ジャケ買いのすすめ⑥ ~横文字言葉の巻 human,Heart&Soul~
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今回のジャケ買いのすすめもイラスト、絵柄なしの横文字言葉にスポットを当てました。
横文字言葉となどと言うと、軽んじて見ているように思われるかもしれませんが、「ジャケ買い」と言うテーマに対して、適当な表記が思い付きませんでしたので、ご容赦頂きたいと思います。
だだ、ここで取り上げるお酒の名前(ジャケットの言葉)である、human(ヒューマン)Heart&Soul(ハート&ソウル)は、人間、心、魂の日本語の漢字表記よりも現代に置いては、より身近に、そして心に響く言葉ではないでしょうか。
その理由を紐解いて行くのは、心理学的要素などさまざまな考察をすれば、証されて行くのでしょうが、ここは、「ジャケ買いのすすめ」ジャケットに表記された横文字言葉(お酒の名前)から、そのお酒の味わい、造り手の心意気などを読み取って行きたいと思います。
醸し人九平次 human (愛知県)
「男性でも女性でもない。国境や民族や文化でもない。そんな、すべての境界を飛び越えていける日本酒でありたい。」
そう志して醸しました。
軽やかに、高らかに、笑い声が降り注ぐ。 そんな純米大吟醸になりました。
以上当蔵HPより
性別でなく、国境、文化も超えると言うことは、料理に対しては、魚にも肉にも野菜にも、食前でも食中でも食後でも合う、言わば万能酒を志していると言うことでしょう。
実は私のジャケ買いの最初は、この「human」でした。いわゆる初恋、横文字言葉にすれば、ファーストラブが、このhumanでした。
それまで、日本酒のジャケットと言えば、昭和ひげ文字に代表される純日本的なラベルでした。文字、言葉は桜、鶴、亀などの漢字のものしか、知りませんでした。
それが、このhumanのシンプルで格好いい横文字言葉のラベルは、日本酒としては初めて見るものでした。
その夜、初めてhumanを一口飲み、日本酒に対する概念が変わりました。まさに男でも女でもない、国境も文化も越える・・・一夜にして、日本酒にメロメロ、日本酒に恋した夜でした。これが、私のジャケ買いの始まりでした。
川鶴 Heart&Soul (香川県)
「讃岐(香川県)の水はうどんには合っているが、酒には合わない」何の根拠もない個人的な好き嫌いの話なのですが、正直、私は香川県の日本酒は苦手でした。
2016年の夏、懇意にしていただいている先輩から贈られ一本は、黒地に銀色の昭和ひげ文字の川鶴、そして、赤字でHeart&Soul。何とも言えず、胸に迫るものがありました。これが、ジャケ買い派私のセカンドラブだったかも知れません。
以下、2017年裏ラベルより
2造り目のチャレンジ 「山田錦」80%精米
川鶴酒造が目指す「一貫醸造」の理念を追求した純米酒が今年も完成しました。
米作りから酒造りまでの全てを造り手全員が共有し、自家栽培米の特性を知り得る上で特に重要視した低精白醸造の技術研鑚も視野に入れ、滑らかで爽やかな酒質となるよう設計して醸し上げました。
酒造りの本質を捉えた特別なお酒として、米作りに携わって頂いた全ての方々に感謝すると共に、これからの川鶴が未来に向けて進化し続け、造り手として魂と情熱を持って全力で酒造りに邁進していけることを願い、ここに思いを込めて出荷いたします。
原料米:自家栽培山田錦
精米歩合:80%
日本酒度:+10
酸度:1.4
アルコール分:16%
産地:香川県 川鶴酒造
以上、裏ラベルより
香川県の米、香川県の水、精米歩合80%、日本酒度+10の辛口。若干の地元贔屓はあるとは思いますが、特に私には、心を揺さぶる何かがあったと思われます。これ以降、私の香川県の酒に対する認識は大きく変わりました。
Heart&Soul まさに胸に迫る一本でした。