【講演聴講レポ①】菊水酒造株式会社(新潟県新発田市)代表取締役社長髙澤大介氏による基調講演に行ってきた!
掲載
こんにちは。猪口っとライターのヨシコです。
10月某日、新潟県新発田市の「菊水酒造株式会社代表取締役社長髙澤大介氏による基調講演「酒造りのその先へ~若い世代を掴み続ける菊水酒造の未来へのチャレンジ~」が行われました。
新潟県新発田市にあります菊水酒造株式会社(高知県にも同じ社名の酒造会社があります)は、昭和47年、日本で初めての生原酒缶「ふなぐち菊水一番しぼり」を発売し生酒ブームの火付け役となりました。
さらに「にごり酒五郎八」や「無冠帝」などのヒット商品を送り出す一方で、洋酒瓶をリユース(ビンの再利用)するラインを開発して環境負荷軽減の取り組み、平成26年清酒で初めての新容器「コック付スタンドパウチ」を採用して発売するなど、日本酒業界を牽引し続ける菊水酒造。
今回の基調講演では菊水酒造が目指す今後の日本酒の在り方について、代表取締役社長髙澤大介氏が壇上に上がりました。
日本酒を取り巻く環境
現在、日本酒を取り巻く環境は厳しいと言われています。人口の減少、コアユーザーの高齢化、次代を担う若者層の人口減少、趣向・ライフスタイルの変化などの要因で市場は縮小。日本酒が一番消費されたのが1972年の180Kl。しかし2017年では53Klと約三分の一にまで減少します。髙澤氏はこの数字に対し、今後10年で30Kl前半になるではないかとの見解を述べました。
キーワードは「モノ」と「コト」
現在、日本酒は過去最高水準の品質に到達しています。しかし、日本酒の消費は落ちている。それは、何故か?前述した市場が縮小のせいばかりではありません。
髙澤氏は車のパンフレットを例にその答えを導き出しました。
「昔の車のパンフレットは車の性能について多く書いてあった。しかし、現在のパンフレットには“この車を手に入れたらどんな生活が手に入るか”が書いてある。日本酒も同じだ。お客様は『モノ』を卒業して『コト』にいっている。今まで蔵元は良いモノを造るということだけに傾倒し過ぎた。だからこれからは『コト』を売るために努力をしなければならない。また、若者の日本酒離れについても「若い人に素晴らしい体験をさせないで日本酒離れを嘆いてはいけない」と語る。
この講演でも出席者一人一人に当蔵のお酒や商品が振舞われ、お酒の味や提案する食とのマリアージュを実際に「体験」しながら聴講しました。
そして講演のさいごは、「続くということが一番の価値」として、その為に「市場の維持と未開拓市場の開発が必要。コトを求めているお客さまにどれだけ応えられるかがポイント」と、締めくくりました。
コトを売り、若い世代に日本酒をアピールする菊水酒造の取り組みの詳しくは菊水酒造㈱HPをご覧下さい。日本酒好きの方には読み応えある内容です!
次回はこの講演で紹介された菊水酒造の「スーパー酒粕」についてご紹介します。