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酒と鮨の千一夜・第八夜~初夏の紅白握りと酔鯨DRUNKEN WHALE~

掲載

四国の春から初夏は、瀬戸内の桜鯛(真鯛)土佐沖の初鰹でピークを迎える。その次に来る初夏の代表魚は都会ではマイナーだが、地元では人気を誇る瀬戸内の鰆(白)と土佐沖の筋鰹(赤)を今回は握ってもらった。鰆は皮つきを炙りにしたものが、私も好きだし、こちらすし秀も炙りをメインに握っている。しかし、初夏の清々しいこの季節は生の皮付きで握ってもらった。すじがつおも生の皮付きにしてもらった。
それに合わせるのは、高知の銘酒、酔鯨「吟麗summer」を合わせた。こちらはボトルも酔鯨の英字表現DRUNKEN WHALEの英文字と鯨の尾びれが夏らしく描かれており、食欲も酒欲もそそられる(笑)

酔鯨 DRUNKEN WHALE

酔鯨酒造株式会社(すいげいしゅぞう-)は、日本酒「酔鯨」などを製造する、高知県の酒造メーカーです。食品専門商社・旭食品の関連会社で、本社は龍馬像でも有名な桂浜近く高知市長浜にあります。
酔鯨の名前の由来は土佐藩第15代藩主山内容堂が自ら名乗った「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」から来ています。
降雨量が多く、水資源の豊かな高知県にあっても水量の豊富な鏡川の上流域、土佐山地区の湧水を仕込み水とし、旨みが有りながらもキレが良く、香りおだやかな食中酒としての魅力を追求しています。
純米吟醸 『吟麗summer』は、酔鯨酒造が本格的に吟醸酒造りを始めた最初の商品で、現在でも蔵を代表する中心的存在の純米吟醸酒「吟麗シリーズ」の夏限定商品です。 通常の純米吟醸“吟麗”は熊本酵母のKA-1を使用しますが、本品は酸度が高くスッキリとした味わいを醸し出すKA-4を使用しています。  酒造好適米を50%まで磨き上げ、仕込み水は“鏡川”最源流域の湧水で、しっかり造った麹と共に低温でじっくりと醸されています。 控えめな香りで酸味が高くキレの良い味わいは夏にピッタリ、さらりさらりと杯が進みます。 あと口に感じられる軽やかなビター感は夏のさっぱりした魚貝にも合い、食材の味をより一層引き立てます。

鰆、サワラ

サワラ(鰆)、学名 Scomberomorus niphonius は、スズキ目・サバ科に属する海水魚の一種。細長い体の大型肉食魚で、食用に漁獲される。
成長するに従ってサゴシ(青箭魚)(サゴチとも・40-50cm)、ナギ(50-60cm)、サワラ(60cm以上)と呼び名が変わる出世魚でもある。体長が細長く「狭い腹」から「狭腹(サワラ)」と呼ばれるようになったとする説がある。他の地方名にはサーラ(各地)、ヤナギ(若魚:近畿・四国)などがある。なお、石川県の方言では「サワラ」はカジキを指す。
最大では全長115cm・体重12kgの記録がある。また、メスの方がオスよりも大型になる。近縁種も含めサバ科の仲間でも特に前後に細長い体型で、左右に平たい。地方名のサゴシは「狭腰」、サワラは「狭腹」の意である。
口は大きく、顎には鋭い歯がある。側線は波打ち、枝分かれが多い。第二背鰭・尻鰭と尾鰭の間には小離鰭が並ぶ。また、体内には浮力を調整する鰾(うきぶくろ)がなく、鰓耙もごく少ない。体色は背側が青灰色、腹側が銀白色で、体側には黒っぽい斑点列が縦方向に7列前後並ぶ。
北海道南部・沿海地方から東シナ海まで、東アジアの亜熱帯域・温帯域に分布する。これらは日本海南部・黄海・東シナ海に分布する系群と、瀬戸内海から西日本太平沿岸に分布する系群の二つに分けられる。前者は黄海、後者は瀬戸内海を産卵場としている。
春から秋にかけては沿岸の表層を群れで遊泳するが、冬は深場に移る。食性は肉食性で、おもにカタクチイワシやイカナゴ等の小魚を捕食する。
産卵期は春から初夏で、何回かに分けて産卵を行う。仔魚は当初から鋭い歯をもち、自分と同じくらいの大きさの他魚を貪欲に捕食する。生後1年で46cmほどに成長し、以後は2歳68cm、3歳78cm、4歳84cmほどとなる。成長は温暖な時期に顕著で、冬は成長しない。寿命はオス6年、メス8年ほどである
古くから香川の地になじみ愛され続ける魚です
讃岐に春を告げる魚として香川県民に愛されているサワラ。小さい時はサゴシやヤナギと呼ばれ、成魚になるとサワラと呼ばれ、スマートな体系に鋭い歯、鋭角なひれが特徴です。
サワラは、4月から5月にかけて産卵のために太平洋から瀬戸内海に入ります。産卵は5月から6月で、生まれた稚魚は11月頃まで瀬戸内海で成長し、その後外海へ。翌春、再び瀬戸内海に帰ってきます。
身は柔らかく、癖のない上品な白身。そのため白身魚と思われがちですが、成分値やサバと近縁であることから赤身魚に分類されます。
香川県の農村部には、空豆に実が入り、麦が熟れはじめる頃、親戚の人たちにサワラ料理を振る舞う「春祝魚(はるいお)」という風習があります。ひと昔前では、若嫁さんに大きなサワラを1本持たせて里帰りさせる光景が見られたほど、サワラは香川の地に根付いた魚です。
香川県民に愛されているサワラですが、漁獲量は1986年の1,075tをピークに減少し、1998年にはその2%である17tまで減少しました。そこで、県下の「さわら流しさし網漁業者」が中心となり、サワラ資源管理のため、様々な努力に努めました。網目の大きさ制限や秋漁の休漁、さらに種苗の生産や放流にも取り組みました。その成果が実り、2014年には600tを超えるまでになりました。
サワラの習性を利用した伝統的な漁法。首輪のような線はさし網漁の証です
香川県海域では播磨灘、備讃瀬戸、燧灘の全海域で漁獲されます。主なサワラ漁法は近世はじめから続く伝統漁法である「流しさし網漁業」。サワラの流しさし網は、長さ600m~1500m、高さは8m~24m。海面から1m~15m下に網の上辺がくるように沈めます。サワラは高速で泳ぐことができる魚のため、サワラの行く先に張られた網に高速で突き刺さり、からめ獲られます。そのときに体に首輪のような1本の線が入り、これが流しさし網で漁獲された証となります。
香川県では、海域ごとに漁獲期間を設けています。
サワラ漁許可期間
播磨灘  4月20日~7月15日、9月1日~11月30日
備讃瀬戸 4月25日~7月20日、9月1日~11月30日
燧灘   4月20日~6月15日、9月1日~11月30日

筋鰹、スジガツオ、歯鰹、ハガツオ

成魚は全長50-60cmほどだが、1mに達する大型個体もいる。下顎は厚くがっしりとしていて、顎には鋭い歯が並ぶ。体色は背中が青く、黒くて細い縦縞が片側に6-7条走る。腹側は銀白色をしている。カツオに似るが、頭部や体型が前後に細長いこと、鋭い歯が目立つこと(標準和名の由来)、背中側に縦縞があり腹側に縞が出ないことで区別できる。
多くの地方名があり、頭部が細長く前に突き出てキツネの顔を思わせることから「キツネ」「キツネガツオ」、体が細長くサバに似ることから「サバガツオ」、背中の縦縞から「シマガツオ」「スジガツオ」といった呼び名がある。

生態

南日本太平洋岸・中央アメリカ西岸・オーストラリア北岸・アフリカ東岸まで、インド太平洋の熱帯・温帯海域に広く分布する。学名の種名”orientalis”は「東洋の」という意味である。沿岸域の表層を群れで遊泳し、カツオやマグロ類などと混群を作ることもある。食性は肉食性で、他の小魚や頭足類などを捕食する。
一本釣り、延縄、巻き網、定置網などで漁獲される。ただし日本では一般的に本種を狙って漁獲することはなく、サバ、カツオ、マグロなど他の魚との混獲で水揚げされる。
肉は赤身で軟らかく、味も非常に良い。しかし鮮度落ちが早いため昔の評価はカツオ以下だったが、冷蔵技術,流通手段の進んだ現在ではカツオより味の評価は高い。ただ傷みが早いので鮮度には注意が必要である。加熱してもカツオほど硬くならず刺身、焼き魚、唐揚げなどいろいろな調理法に対応する。 五島列島では『生節』といって薫製にしてうまみを閉じ込め1ヶ月以上冷蔵庫保存可能なものを古くから作っている
味わいはカツオとサワラの中間的なものに思える。関東では古くから総菜用の魚として煮るか、焼くかしていた。煮る硬く締まるが実に味わい深い。焼く場合は強い塩をするが、これもご飯に向いている。流通の発達した現在ではなんといっても生食がいちばんうまい。カツオのようにたたき、刺身など魚類中でも最上級の味だ。
ハガツオは回遊魚で、日本の沿岸で漁獲される時期は初夏から秋にかけてで、盛期は8月から10月にかけてとなっている。沢山穫れる時期という意味での旬は夏と言えるが、秋から晩秋にかけては身に脂がのり、この時期もまた味の点から見れば旬と言える。

Wikipedia,香川県HP
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑より参考引用

おしまいのページで・・・

2010年5月の私のブログに讃岐の郷土料理、鰆の押し寿司についての投稿がありました。
とある丸亀の漁港近くの居酒屋での一幕です。では、当時の写真と原文のままどうぞ

そして、この時季、
カウンターに、鰆の押し寿司があることに気付きました。
讃岐の郷土料理、
こちらは、甘酢〆の鰆に、中には、煮穴子・・・
そして定番の空豆に玉子、海老と・・・

春の名残り、初夏の香り、夏の足音と言う感じでしょうか・・・

大将曰く、「鰆も、そろそろ終わりやな・・・」

そろそろ梅雨本番ですね・・・
おしまいのページで・・・

最後の一言・・・
私「大将、お願い、もう一回食べさせて・・・」

以上、星の川別荘より

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ライター プロフィール

日本酒ライター 髙松 巖

髙松 巖

香川県丸亀市で日本酒メインのダイニングバー「星の川」をやってます。こちらでは、季節感溢れる日本酒の魅力をお伝えできたらと思います。よろしくお願いいたします。