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酒と鮨の千一夜・第十七夜~秋田美人「新政Ecru」&四国峻厳「剣山松茸」on魯山人作「紅葉文四方皿」~

掲載

今年もいの一番に採れたてを送ってもらった。四国徳島剣山系の松茸をいただき始めて、もう20年近くになる。「味しめじ香まつたけ」と言うが、ほんとに美味しい松茸を食すと、もうその味と虜になってしまう。(香りは当たり前に虜笑)年一度はこの剣山松茸を食べないと秋は始まらない、もっと言えば年は越せない。
20年前は「焼き」と「鱧鍋」をメインにしてきたが、今は、「焼き」「土瓶蒸し」と「握り」が外せない。そしてもちろん日本酒も外せない。このスタイルで七年ほど過ごしてきた。特に昨年からは高松「すし秀」の協力を得て本格握りで剣山松茸を堪能している。

今年は北大路魯山人の「紅葉文四方皿」を持ち込みの承諾を得て魯山人の皿に松茸握り、そして酒は秋田の銘酒「新政Ecru」をすし秀親方のすすめで合わせた。もう感想は言うまでもなく、聞くまでもなく、あなたの想像とおりであります。

「新政Ecru」

30 BY July.2018 – June.2019
生成 2018 -Ecru-
アルコール分:14度(原酒)
精米歩合:65%
原料米:酒こまち

通称「エクリュ」。
秋田生まれの酒米「酒こまち」を用いたボトムライン。麹米に40%、掛米に60%と異なる磨きを配す。「酒こまち」の、まさに寒冷地の雪解け水を思わせる清らかなテイストが楽しめる。エントリーモデルとして、ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいお酒。

【酒こまち】
生誕年[登録年]:2004年(平成16年)
生誕地[登録県]:秋田県
平均収量:約9俵/反
新政酒造における主要栽培地:秋田市河辺

以上、新政公式HP「colors」より抜粋

松茸

美味しさのポイントは二つ
その一「サイズ」
松茸はカサがまだ開いていない状態のものは「コロ」と呼ばれ、成長するにつれて「つぼみ」「中つぼみ(中開き)」「開き」などと呼び名が変わります。またそれぞれの状態によって香りや味わいも違ってきます。
香りとうまみのバランスが優れているのはカサの裏側の膜切れがない「つぼみ」で、価格も一番高く高級品とされます。「コロ」は長さ6cm以下の未成熟なもので、やわらかくて食感はよいですが香りがやや少なめです。今回はつぼみを焼きで、コロを握りと土瓶蒸しでいただきました。

その二「鮮度」

北大路魯山人も「日本料理の基本理念」で述べています。
「今は松茸まつたけの時節でありますが、松茸にしましても、この頃の山へ行って、採った場所ですぐさま食べるのが一番美味いのです。京都あたりから、たくさん送られて来るのですが、途中籠かごの中で変育して、届いたときは発送時より大きく育っています。栄養を摂取しなくて育つのですから、痩やせるに決っています。」
休日であれば、朝獲れを剣山麓までいただきに行くのですが、今回連絡があったのは十月半ばの平日の日。宅急便で翌日の到着となりました。しかし、一般に流通するものよりははるかに鮮度抜群です。2013年以来の極上物でした。では、焼きと魯山人の皿に盛られた握りをごらんください。

おしまいのページで・・・

酒と鮨の千一夜、第十七夜を迎え、十七にこだわって思いを張り巡らしたが、南沙織のデビュー曲「十七才」、桜田淳子のヒット曲「十七の夏」昭和アイドル歌謡曲二曲を思い出したが、文面が張り巡らない(笑)そこで自分自身の17才の1979年昭和54年の芸能年表に眼を通してみた。あったこれだ!クイズヒントでピントの十六分割!

『象印クイズ ヒントでピント』(ぞうじるしクイズ ヒントでピント)は、テレビ朝日系列局ほかで、1979年3月4日から1994年9月25日まで、毎週日曜 19:30 – 20:00(日本標準時)に放送されていたクイズ番組である。全708回。
司会は基本的に土居まさるが務めていた。土居はオープニングクイズ後のCM明けに、キャッチフレーズとして「あなたの直感と連想能力に挑戦する象印クイズヒントでピント(、迎えて第○○○回です)」と言うのが恒例になっていた。
この番組は、当時としては最新のコンピュータを使用した出題形式を採用。一般常識問題よりも難問・珍問・奇問を中心とする映像クイズを出題していた。問題内容もキャッチフレーズの通り、映像によって直感力を問われるものや、いわゆる『連想ゲーム』のような問題がほとんどであった。解答者はタレントや文化人と呼ばれるタイプをメイン(特にキャプテン)に揃え、知的イメージを押し出していた。
テーマ曲を担当したのは、『世界まるごとHOWマッチ』(毎日放送)のオープニングテーマと『クイズ面白ゼミナール』(NHK)のオープニングテーマも手掛けた前田憲男である。なお、『クイズ面白ゼミナール』は1982年から裏番組となっていた。

本番組は裏番組のNHKの『クイズ面白ゼミナール』やフジテレビの『世界名作劇場』と視聴率で争っていた。

男性軍(緑の席)・女性軍(赤の席)に分かれて各5名、うち1名はゲスト(5枠席に着席する)の対抗戦。

当時最新のコンピュータ技術を生かした映像クイズは、大きく6つ(末期には5つ)のパートに分かれていた。特記の無いものは全員参加の早押しクイズ。
問題は、おおまかに「分割問題」と「テクニカル問題」の2種類の問題が出題される。「分割問題」は、2枚・4枚・8枚・16枚のヒント(語句・絵・写真)が記されたパネルを番号パネルで隠し、時間の経過に従い番号パネルがランダムに外されていくことでヒントを表示させる形態の映像クイズ。二分割、四分割、八分割、十六分割となる。何と言っても十六分割は難度も高く、良く出来たクイズだったと思う。

大学時代に帰省したときも必ず見ていた。親父は、私に付き合う形で見たいたが、今ひとつルールも分かってなかったし、十六分割の高度な問題にまったく付いて行けず、「こんなもん、どこがおもろいんや」と、ふてぶてしくつぶやいいていた。それが、ある日、十六分割のうち、三枚くらい開いたところで、「サツキやないか」と答えた。そう、うちの親父は植木屋さんで、たくさんのサツキも栽培していた。結局、浅井愼平も中島梓も答えることはできず、珍しく正解者はなかった。正解はまさかの「サツキ」そうなると親父の独壇場である。「こいつらもお前もみんな阿呆ばっかりやな笑」「ほんまええクイズ番組やな笑」
あの時の親父の得意顔は今でも忘れない(笑)

そんな訳で、本来ならサツキの写真16枚で振り返るところだが、さすがに私には無理だ。そこで、酒と鮨の千一夜第十七夜のおしまいのページは、これまでの十六夜の酒と鮨を「十六分割」で振り返ってみたいと思います。
では、どうぞ、召し上がれ!

左上から
①②③④
⑤⑥⑦⑧
⑨⑩⑪⑫
⑬⑭⑮⑯

①日本海真旗魚 石川県小松市「田がみ」にて
②南と土佐久礼産初鰹の土佐巻き 高知市「かもん亭」にて
③長崎五島産旬鯖の〆鯖 高松市「すし秀」にて
④鍋島と新潟県佐渡島産寒鰤 高松市「すし秀」にて
⑤Ilove Sushi と千葉県九十九里産煮蛤 高松市「すし秀」にて
⑥北海道産 北寄貝 高松市「すし秀」にて
⑦香川県庵治産小鯵 高松市「すし秀」にて
⑧香川県観音寺伊吹島産赤貝と鳥貝 高松市「すし秀」にて
⑨北海道利尻礼文産蝦夷バフンウニと徳島県和田島産赤うに 高松市「すし秀」にて
⑩香川県庵治産鱚湯引き 高松市「すし秀」にて
⑪酔鯨と高知土佐沖初鰹たたき、瀬戸内前鰆炙り 高松市「すし秀」にて
⑫愛媛県佐田岬産黒鮑(蒸し)肝ソース添え 高松市「すし秀」にて
⑬松みどりTOKYOと静岡県舞阪産新子八枚付け(小鰭) 高松市「すし秀」にて
⑭隆と地魚鮨 神奈川県小田原駅前「天史朗鮨」にて
⑮讃岐前鱧湯引き酢味噌、本山葵、梅 高松市「すし秀」にて
⑯瀬戸内前桜鯛(真鯛) 高松市「すし秀」にて

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ライター プロフィール

日本酒ライター 髙松 巖

髙松 巖

香川県丸亀市で日本酒メインのダイニングバー「星の川」をやってます。こちらでは、季節感溢れる日本酒の魅力をお伝えできたらと思います。よろしくお願いいたします。