“美酒王国”秋田が今までにない新しい酒米を開発!120号&121号でどんなお酒が醸されるのか?
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近年、日本酒造りに向いた酒造好適米は、各地で様々な品種が開発され、多くの蔵が地元のお米を使った酒造りに力を入れています。全国有数の米所として知られ、「新政」や「雪の茅舎」、「まんさくの花」など数多くの銘酒を生み出した秋田でも新たな酒造好適米作りに力を入れています。
3月7日に東京で開催された「秋田の酒きき酒会」において、秋田県農業試験場と秋田県総合食品研究センター醸造試験場が共同開発した「秋田酒120号」と「秋田酒121号」を使って試験醸造された日本酒の試飲が提供されました。
同県内オリジナルの酒造好適米の開発は2004年の「秋田酒こまち」以来。「120号」は2001年に、「121号」は2010年に開発を開始しました。どちらもすでに品種登録出願はされています。これまでの同県になかった「味に膨らみがありつつも淡麗なタイプ」(120号)と「後味に膨らみがあるタイプ」(121号)となっています。
「120号」は「新潟酒造72号(超淡麗)」と「秋田こまち」を交配。味わいのベースは「五百万石」の綺麗で淡麗なタイプで、後味が控えめで膨らみます。タンパク質は「秋田こまち」と同じくらい低いので、酵母の特徴を素直に引き立ててくれます。
「121号」は「秋系酒718」と「美郷錦」を交配。どちらも“酒造好適米の王様”「山田錦」の系譜に連なる秋田県産の酒造好適米です。吟醸酒は香味が華やか、これまで出せなかった後味の「膨らみ」が特徴で、タンパク質も低くて雑味が出にくいです。同県内の酒蔵はこれまでは同県外産の「山田錦」を使用していましたが、吟醸系の酒造りを中心に鑑評会への出品酒での代わりとなる活躍が期待されています。
すでに「雪の茅舎」や「高清水」、「秀よし」など同県内の酒蔵の協力を得た試験醸造酒が何種類も登場しています。秋田の酒にさらなる広がりをもたらすであろう2種で醸した日本酒の動向に注目です。