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探求心と好奇心のたどりついた先に。お酒の研究者・久保田健斗【みんなの日本酒】

掲載

探求心と好奇心のたどりついた先に

久保田 健斗(くぼた けんと)

職業:お酒の研究者

誕生日:7月23日

おうち:兵庫県西宮市

出身:奈良県

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日本酒のDNA~好きになったきっかけ

大阪の高校を卒業して、広島大学工学部に進学しました。西条にキャンパスがあったけど、当時は「大道芸サークル」に所属して1日8時間くらいジャグリングの練習をしたり、学園祭や老人ホーム、幼稚園、地域の催しで披露していたから、帰ったらヘトヘトでお酒を飲む気も起きませんでした。

その後、2年生の後半に「化学工学」「生物工学」「応用化学」からコース選択を迫られて「生物工学」にしました。食品会社か製薬が進路になるのかな、となんとなく思っていましたが、そのとき「せっかく西条にいるんだから」「他の大学にはない」「酒の香気成分の研究内容を聞いて面白そうだった」という3つの理由で「酒の研究室」に進みました


「西条酒まつり」に参加し日本酒の魅力に気づき、4年生になった2015年に酒類総合研究所の研究生となり、その2カ月後「広島大学日本酒サークル」を立ち上げ、初代代表に「ハードルを低く」「楽しく」「輪を広げる」という理念をかかげ、みんな平等に楽しめる空間を目指しました。日本酒の知識をつけて欲しい、というよりは「日本酒を介して飲み友だちが増え」て、結果的に日本酒を飲む機会が増えたらいいな~って。

設立当初はメンバーの自宅で10人ほど集まる持ち寄り会だったけど、期せずして西条が「恋のしずく」の公開に向けて活気づき、2017年12月には西条酒蔵通りを含む「西条の酒造施設群」が「日本の20世紀遺産20選」に選定されたところ。「日本酒のまち」として熱を帯びているタイミングでした。そのおかげで大学近くのカフェを借りて月一回の「日本酒を嗜む会」を続けることができました。最大39人のメンバーを抱え、この活動で「副学長賞」で表彰された経験も。

就職活動は日本酒のほかにも食品、焼酎、ビール、醤油メーカーとを受けましたが、どうしても面接で「日本酒」の話になるので、結果的に残るのは日本酒メーカーばかり(笑)。最終的に現在の会社に入社して、研究をしています。社内は酒飲みが多くて終業後に役職者も含めて飲むことも多々あり、明るい社風が気に入っています。

おうちの日本酒

クーラーボックスに入った貯蔵酒

保冷剤は毎日取り換え、冬場はベランダに置き、夏になると室内に取り込みます。常温貯蔵、クーラーボックス貯蔵、冷蔵庫貯蔵を含めると140本くらいの在庫があります。なかでも倉本酒造(つげのひむろ、KURAMOTO)、澤田酒造(白老)はお気に入り。

家用に酒を買う理由は、一度飲んで気に入った酒の「実験」です。飲食店で飲んで「これは寝かせたらおいしいだろうな」というものを一升瓶で買って、誰に飲ますわけでもなく自分自身がいつか飲むために熟成します(たまに開催する同志を集めた日本酒会では放出することもあります)。最初よりもっとおいしくなった時の「発見」が喜びです。そのためには東京からでも取り寄せます。

日本酒のおとも

ヘパリーゼ、ハイチオールC

飲みすぎないように気をつけますが、おいしくて飲みすぎることも多々…。

死ぬ前にのみたいあなたの1本

「賀茂鶴」

お気に入りの酒はたくさんありますが、死ぬ前」だと特別なものというよりは「馴染みの酒」「懐かしい酒」を飲みたいと思います。日本酒サークルを立ち上げて、イベント外の飲み会をしているときに居酒屋で飲む機会が多かった「賀茂鶴」はこの世界に飛び込むキッカケのひとつと言ってもいい思い出の酒です。「杜氏鑑」も捨てがたいけど…。今後この項目は年を重ねるごとに変わっていくのかもしれません。

お酒が飲みたくなる風景

裏なんば

大阪でよく飲むんですけど、特に裏なんば※は日本酒の立ち飲み店も多く、お気に入りの店もたくさんあります。「大阪焼トンセンター」は15時からやってるし、「櫛羅」ではその名の通り「篠峯」「櫛羅」を飲み、なんばグランド花月の角にある「さつき」はアテに穴子の天ぷらを食べながら懐に優しい料金設定の「醴泉(れいせん)特別本醸造」を飲むのがとても好きです。

大阪で日本酒イベントがあると、参加前に寄ったり。いい天気のそよ風が吹いてる日なんかは、つい途中下車してしまいます(笑)

※裏なんば=難波駅の東側にあるエリア。安くて旨い店が多い。

あなたの愛用品

かんすけ&ちろり(すず、銅)

ずっと「すず」でできたちろりで燗をつけてたんですが、「燗酒Bar Gats」水原さんのオンラインサロンに入って、彼が「銅」のちろりを使っているのを見て購入しました。「るみこの酒 伊勢錦」はすずのほうがおいしく感じました。銅のほうが味にボリュームが出て甘みが増える気がしていて、違いを試すことも楽しみになりました。

これから欲しいもの・やりたいこと

ぼんやりと考えているだけですけど、いつか自分で「日本酒BAR」をやってみたいです。自分が好きな蔵の酒をひたすらオススメするBARです。関西のどこか、やっぱり大阪がいいかなぁ。

<取材後記>

ジャグリング、日本酒、熟成酒…。「好奇心」「探求心」が旺盛で、興味のピントがあった時の没入の仕方がハンパない。とことん突き詰める”根っからの研究者肌”の人だな~と思いました。物腰柔らかく優しい人です。わたしの不手際でヒアリングしきれなかった部分も、あとから嫌がらず答えてくれました。以前は家で飲む機会があまりなかったという久保田くんですが、コツコツと蓄えた熟成酒や買った新酒を楽しんでいるようでした。きっと秘蔵酒も登場するだろう彼の「日本酒BAR」楽しみですね。(関)

酒蔵レポート
日本全国酒蔵レポート/「来楽」茨木酒造(兵庫県明石市)

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「賀儀屋」成龍酒造(愛媛県西条市)

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中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

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中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

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東京都東村山市にある【豊島屋酒造】さんにお邪魔しました。

ライター プロフィール

日本酒ライター 友美

関友美

日本酒ライター/コラムニスト/唎酒師/フリーランス女将/蔵人
「とっておきの1本をみつける感動を多くの人に」という想いのもと、日本酒の魅力を発信するさまざまな活動をおこなっています。 全国の酒蔵を巡り取材をしWebや雑誌への記事執筆、カルチャースクールのセミナーや講演、酒蔵での酒づくり、各地の酒場での女将業など、場所と手段を超えて日本酒のおいしさと、地域文化の魅力を伝えています。北海道出身。東京と兵庫の二拠点生活中。
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