酒蔵に吊るされてるあの丸い玉ってなに?
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皆さんが酒屋さんの前を通った時、軒下に吊るされている丸い玉を見たことがあると思います。でもあの玉が一体が何なのかをご存知の方は意外に少ないのではないでしょうか?私もあれを見る度に、何なんだろうとずっと疑問でした。そこで今回はあの玉についてご紹介しようと思います。
名前は「杉玉」
あの玉は、杉玉(すぎだま)もしくは酒林(さかばやし)と呼ばれています。その名の通りスギの葉っぱを原料としていて、球の中心となる針金で出来た芯にまだ青いスギの葉っぱを隙間なくつめ込んで、丸く整形することで、私たちが見るあの綺麗な球状の杉玉になります。
新酒完成の合図
では、杉玉が何のために作られるのかというと、一つには「ここは酒屋ですよ」という看板としての役割があります。そしてもう一つは、新酒が出来たことを知らせる目印としての役割があります。毎年新酒が出来る度に新しく作った青々しい杉玉を吊るすことで、新酒の完成を周知する訳です。徐々に葉っぱが枯れて茶色になることで、新酒の熟成具合が分かるといった意味合いもあるようです。
神様への感謝を伝える
今でこそ、酒屋さんのシンボルのようになっていますが、元々はお酒の神様に感謝を捧げるものだったそうです。杉玉の起源はお酒の神様として知られる大神神社のある三輪山のスギの木にあやかったとされています。また江戸時代は今のように球体ではなく、ただスギの葉っぱを箒のように束ねただけだったようです。
酒造りのシンボルマーク
杉玉は酒造りのシンボルであり、日本の歴史・文化を感じさせてくれる大切なものなんですね。普段何気なく見ていたけれど、日本酒にゆかりの深い杉玉。もし酒屋さんを訪れた際は、少しだけ杉玉を気にしてみて下さい、きっとお酒をより楽しめると思います。