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ジャケ買いのすすめ③

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~男の巻(新橋の男達&美少年)~

今年は東京の桜の開花は早かったが、全国的には遅れているようだ。三月も終わり、桜の季節がやってくる。桜の季節、すなわちそれは、新年度、新しい旅立ち、再出発の季節である。新年度は新社会人だけでなく、転勤などで新しい土地で仕事を始める人も多いだろう。今回は新しい世界で仕事をはじめる男達に贈る二本。
今回のジャケ買いのテーマは「男」。

富久長 新橋の男達の酒 (広島県)

私は昭和60年から28年間、地方でサラリーマン生活を送った。だいたい3年ごとに転勤があったが、すべて四国島内であった。20代後半は高知で4年間過ごした。昭和から平成にかけてのころだ。高知は屋台が多い。横浜の屋台が撤去されてのちは、ある著名な作家が、博多、小樽、高知を日本三大屋台の街と呼んでいた。
そんな屋台で、先輩、上司とよく飲んだ。いつも仕事帰りの飲み始めか、〆か、当時はクールビズもなく、年中ネクタイ姿だった。屋台のあのワイワイとした活力感と言うか、雑踏感と言うか、あの雰囲気が好きだった。
四国の片田舎の屋台で、こんなに楽しいのだから、サラリーマンの聖地、新橋ガード下のその雑踏感はどんなにか半端ないだろうと想像した。一度は、ネクタイをしめて、新橋ガード下で飲むのが夢だったが、一度もその夢はかなうことなくサラリーマン生活を終えた。いつか、真夏にネクタイしめて、新橋ガードで昔の仲間たちと酒を飲むのも一興かもしれない。
さて、そんな全国サラリーマンに贈る一本は、「新橋の男達の酒」※ここでは、男達を「おやじ」と読ませている。
ジャケットはちょっと渋いネクタイ姿の「おやじ」が佇み、よどみなく「おやじ」の酒と言う感じでジャケ買いしたが、飲み口はフレッシュで爽快である。まさにフレッシュマン、若い方々に飲んでいただきたい。
最後に同酒の裏ラベルのキャプションを記しておきましょう。

とうとう日本酒の時代が来ました。
永い低迷時代を乗り越えて国酒の復権です。ワイン、焼酎、ハイボールと他の酒に隅においやられていた日本酒の出番が来ました。世界遺産登録となった和食とともに世界へ羽ばたいていますよ。ワールドワイドな酒になりつつある日本酒。貴兄も乗り遅れてはなりませんぞ。しかも飲るなら純米酒でいきましょう!冷やでよし、燗でよし、オンザロックも旨し。そうそうハイボールも案外いい感じ。飲み方自由に楽しんで明日への活力にしましょう!時代は日本酒です。
以上、働く日本の男たちを応援する酒なのです。

美少年 劍門 (熊本県)

昭和ひげ文字、個人的には、質実剛健的、あるいは日本の国技大相撲のイメージが湧きます。そんな昭和ひげ文字で書かれたジャケット「美少年」今となれば少し妖艶なイメージもちらほらと頭をかすめながら、ジャケ買いいたしました。
美少年の酒名の由来、天草四郎からとったとか、諸説あるようですが、一番有力そうなものを記しておきます。
中国・唐の詩人 杜甫の「飲中八仙歌」から引用したという説。中国で今も信仰の対象となっている仙人の代表格「八仙」にちなみ、杜甫と同時代の有名な酒豪8人の名を織り込んで、各人のすてきな酔っ払いぶりを詠んだ詩です。
この詩「飲中八仙歌」の中に、酒豪8人の1人、崔宗之についての3行があります。

宗之瀟洒美少年
挙觴白眼望青天
皎如玉樹臨風前

・宗之はすがすがしい佇まいの美少年である
・彼が杯を掲げ俗世を忘れ遥か空にまなざしを向ける様子は
・美しい樹が風に吹かれているように爽やかで輝かしい

この三行こそが、美少年の真骨頂なのでしょうか。

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ライター プロフィール

日本酒ライター 髙松 巖

髙松 巖

香川県丸亀市で日本酒メインのダイニングバー「星の川」をやってます。こちらでは、季節感溢れる日本酒の魅力をお伝えできたらと思います。よろしくお願いいたします。