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酒と鮨の千一夜・第二十一夜 〜「幻の美酒」飛露喜・大吟醸と「冬の名残」「春の走り」を巡る鮨七貫〜

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酒と鮨の千一夜・第二十一夜 〜「幻の美酒」飛露喜・大吟醸と「冬の名残」「春の走り」を巡る鮨七貫〜

この冬は暖冬だった分、春の初めの寒の戻りがことの他、寒く感じる。そんな春の初めの夜は冬の名残、春の走りの「伊豆の金目鯛」「讃岐詫間の鱚」「桑名の蛤」「ニュージーランド沖南鮪の赤身漬け」「備讃瀬戸の針烏賊」「讃岐庵治の小鯵」「熊野灘の大鯖」の鮨七貫を会津の幻の美酒「飛露喜・大吟醸」に合わせた。

鮨に合わせて酒を選ぶよりは、好きな酒に色々な好きな鮨を合わせる方が楽しい。だって好きなものと好きなものなのだから、相性が良い決まっている。これ、私の持論なので、根拠ありません(笑)

1、酒「飛露喜・大吟醸」

酒と鮨の千一夜・第二十一夜 〜「幻の美酒」飛露喜・大吟醸と「冬の名残」「春の走り」を巡る鮨七貫〜

写真上段・飛露喜・大吟醸
下段左端・飛露喜と伊豆の金目鯛
下段真ん中・飛露喜と讃岐詫間の鱚
下段右端・飛露喜と桑名の蛤

全国的にも有名になった、ご存知「飛露喜」。醸造元は廣木酒造。会津坂下の街中に蔵元さんはあります。一時は廃業を考えたほどだといいますが、今では信じられないほどの人気ですね。
蔵元いわく、「濃密な透明感のある、存在感のある酒を造りたい」
その言葉どうりの酒質、存在感があり、食卓の主役となれるお酒です。
限られた本数しか製造されない為、地元会津でもここ数年品切れ状態が続いております。

さて、有名な「飛露喜」のシリーズ中、唯一の大吟醸酒が今回のお酒。極めて生産数が少ない為、あまりお目にかかる事がない幻の逸品です。まさに「幻の美酒」と言えるでしょう。
兵庫県産山田錦を40%まで磨いて造られています。ほんのりとした甘みと、お米の旨みと切れの良さ、バランスに優れているところが魅力です。

2,冬の名残、春の走りの鮨七貫

酒と鮨の千一夜・第二十一夜 〜「幻の美酒」飛露喜・大吟醸と「冬の名残」「春の走り」を巡る鮨七貫〜

①伊豆の金目鯛昆布〆
写真一段目真ん中

古くは関東の近海、千葉県、伊豆半島、伊豆諸島に多く、関東を代表する魚というイメージであった。ここに長崎県、鹿児島県、高知県の産地が増えたことと南半球からなどの輸入ものが増えて全国的な存在となる。
伊豆のお魚といえば金目鯛。
その中でも特に脂ののりがよく、味の濃い金目鯛は”地金目”と呼ばれ、金目鯛の最高級ブランドとなっています。

②讃岐詫間の鱚
写真 一段目右端

鱚につきましては、第十四夜にて詳しく述べましたので、それ以降に私が新しく知ったことのみ書かさせていただきます。
きすの語源は「生直(きす)」=性質が素直で飾り気のないと言うところから来ているらしい。飾り気ないその味わいそのものが、これから旬に向かう浅き春の味わいである。

③桑名の蛤(煮蛤)
写真二段目左端
桑名のはまぐりの特徴
桑名産のはまぐりの特徴は、なんと言ってもその身の大きさ。中身がしっかりと詰まっていて、口に入れると貝のエキスが口の中いっぱいに広がります。桑名のはまぐりが全国の料亭で使われるようになったのは、古くから有名なのもありますが、もちろんそのおいしさゆえ。

そもそも、桑名のはまぐりが有名なのは、江戸時代からです。
十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)が最初と言われています。
十返舎一九は、江戸時代後期の戯作者として有名です。
東海道中膝栗毛は、十返舎一九の代表作です。
主人公の弥次郎兵衛(やじろべえ)と喜多八(きたはち)が活躍する滑稽本(こっけいぼん)で、挿絵もたくさん入っていて、江戸時代の東海道旅行の実情を記録した貴重な作品となっています。
この東海道中膝栗毛の中で、弥次さんと喜多さんが桑名に立ち寄ってはまぐりを食べたことが記されています。
実は、弥次喜多のお二人はかなりの下ネタ好きだったようで、このはまぐりもそのネタに使われていたとのことらしいので、ここより先は割愛いたします(笑)。
東海道中膝栗毛の中では、「箱にしたいろりのようなものの中へ蛤をならべ、松かさをつかみ込み、あふぎたてて焼く」とあり、昔は松かさを使って焼いていたみたいです。
また、三重県の特産品として、江戸時代の歴代将軍への献上品としてもはまぐりが使われていました。
また「その手は桑名の焼きはまぐり」は、「その手はくわない」をシャレて言ったものです。今の時代なかなか聞かないシャレではありますが、これだけ後世に残っているということは、当時いろんな人が口にしていたんでしょうね。(知らないけど笑)
旬は初夏から8月ごろにかけてですが、やはり身は小さくとも桃の節句の頃が大人気となります。写真のように身は小さくとも旨さが凝縮されています。

④南鮪赤身ヅケ ニュージーランド
写真中段真ん中

ミナミマグロの肉質は鉄分が豊富で濃い赤色のため、赤身とトロの境目が分かりやすい。赤身もトロも肉厚で甘みが強く、ねっとりと脂質がよいのでお寿司屋さんで好まれて使われ、クロマグロと人気を分ける高級マグロです
ニュージーランド沖南鮪の特徴は色目は濃く赤身が多いと言われています。私個人的選定として、マグロの赤身としてはニュージーランド沖ミナミマグロの赤身が世界一美味いと認定。旬は5月〜8月と言われる。南半球は今は初秋であろうか?そこは、日本暦に合わせて「春の走り」としておこう(笑)

⑤針烏賊 讃岐前備讃瀬戸
写真中段右端

舟のような形をした甲を持ち、甲の先にケンがあります。頭に見えるところがイカの胴の部分ですが、この先を触ると、針が出ているようなので、「ハリイカ」と呼ばれています。黄土色でしま模様がある体も特徴的です。県内で獲れるイカの中でも多く獲れる種類です。コウイカ類の卵は直径1cm前後と大きく、1個ずつ産み付けられます。産卵期になると、海藻のみならず定置網などにも産み付けられることもあります。
身は肉厚。刺身では、噛めば噛むほど甘味とねっとりとした食感が味わえます。今回の針烏賊はウニよりも甘かった。

⑥小鯵 讃岐庵治
写真三段目左端

味の良さから「アジ」となったとする説(新井白石は語源時点『東雅』の中で「アジは味なり、その美なるものをいう」と書いている)、旧暦の3月(太陽暦5月)に脂が乗り始めることから「参(三)」の字を当てたとする説、「(あまりに旨いので)参った」に由来するとする説などがある。
ここ、すし秀はほぼフルシーズン、讃岐庵治の小鯵が供される。テロテロに脂の乗った大鯵も良いが、旨さ脂が凝縮した小鯵丸ごと一尾を握りで、いただくのは最高に旨い。

⑦〆鯖 三重熊野灘
写真三段目真ん中

今回は三重産の真鯖ということで、三重県のホームページから、抜粋いたします。
マサバの旬は通常秋と言われていますが、おすすめしたいのは冬の大サバです。大きなものであれば、マサバであろうとゴマサバであろうと冬にはたっぷりの脂が乗っており、とてもおいしくいただくことができます。三重県ではゴマサバの方が多く漁獲されますが、冬の真鯖の大サバがもっとも脂がのります。

以上、幻の美酒、飛露喜・大吟醸と冬の名残、春の走りの七貫いかがだったでしょうか?美味い酒に旨い鮨、次は桜の頃でしょうか、、、お楽しみに。

おしまいのページで・・・

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写真二段目右端
元読売巨人ジャイアンツ投手
高橋一三さん

ここ3回、カルビー野球カードからのお話をさせていただいた。今回も二十一夜と言うことで、巨人V9時代に背番号21番で活躍された、「左のエース」高橋一三投手について書かせていただきます。
1966年から一軍に定着。1969年には右打者の外角へ鋭く曲がるスクリューボールを習得し、22勝5敗、防御率2.21(リーグ4位)の好成績を挙げ、最多勝利、最高勝率、沢村賞、ベストナインと多数のタイトルを獲得。同年の阪急との日本シリーズでは4試合に登板。第2戦では延長10回に長池徳二にサヨナラ適時打を喫するが、最終第6戦で宮本幸信と投げ合い完投勝ち。自身の日本シリーズ初勝利で胴上げ投手となり、同シリーズの最優秀投手賞を獲得した。以降5年連続二桁勝利を記録するなど、1学年下の堀内恒夫と共に、V9時代の巨人投手陣の主力として活躍。エースである堀内と遜色ない成績を残していたため、“第二のエース”という意味で『左のエース』という呼び名で呼ばれた。今日、当たり前の野球用語として定着しているこの呼称は高橋から使われるようになったものである。1973年にも23勝、防御率2.21(リーグ2位)を記録し、2度目の沢村賞とベストナインを獲得。
中学・高校時代の同僚は、球速はあったがコントロールが悪く、名前のとおりにカウントが(1-3)になることが多かったと述べている。巨人時代は真上から投げ下ろす速球、落差の大きなカーブと右打者の外角へ逃げるシュートが武器であった。1970年代前半、指に特殊な装置をつけて球速を測定した際に156.46km/hを記録した。これは、スピードガン出現以前に実際の球速が直接測定された貴重なデータでもあった。剛速球を売りにしていたことがある堀内恒夫は「当時はスピードガンなんて便利な機械はなかったけど、150km/hをオーバーしたのはぼくとカズミさん(高橋)だけだったはずです」と述べている。
王貞治は「真っすぐとカーブが主流であった時代、右打者の外に落ちるスクリューボールを武器に活躍した。今の左投手の原型をつくった投手」と評した。

巨人時代は対阪神戦に非常に強かった。巨人時代の通算110勝のうち34勝を阪神から挙げており、特に1969年は7勝0敗という非常に高い勝率を記録している。

胴上げ投手を9度経験という日本記録を持っている(レギュラーシーズン5度、日本シリーズ4度)。特に1973年は、阪神とのセ・リーグ優勝をかけたシーズン最終戦を完封勝利で飾る劇的な胴上げとなった。ただし、このときは試合終了直後に、阪神が惨敗で優勝を逃したことに激高した観衆がグラウンドに乱入して巨人の選手に暴行する騒ぎとなり、実際の胴上げは宿舎で行われている。

満塁での場面で四球で押し出しによるサヨナラ負けを3度記録している。このうち、1969年と1971年にはヤクルトの大塚徹を押し出しサヨナラ四球を与えいる

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ライター プロフィール

日本酒ライター 髙松 巖

髙松 巖

香川県丸亀市で日本酒メインのダイニングバー「星の川」をやってます。こちらでは、季節感溢れる日本酒の魅力をお伝えできたらと思います。よろしくお願いいたします。