酒と鮨の千一夜・第十八夜 ~Xmasのロイヤルストレートフラッシュ~ (山本の秋田ロイヤルストレートフラッシュ&高松すし秀の晩秋から初冬の鮨ロイヤルストレートフラッシュ)
掲載
小学生の頃、春休みは町の従兄弟たちとは花見に山へ出かけ花見桜が楽しみな桜の季節。
夏休みは海の従姉妹たちと海水浴に繰り出す海の季節。
冬休みはこたつで町と海の親戚一同トランプ遊びに興するカードの季節。大きく分けるとそんな感じでした。
さて、この記事を書いている今宵はクリスマスイヴ。今年も後残すところ一週間を切りました。ほんとは家族仲良くトランプ遊びに興じ、ロイヤルストレートフラッシュを決めて一年の〆にしたいところですが、イヴもやっぱり一人酒・・・ここは、ひとつ山本秋田ロイヤルストレートフラッシュと合わせた晩秋のすし秀を思い出し、Xmas酒と鮨のロイヤルストレートフラッシュといたします☆
Ⅰ、酒のロイヤルストレートフラッシュ~山本の秋田ロイヤルストレートフラッシュ~
蔵元HPより抜粋
秋田産の5種類の酒米と、秋田で開発された5種類の酵母で仕込みました。
5種類の米はガラガラポンと混ぜ合わせた訳ではなく、酒母、麹、添仕込み、仲仕込み、留仕込みと5つの工程に使い分けました。商品名は「この1本に秋田の全てが詰まってる秋田最強の酒」という意味を込めています。箱の質感にもこだわり、ポーカーテーブルに似せた特殊加工を施しています。
【蔵元コメント】
当初はハートでラベルや箱を用意していましたが、絞ってみたら全然ハートっぽくなかったので、急遽ダイヤのラベルと箱を作りました。
思いつきで入れ替えた5種類の秋田の酵母(6号、こまちR-5、秋田酵母No.12、UT-1、UT-2)を同時に添加し、後は仲良くやってくれと祈りました。
使用する5種類の酒米は変わりませんが、使用する工程は変えています。(酒母・美郷錦、麹・酒こまち、添掛・改良信交、仲掛・美山錦、留掛・吟の精)
前回と同様に、どんな酒に仕上がるのか全く予想できませんでした。
次回はハートっぽく仕上がってほしいです。
タイプ
純米大吟醸
原材料
米、米麹
原料米
<秋田県産>酒こまち・吟の精・美郷錦・改良信交・美山錦
精米歩合50%
アルコール分15度
酵母
きょうかい6号・秋田酵母No.12・こまち R-5・UT-1・UT-2
Ⅱ、高松すし秀の鮨ロイヤルストレートフラッシュ
①旬鯖(長崎五島列島対馬海域、松浦漁港)
旬鯖(ときさば)の定義
①五島列島海域から対馬海峡までの海域で獲れた真鯖
②10月から翌年2月に獲れる寒さば。
③重さ400グラム以上であること。
以上、すし秀の秋、冬はメインになる鯖であります。脂が乗って絶品です。今回は薄切りを二枚重ねでいただきました。
②近海物本マグロ赤身(津軽海峡)
近海物本鮪赤身
津軽海峡にスルメイカやサンマが集まりだすと索餌回遊し始めたマグロもやって来ていよいよシーズン到来。津軽海峡や北海道の日本海側、太平洋側にマグロが集まる。9月はまだ旨みも香りも少ないが、10月になるとしだいに旨みも香りも強くなり、11月に突入すると脂がのったサンマ、肝を内蔵したスルメイカが増えると伴に旨みと香り、脂もしっかりのってピークを迎える。秋口は赤身が本物の鮪の味を認識できる。しっとりと舌に絡み付く上品な甘味は五月の沖縄の鮪とはまた違う旨さを堪能した。
そして12月下旬となると価格が高騰する。
③北方四島海域蝦夷バフンウニ&瀬戸内障泥烏賊(アオリイカ)
最高級の海胆のこくと烏賊の王様アオリイカの甘味の組み合わせを味わいました。難しい解説は抜きに見たとおり、想像通りのお味と申し上げておきます。
④寒鰆炙り 讃岐引田
魚偏に春と書く「鰆」――。
春が旬かと思いきや、身が美味しいのは冬の「寒鰆」です。
身が締まって脂が乗った寒鰆は、青魚とは思えないほど上品で淡白ながら、奥深い味わいがあります。
ではなぜ「春」という文字がつくかと言うと、冬の鰆は動きが鈍く、東シナ海などの深場にいるため漁獲量が少ないため、産卵のために沿岸に近づいてきた春こそ豊漁の季節だからです。そんな脂の乗った寒鰆を炙ってテロッテロにして握ってもらいました。
⑤戻り鰹 三陸気仙沼
「戻り鰹(もどりがつお)」とは、秋に獲った鰹のことです。「下り鰹(くだりがつお)」「秋鰹(あきがつお)」とも呼ばれます。
鰹は暖かい海を好み、日本近海では暖流である黒潮の流れに沿って、季節的な回遊をします。春から夏にかけては黒潮と、寒流である親潮とがぶつかる三陸海岸の沖あたりまで北上し、秋になって親潮の勢力が強くなってくると、太平洋岸を南下してきます。この南下してきた鰹を獲ったのが、戻り鰹です。春の初鰹は最初に陸地に近づく、そして漁場が最も陸地に近い高知県土佐佐賀あたりが圧倒的に一番美味い。一方、戻り鰹をたっぷり餌を食べて脂が乗って、南下を始める三陸気仙沼あたりが最も旨いと思う。
以上、晩秋から初冬の鮨のロイヤルストレートフラッシュをお送りいたしました。次回、また、山本ロイヤルストレートフラッシュに合わせ、チャレンジしてみたいと思います。
おしまいのページで・・・
①山田久志(阪急ブレーブス)アンダースローとしては日本最多の284勝を挙げた「史上最高のサブマリン投手」と呼ばれる。
②外木場義郎(広島東洋カープ)日本人最多の三度のノーヒットノーランを達成した投手。(パーフェクト一度、初勝利をノーヒットノーランで飾っている唯一の投手でもある。)
③東尾脩(太平洋クラブライオンズ)西鉄、太平洋クラブ、クラウンライター、西武とエースとして活躍
④江本孟紀(南海ホークス)野村再生工場の走りとも言える。阪神タイガースのエースとしても活躍。
⑤高橋一三(読売巨人ジャイアンツ)巨人V9を堀内恒雄とともに支えたダブルエース。「左のエース」と呼ばれた最初の投手でもある。
一人一人たっぷりと解説して行きたいと思いますが、あまりに個性的過ぎて、お一人だけで、ロイヤルストレートフラッシュ的なエピソードがかけそうなので今回は江本孟紀さんだけにしておこうと思います。
江本孟紀さんは芸能人、政治家として有名で、そのスマートでダンディな出で立ちから優男ぽいイメージだが、その野球人生は実力も含め、ケンカ野球波瀾万丈筋金入りだ。
高校時代は高知商業のエースとして、当時野球王国と言われた四国大会を制覇しながら、野球部員の不祥事で甲子園をフイにしている。
大学時代は法政大学で、田淵幸一、山本浩二、富田勝の法政三羽ガラスの一学年下になる。東京六大学最多勝記録48勝を持つ山中正竹と同期で言わば法政黄金時代の一員ながら、当時アマチュア球界ナンバーワン指導者、鬼の松永令一監督と対立し、出場機会には恵まれていない。
プロ1年目は、東映フライヤーズ。当時の東映は「東映暴れん坊チーム」と言われ、張本勲、白仁天、大杉勝男の「ケンカ屋三人衆」には特に鍛えられたらしい。(良きにつけ悪しきにつけ笑)また、土橋正幸コーチには、投手としての基本を教えられたと後述している。
また、この時のロッカーで白仁天と大杉勝男のケンカは球界最高の迫力満点だったと後述している。(張本勲がおさめたらしい)
その年、南海ホークスのプレイングマネージャーだった野村克也に見出され、南海ホークスに移籍している。言わば「野村再生工場」の第一号となり、1973年昭和48年の南海ホークスリーグ優勝にエースとして、大きく貢献している。その年の日本シリーズ巨人との第一戦に登板して勝ち投手になっている。(その後四連敗で巨人がV9達成)
その後は、野村克也の嫁の野村沙知代の球団への口出しに反抗して南海ホークスを追われる形で阪神タイガースに移籍している。この時の江夏豊とのやりとりも有名な話になっている。後に和解して仲良しだったと聞く。
そして、特に有名な話が、阪神タイガース時代に中西太と対立し、「ベンチがアホやから」と迷言を残し球界を去っている。この後も武勇伝は多いが、その後のことは私は興味がないので、辞めておく。南海ホークス時代の江本がエースとして、相応しい時だったと思う。
そんなわけで、酒と鮨の千一夜・第十八夜は最後は昭和のプロ野球界のお話で令和元年の幕を下ろしそうです。来年もおしまいのページでは、波瀾万丈な昭和のお話に飛びたいと思います(笑)もちろん本編は日本酒に鮨を徹底的に追求したいと思います。来年もよろしくお願いいたします☆