日、ザ・リッツカールトン東京にて「七賢」を醸す山梨銘醸株式会社のスパークリング日本酒「EXPRESSION2018」新作発表会がおこなわれた。
新技法によって生み出された、時を紡ぐスパークリング
awa酒協会をけん引する蔵のひとつで、精力的に新しい商品を生み出している山梨銘醸。第一弾はフラッグシップ「星ノ輝」、次におりがらみの「山ノ霞」、そしてサントリー白州蒸留所の樽に貯蔵された「杜ノ奏」と次々と新しい世界観を提案してきた。そして第四弾となる今回は、三世代にわたって大切に熟成管理されてきた大吟醸古酒を使って貴醸酒にし、瓶内二次発酵をさせたスパークリング日本酒だ。
このスパークリングは、15年前の大吟醸を仕込みの途中で使用したいわゆる貴醸酒の製法を採られている。そこから瓶内二次発酵を用いて自然で細やかな泡を発生させる、落ち着きがあり上品なスパークリング日本酒に仕上がっている。大吟醸古酒独特の熟成感を感じるスパークリング日本酒、これは業界初の試みだ。
「日本酒を飲むキッカケになれば」が原点
フリーアナウンサーで酒サムライとしても活躍中のあおい有紀さん司会のもと、専務取締役の北原対馬(つしま)さんの挨拶からスタートした。
1973年をピークに日本酒は右肩下がり。その原因はさまざまだが、外国からおいしいワインやウイスキーが入ってきたこと。我々の食生活が洋食化、個食化したこと。それによって日本酒が選択される機会がやや遠のいてしまったのかもしれない。1973年以前は日本酒”しか”ない時代。以降は日本酒”も”ある時代へと変化したのではないかと対馬さんは分析する。
我々はただ、畳や和室や旅館などと同様に日本古来の文化に慣れ親しまず育っただけで、実際に触れてみるとその素晴らしさに誰しもが気づくのだ。同様に日本酒も、飲めば『美味しい』と多くの人から言ってもらえる。だからこそ「まずは日本酒を飲むキッカケづくりができれば、と始めたのがスパークリング日本酒開発の原点。」だと言う。
現在では山梨銘醸の売上の約25%がスパークリング日本酒へと成長。それと同時にスパークリングでない日本酒も見直される機会が増えたそうだ。これからは日本だけでなく、世界中の人が日本酒に触れるチャンスが生まれる。この機に「日本で育まれた米からできた酒を、できるだけ多くのみなさんに飲んでいただきたい。」その一心で今までになかった新しいスパークリング日本酒を開発し続ける。
当日のペアリング料理
- ・ズワイ蟹のマスタード風味と彩り野菜のタブレ
- ・鴨胸肉の塩こうじマリネ 醤油バルサミコと実山椒のアクセント
- ・ブルーチーズのムース りんごとハチミツのジュレ
どれもが「EXPRESSION 2018」に合わせ料理されているが、なかでも特筆すべきは醤油バルサミコとの相性の良さだ。
【後編】杜氏の今持つすべてを表現したスパークリング日本酒・七賢「EXPRESSION2018」
Photo by Natsumi Sato