店主が佐賀の日本酒をコーディネート。中洲の「さが蔵」
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「今日は何を飲んで何を食べたのか?ここが何軒目か?この後も飲みに行くのか?普段日本酒を呑むのか?どんなお酒が飲みたいのか?」日本酒を注文するときには店主からいくつもの質問が飛んできます。
店主曰く、「例えば辛い日本酒が飲みたいという要望があったとしても、どんなお酒が辛いのかは人によって違う。さらに同じ人であってもその日に何を食べたかによって辛み加減は変わる。人によって味覚は異なるため、あなたがたった今、求めている辛みを知るためにたくさん質問をする。」
そう語るのは中洲に店を構えるさが蔵の店主です。
「そしてその、辛いにぴったりのお酒を探すのが仕事。あなたの辛いに合う日本酒を探し、あなたの辛いに寄せていくのが仕事。だからこそお店のオススメなんて意味がない。あなたがイメージしている辛さに合うお酒を選ぶ努力をしています。」
お店を運営するためにはいちいちお客様のニーズを深掘りせずに、メニュー表にオススメを並べて、「甘口ならこの日本酒!」とか、「お刺身に合うのはこのお酒!」などと書いておいた方がお店運営上は効率的だと私は思います。ですが、このお店は違います。時間をかけて、お客様のニーズに合うお酒を選ぶ努力をしてくれます。
いざ日本酒を注文
私はたまたま先日、佐賀のお酒「鍋島」を自宅で飲んだので、鍋島のフルーティーさと対極にあるお酒をオーダーしました。(もちろん、お酒を選んでもらうために店主にこちらの要望を細かく伝え、それに対して店主が質問する。というニーズ掘り起し作業を繰り返しましたが、ここでは詳細を割愛します。店主とやり取りしたい方はぜひお店へ足を運んでください。)
登場したお酒は佐賀県の大和酒造さんのアカカベ。ピリッとした辛口ですが、お米のうま味も感じられます。
次にオーダーしたのは変人が好みそうなお酒ということで七田を選んでいただきました。こちらは佐賀県小城市の天山酒造さんの日本酒。生酛作りの癖の強い日本酒です。ここではグラスもお酒によって違います。日本酒がもっとも生きるグラスを店主が選んでくれます。どんなグラスに注がれるかも楽しみの1つです。
さが蔵は原則、佐賀のお酒のみ
さが蔵さんには原則、佐賀県のお酒しか置いていません。
しかし、だからこそお客様の細かいニーズまで救いとることができます。佐賀のお酒しかなく、店主が佐賀のお酒に圧倒的に詳しいからこそ、細かな表現で日本酒を伝えることができるのです。店主はもともと万齢で有名な小松酒造株式会社(佐賀県唐津市)で働いていたという根っからの日本酒玄人です。
県外からのお客様が圧倒的に多い
このお店は中洲のすぐ近く、春吉エリアにお店を構えています。おおきな看板があるわけではありませんが、お店に来るのは佐賀のお酒を求めに来た日本酒好きたち。しかもお客様の多くは全国から来店され、逆に福岡県や佐賀県のお客様はあまり来られないそうです。全国津々浦々からから佐賀のお酒を求めてやってくるので、この日も平日20時ごろにもかかわらず、すでに北海道や東京からお客様が来店されていました。とは言っても決して敷居が高いお店ではないので、日本酒を知りたい、飲んでみたいという方もぜひ訪れてみてください。店主が丁寧にあなたのニーズを拾ってくれます。
店内には酒米が展示してあります
佐賀のお酒をコーディネート
「佐賀のお酒しか出さないからこそ、やることはシンプル。」と店主は言います。「高級なお酒や全国的に有名なお酒は置いていない。有名なお酒を飲みたければ違うお店に行った方が良い。佐賀のお酒に絞っているからこそ、やれることはお客様のニーズを徹底的に追求し、ニーズ合った佐賀のお酒を提供する事。お酒をコーディネートする事」
もしあなたが日本酒の美味しさを知りたいのなら、さが蔵の店主から日本酒コーディネートを受けることをオススメします。