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ジャケ買いのすすめ⑩ ~裏ジャケのススメ その一~

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「ジャケ買いのすすめ」は日本酒のボトルのラベルのデザイン、文字等から造り手の意向、情熱などを汲み取って行く、また、そのお酒の味わい香りなどを想像していく。そんな楽しみを込めてお酒をリストして行く。それが「ジャケ買いのすすめ」のコンセプトであります。今回は裏ラベルのデータから味わい香り風味を想像を膨らませて飲み比べを楽しんでみたいと思います。「裏ジャケのススメ」正当なるお酒選びの手法ですが、数字は裏切りませんので、想像通りだったときの充実感は「表ジャケ買い」以上であります(笑)今回選んだ二本は以下の雄町米使用二本です。

酔右衛門 (岩手県)

大観 (茨城県)

この季節、酒屋の店頭、料理屋のメニューにはひやおろしが並びます。私は理由はわからないのですが、個人的にはこの時季限定のオマチストになります。先日、新しい雄町の酒を求めて酒屋さんに出向きました。初めて出会う二本、酔右衛門と大観。裏ラベルでデータを確認するとどちらも岡山県産雄町米100%使用。ここから先が、まったく違う。それぞれのお酒のイメージが真夏の入道雲の様にもくもくと湧いてきました。迷わずこの二本で決めました。ここで、両方のデータを記しておきます。

酔右衛門(岩手県)
無濾過生原酒
精米歩合70%
日本酒度+6
酸度2.0
使用酵母7号酵母

大観(茨城県)
瓶燗火入れ
精米歩合50%
日本酒度+1.5
酸度1.7
使用酵母14号酵母

皆さんは、想像できたでしょうか?
では、精米歩合、日本酒度、使用酵母など個別にご紹介いたします。そこでまた、想像を巡らせてみてください。

精米歩合
日本酒特有の吟醸香と呼ばれる香りはこの精米歩合が低ければ低いほど、現れやすいです。
日本酒の味わいは原料から製造過程まで様々な要因が組み合わさって決まるので、一概には言えませんが、精米歩合が低いほど、いわゆるくどさのような雑味がなくスッキリとした味わいの日本酒に仕上がるのです。酔右衛門70%と大観50%随分大きな差があります。

日本酒度
日本酒度とは日本酒の甘口.辛口をみる目安となります。糖分が多ければ甘く感じ、糖分が少なければ辛く感じます。日本酒度は糖分の多い物がマイナスに、逆に糖分の少ない物がプラスとなります。つまり、マイナスの度合いが高いほど甘口となり、プラスの度合いが高いほど辛口という事になります。酔右衛門+6は大辛口、大観+1.5はやや辛口。ここも大きな違いが、あります。

日本酒度と酸度
日本酒は酸度が高いほど、より芳醇な味わいに近づき、低ければ淡麗な味わいになります。日本酒度が同一であれば酸度の高い酒が辛く感じ、低ければ甘く感じるのです。

使用酵母
使用酵母については、それぞれについて説明させていただきます。
酔右衛門 7号酵母
協会7号酵母は、1946年に長野県の宮坂醸造(株)より分離され、真澄酵母とも言われます。香気は華やかで吟醸香が高いと言われます。

大観 14号酵母
金沢国税局の管轄区域(富山、石川、福井)で使われていた「金沢酵母」の中から吟醸香を生成する能力が高い株を選択されてきた酵母です。酸度が低い特徴を持ち、高精白米を原料とする吟醸酒、純米酒などに特に適していると言われます。

さあ、皆さんは、この二本のお酒のイメージが湧いたでしょうか?
最後に私のあくまでも私的な感想を書き添えておきます。

酔右衛門
ぐわっと迫る香りと味わい。まだ、日中に暑さの残る秋の夕暮れ時に熱い夏の思い出とともに飲みたいお酒です。

大観
落ち着いた上品な香り、すうっーと、静かに流れる味わい。秋の夜長に少し前の淡い恋の思い出とともに飲みたいお酒です。

ライター プロフィール

日本酒ライター 髙松 巖

髙松 巖

香川県丸亀市で日本酒メインのダイニングバー「星の川」をやってます。こちらでは、季節感溢れる日本酒の魅力をお伝えできたらと思います。よろしくお願いいたします。

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