「日本酒4勺」注ぐことができますか?~勺合升斗 日本酒の単位について
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日本酒を取り扱うお店にいくと必ず目にするのが、独特の酒量単位。
「1合にしますか?2合にしますか?色々お飲みになるのなら半合も出来ますよ?」
今回はこの単位について見ていきましょう。
勺 しゃく(18.039ml)
大さじ15mlより少し多い程度、この小さい単位は身近なところで言いますと「おちょこ」の容量です。写真は、底に蛇の目が描かれる呑みきき猪口というものです。上部に書かれた容量は、すり切り一杯注いだ時のもの。
(名刺の大きさは縦9cm×横5.5cm)
合 ごう(180.39ml)
1勺の10倍の量。
日本酒専門店以外でも1合徳利・2合徳利で置く店も多いことから、酒飲みにはお馴染みの単位。厚生労働省では「日本酒は、1日1合まで。週に2日は休肝日」を健康的な飲み方の目安としています。冒頭の”半合”は、1合の半分90.195ml=5勺。写真の一番右の器に並々注ぐ量のことです。
お料理をする方は、1カップ200mlよりもやや少ない量と言えば想像し易いでしょうか。因みに、ワンカップ大関はちょうど1合180ml入りです。
升 しょう(1,803.9ml)
1合の10倍の量。
江戸時代に1升の大きさが統一され、その10分の1、10倍ということで今回紹介するその他の単位が位置づけられました。
斗 と(18,039ml)
1升瓶10本分の量。
業務用の塗料や有機溶剤、煎餅や油などの食品ほか幅広いものの容器として用いられている一斗缶の容量。
昨今各地で開催されている日本酒試飲会では、入場口でおちょこを手渡され各ブースで蔵元などから直接そこに注いで貰う、というスタイルを多くとっています。おちょこの大きさは、写真中央の3勺か4勺どちらかの場合が多く、そこに大体3分の2ほど注ぐとして、3勺盃で50種類のんだ場合の総量約1,800ml(1升)。4勺盃でのんだ場合は約2,400ml。総量はもちろんのこと、気分が盛り上がって気にも留めない器のたった1勺(18.039ml)の差が積もり積もれば、その差なんと600ml!いつも移動中や仕事中に少しずつ飲んでいるはずの500mlペットボトル、それ以上の違いが出てくるのです。試飲会や飲み会で、探究心に任せて気がつけば前後不覚・・・という人が出るのも納得です。
いくら美味しいお酒を飲んだとしても、記憶がなくなったり粗相をしてしまっては台無しですし、関わる全ての人に失礼というもの。今回の量を頭の片隅に入れて、その時々の体調や気分、飲む時間帯に合わせた自分なりの飲み方を見つけてください。