ジャケ買いのすすめ⑪ ~春の巻・鶯(うぐいす)~
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春告鳥と言えば、うぐいす。うぐいすは、春鳥、春告鳥、報春鳥、などの別名を持つ、春を告げる縁起の良い鳥で、古来、日本では数多くの歌や絵画に登場してきました。
「鶯(うぐいす)の谷よりいづる声なくは春来ることを誰だれか知らまし」
これは古今和歌集にある大江千里が詠んだ句です。昔の人はうぐいすは冬の間谷に潜み、春の訪れと共に里に出て来ると考えられていたため、早く谷から出てきて春を告げてくれという気持ちを表しているんです。
昔も今もうぐいすは春の風物詩なんですね!
春のジャケ買い的にも、「庭のうぐいす」ははずせません。昨季は、「はなびえ」だけのご紹介でしたが、今季は「あらばしり」と「はなびえ」のご紹介をさせていただきます。
あらばしり
“あらばしり”とは搾りの最初に槽よりもろみの自重で滴り落ちるお酒のことを言います。
フレッシュで爽やかな味わいで、新酒らしい少しの渋みがフレッシュさをより引き立てます。
<27BY> スペック
タイプ.純米吟醸
.原材料.米、米こうじ
.原料米.麹:山田錦、掛:夢一献
.精米歩合.50%.
アルコール分.16度.
日本酒度.-1.
酵母.自社培養酵母.酸度.1.6.アミノ酸度.0.9.
はなびえ
日本酒は、冷やからお燗まで様々な温度帯で楽しめることも魅力のひとつです。
“はなびえ”とはその温度帯のひとつで、5~10℃程の温度になります。
冷蔵庫から出してきて、ちょっと温度が上がってきたくらいでしょうか。
春の訪れを知らせるうぐいすの声を聞きながら、春の食材とのマリアージュをお楽しみください。
<蔵元コメント> 原料に福岡県産の山田錦を選んだ意欲作。“花冷え”という響きを聞いた時、なんと美しい日本語だろうと思いそのまま酒名にしました。甘みを十分に残しつつ、それに十分に耐えうる産を意識し、飲み飽きしないキレの良い酒質に仕上げ、冷やしてバランス良く飲めるお酒になりました。
<27BY> スペック
タイプ純米吟醸
原材料米、米こうじ
原料米山田錦
精米歩合50%
アルコール分16度
日本酒度-5
酵母自社培養酵母
酸度1.9アミノ酸度0.8
この春に、この二本を飲むにあたって、個人的に心に迫る思い出について記しておきます。
「あらばしり」は、初めて田舎を出て、東京へ向かう田舎の駅のホームで眺めた桜吹雪。初めての都会での一人暮らしに不安を抱きながらも希望に湧きたつ旅立ちの心の花吹雪。そんな心の色の味がしました。
「はなびえ」は、初めて行った上野の花見。まさに花冷えの中、彼女と片寄せあい歩いた道。満開の桜、雑踏、賑やかな酒宴、すべてが、ただただ、二人のための世界(笑)静かに湧き立つ淡い恋心、そんな心の色の味でした。ぜひ、皆様も春の思い出とともに・・・そして、また、新しい春の素敵な思い出を作ってくださいね☆