岩手の地酒「純米大吟醸 あさ開」
掲載
ちょくちょくこのお酒の名前は聞いていましたが、なかなか飲む機会に恵まれませんでした。が、ようやく先日に岩手の地酒、あさ開を飲むことができました。
あさ開は、精米歩合50%の純米大吟醸です。
色味は白っぽくて香りは落ち着きのある感じです。そしてほのかに酸味を感じられます。日本酒特有の甘みはほのかに感じる程度なので、飲み終わりはさっぱりしたテイストが残ります。自らが個性を強く主張するのではなく、料理を最大限引き立ててくれるお酒ですので、単品料理と合わせるよりも、コース料理のつなぎ役として嗜んだ方がこのお酒を最大限楽しめます。お食事重視のコース料理の際は最適な1本になりそうですね。
あさ開を飲んだ後に知ったのですが、このあさ開を製造しているあさ開は全国新酒鑑評会で唯一、12年連続金賞を受賞している酒蔵だそうです。さらにいろいろ調べてみると南部杜氏というキーワードがよく出てきました。あさ開は岩手県盛岡市に拠点を構える酒蔵なのですが、同じく岩手県の石鳥谷町を拠点とする日本酒を造る集団を南部杜氏と呼ぶそうです。この集団は、今に始まった集団ではなく古くは江戸時代前後からこのエリアでお酒を造ってきた人々です。この南部杜氏はエリアが一体となって杜氏を指導する方針をとってきたため、このエリアの酒質はばらつきがなく、高品質な日本酒ができるとあって県外からも高い評価を得ています。その南部杜氏の中でも代表的な人物がいますが、このあさ開の藤尾正彦杜氏もその一人です。平成17年度には厚生労働省の「特定技能者表彰制度(現代の名工)」にも選出されるなど、日本酒界隈では有名な杜氏が作る日本酒がこのあさ開です。
最近はスパークリング日本酒などのニュートレンドが流行っていますが、このあさ開は特にあか抜けたことはしない芯の通った銘柄という印象を持ちました。