大人気の日本酒「獺祭」を造る旭酒造(山口県)が12月10日、読売新聞に「獺祭」を適正価格以外では買わないように呼びかける広告を掲載したことが話題を呼んでいます。獺祭といえば海外でも知名度が高い日本酒で、価格が高騰しているため入手が難しいのが現状です。
日本酒造りに使う酒造好適米の中でも“王様”と呼ばれる山田錦を、惜しげもなく半分以下に磨く「獺祭」。基本的に日本酒は原料のお米を研げば研ぐほど、雑味がなくなってキレイな味わいになります。よく「水みたいに飲める」と言われますが、数ある日本酒の中でも際立つ「獺祭」の透明感が多くの人に支持されているのです。ではあらためて、「獺祭」をランク順にいくつか紹介していきます。価格は旭酒造公式サイトの料金表にある税込表示です。
獺祭 等外
日本酒造りで使う酒造好適米にはランクがあるのですが、等外はランク外のお米という意味です。「獺祭」は通常の日本酒造りよりも多くお米を磨くので、ランク外でも雑味がなくなってキレイなお酒になるから問題ないという自信の現れだと思います。
獺祭 等外23
山田錦の等外米をさらに2割3分まで磨いたのが「等外23」です。日本酒は磨けば磨くほどコストがかかるし、何よりも技術が必要になります。もちろん、磨けば磨くほど良いお酒ができるというわけではなく、全体のバランスがお酒の味を決めます。それでも多くの酒蔵がMAXまで磨いても3割台なのを考えると、2割3分まで磨くのは強いビジョンがあるからなのでしょう。
※等外米はレギュラー商品ではありません。旭酒造公式サイトに価格は載っていませんでした。
獺祭 純米吟醸50
1.8L/3,078円 720ml/1,539円
山田錦を半分まで研いで造ったのが「純米吟醸50」です。すっきりした味わいです。
獺祭 純米吟醸 磨き三割九分
1.8L/4,835円 720ml/2,418円
山田錦を精米歩合3割9分まで磨いたのが「純米吟醸 磨き三割九分」です。すっきりした味わいの中に甘みが感じられます。
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
1.8L/10,285円 720ml/5,142円
「獺祭」の代名詞とも呼ばれる2割3分磨きの「純米大吟醸 磨き二割三分」です。これほど上品な香りなのに透明感があり、旨味の余韻が舌に残ります。
獺祭 磨き二割三分 遠心分離
1.8L/16,200円 720ml/8,100円
「獺祭」がすごいのは、2割3分でもまだ底を見せていないこと。通常の醪(もろみ)に圧力をかけてお酒を絞るのではなく、機械を使って醪からお酒を分離させて抽出する方法が「遠心分離」です。もはや芸術とも呼べる香りと味のふくよかさがあります。
獺祭 スパークリング
獺祭 純米大吟醸 スパークリング50/720ml/1,944円 360ml/972円、獺祭 磨き三割九分 スパークリング/720ml/3,348円 360ml/1,674円
近年流行しているスパークリング清酒。シャンパンのような発泡性があって、アルコール度数も抑えめで女性に人気です。旭酒造でも本番のシャンパンと同じ製法でスパークリング清酒を造っていて、「獺祭」らしい味わいでありながらも新鮮な飲み心地です。
ちなみに「遠心分離」の上には「磨き その先へ」(720ml/32,400円)という最高ランクの「獺祭」が控えています。美味い日本酒造りをとことん追究して生まれた「獺祭」だからこそ、適正価格の美味しい状態で多くの人に飲んで欲しいですね。