日本酒好きなあなたに酔い情報をお届け

MENU

日本酒で繋がる!日本酒好きが集まる!?「鴨ネギの会」主催 志村允宏さんにインタビュー①

掲載

利き酒師、ソムリエ、酒匠、日本酒アドバイザーなど、お酒に関する有資格者が多数参加している「鴨ネギの会」が、今年の5月に新潟市内で開催されました。
「鴨ネギの会」というのは、生産者と消費者とお店をつなぐことを趣旨として、定期的に行われている食事会とのこと。会費は平均して1万円前後。
飲食店でも、このような形式での宴会プランや、日本酒好きをターゲットにしたイベントを数多く開催していますが、料金設定は鴨ネギの会の方がやや高い印象を受けます。
そして私が鴨ネギの会に注目したのは、会を主催しているのが県外在住の会社員であるということです。(新潟県出身の方ではありません)
一般的にこのような食事会は、同じ新潟県内の飲食店や酒屋、酒蔵が企画することが多いからです。
一体なぜ、舌の肥えた日本酒好きが、他より高いお金を払いながらも、飲食業とは無縁のお仕事をされている主催者の元へ集まるのでしょうか?
主催者の志村允宏さんにお話しを伺いました。

日本酒で繋がる!日本酒好きが集まる!?「鴨ネギの会」主催 志村允宏さんにインタビュー①

お邪魔したのは新潟市中央区東堀にありますフレンチレストラン越乃寒梅Manjia。
「越乃寒梅」と言えば日本酒好きなら誰もが知っているであろう新潟県を代表する銘柄の一つではないでしょうか。Manjiaは、その寒梅を醸造している石本酒造の直営レストラン。「フレンチ×越乃寒梅」というコラボレーションで、新たな日本酒の魅力を堪能することができるお店です。

日本酒で繋がる!日本酒好きが集まる!?「鴨ネギの会」主催 志村允宏さんにインタビュー①

今回はこちらのお店で「鴨ネギの会特別編(石本酒造㈱)石本社長を囲んで一輪一滴を飲む会&(Manjia店長)佐藤さんのカクテル講座」と「47回鴨ネギの会R(お米)&G(葡萄)越乃寒梅」が同時開催されました。

きっかけは日本酒講座と祖父の作る下仁田ネギ!!

―まずは改めて鴨ネギの会について教えてください。

志村:
鴨ネギの会は、“生産者と消費者とお店をつなぐ”ことを趣旨に、定期的にプレミアムな食事会を開催させていただいております。正式に鴨ネギの会という活動を始めたのは2013年の11月からです。

―志村さんは群馬県在住の会社員とお聞きしましたが、どうして新潟でこのような会を作ろうと思ったのですか?

志村:
私は会社員ですが、群馬では祖父が下仁田ネギを作っているんですよ!
当時、新潟の古町に、日本酒の普及の為に広告・出版をされていた「フルマチ酒サロン」という会社がありまして、代表の上田浩子さんが主宰していた「ちょっと変わった日本酒講座」という会に、私は参加していました。そこで「祖父が作っている下仁田ネギを新潟の人にも食べていただきたい。新潟にもこの美味しさを広めたい」という話をしたところ、面白そうだから人を集めてイベントをしようということになり、日本酒講座の参加メンバーを中心に開催したのがきっかけです。
最初は下仁田ネギを広めたいと思っていましたが、会を通じてたくさんの生産者の方とお付き合いさせていただいているうちに「世の中には下仁田ネギの他にも美味しいものがたくさん隠れている。世の中に美味しいものを広めたら人々はもっと幸せになり、世の中もっと平和になるのではないか」と考え、関わる人全ての利益と幸せにつながるように「生産者と消費者とお店をつなぐプレミアムな会」というものをビジョンに掲げるようになりました。現在では、お世話になっている方々に少しでも恩返ししたいと考え、「地域貢献」も一つの目的としております。

―なるほど!日本酒講座がきっかけということで、会員さんは日本酒好きの方が多いんですね!

志村:
そうですね。日本酒がお好きな方が多いのは確かですが、ご職業はさまざまで経営者の方が多いのも特徴の一つです。なぜかは分かりません(笑)

―活動について、もう少し詳しく教えてください。

志村:
食事会などのイベントは新潟、東京で3ヶ月に一回、その他で1年に一回ほど行っています。また、会員同士だけでなく、生産者、消費者、お店の方の相互交流も進めておりまして、その後も長いお付き合いができるような紹介も行っています。
あとは「鴨ネギ通信」という手作りのニュースレターも発行しています。毎回、会員の方を取り上げ紹介させていただいておりまして、意外とこれが好評なんです。

体験を通して当事者に!

カクテル講座に使用されたのは石本酒造の「越乃寒梅無垢 純米大吟醸」と諸橋弥次郎農園のイチゴ「越後姫」。

日本酒で繋がる!日本酒好きが集まる!?「鴨ネギの会」主催 志村允宏さんにインタビュー①

新潟銘産の越後姫は、皮が薄くとろけるような口当たり。

日本酒で繋がる!日本酒好きが集まる!?「鴨ネギの会」主催 志村允宏さんにインタビュー①

Manjiaの店長でもある、名バーテンダー佐藤さんの指導の元、参加者全員がシェイカーを振りカクテルを完成させました。

日本酒で繋がる!日本酒好きが集まる!?「鴨ネギの会」主催 志村允宏さんにインタビュー①

佐藤さんはこのカクテルのレシピを4日かけて考えたという。
私も体験させていただきましたが、同じレシピなのにシェイカーの振り方一つで見た目も味わいも全く別物になったということに驚きました。

―今回のカクテル講座についてですが、このように実際に自分たちで作る…という体験型は、今注目のパフォーマンスだと思うのですが、志村さんもそういったことを常に意識して企画されているのですか?

志村:
体験型は意識しています。やはり体験を通してお客様に「当事者」になっていただくことはとても大切なことだと感じます。店長の佐藤さんのお人柄とカクテル作りの才能に惚れ込んでいたので、みんなで一緒にカクテル体験ができたら参加者は喜んでくださるのではないかと。諸橋弥次郎農園のイチゴは、鴨ネギの会のデザートに使用するつもりでしたがカクテルにも使わせてもらうことにしました。

プロが作るカクテルは確かに美味しいかもしれませんが、自分が作った自分だけの味は世界でたった一つ。「体験」というオンリーワンな付加価値が人を惹きつけるのでしょうね!

インタビュー後半は次回にて!

酒蔵レポート
日本全国酒蔵レポート/「来楽」茨木酒造(兵庫県明石市)

「来楽」茨木酒造(兵庫県明石市)

「来楽」をかもす茨木酒造は、1848年(嘉永元年)創業。今回お話しをうかがった茨木幹人(みきひと)さんで、9代目を数えます。
日本全国酒蔵レポート/「灘菊」灘菊酒造(兵庫県姫路市)

「灘菊」灘菊酒造(兵庫県姫路市)

「灘菊」「MISA33」「蔵人」をかもす灘菊酒造は、1910年(明治43年)に川石酒類(資)として創業。2010年に100周年を迎えました。
地元の米で、水で、人で、つくる酒「賀儀屋」の蔵訪問/成龍酒造

「賀儀屋」成龍酒造(愛媛県西条市)

蔵がある西条市は、愛媛県のなかでも南に位置をし、「うちぬき」がある水の都として有名な場所。石鎚山の伏流水が吹き出すことからこの土地の水は、”打ち抜き水”と呼ばれています。
中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

神奈川の丹沢山系の麓、松田でお酒を醸していらっしゃる中澤酒造さんにお邪魔しました。
中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

豊島屋酒造(東京都)

東京都東村山市にある【豊島屋酒造】さんにお邪魔しました。

ライター プロフィール

日本酒ライター ヨシコ

ヨシコ

Webライター/猪口っとライター
新潟県新潟市在住。
飲食店勤務経験から日本酒にハマり、日本酒に関する記事に携わる。
ただし、酒にはめっぽう弱い下戸。