東京と新潟、酒の懸け橋「日本酒。イマ、ココ。」イベントレポート
掲載
東京の今田商店と新潟亀田わたご酒店とが手を組み、開催するイベントが清澄白河でおこなわれました。新潟亀田わたご酒店の寺田和広さんは以前今田商店で働き、活躍していた人物。祖父母が営む酒屋を継ぐと決め地元に戻った後も、両者の情報交換や交流は続き、今回のイベントが実現されるに至りました。
▲主催の2人(左:東京「今田商店」今田 健夫さん、右:新潟「新潟亀田わたご酒店」寺田和広さん)
イベント概要
- 2018年8月5日(日)
第一部12:00~14:00 / 第二部15:00~17:00
会場:清澄白河 Fleming House
定員:各部100名
会費:前売3000円 (オリジナル日本酒グラスのお土産付き)
- <参加蔵元>
・羽前白梅 羽根田酒造(山形 鶴岡市)
・大盃 牧野酒造(群馬 高崎市)
・かたふね 竹田酒造店(新潟 上越大潟)
・賀茂鶴 賀茂鶴酒造(広島 西条)
・寒紅梅 寒紅梅酒造(三重 津市)
・越路乃紅梅 頚城酒造(新潟 上越柿崎)
・笹祝 笹祝酒造(新潟 新潟市)
・神雷 三輪酒造(広島 神石高原町)
・積善 西飯田酒造店(長野 長野市)
・千代の光 千代の光酒造(新潟 妙高市)
・辻善兵衛 辻善兵衛商店(栃木 真岡市)
・白龍 吉田酒造(福井 永平寺町)
・北光正宗 角口酒造店(長野 飯山市)
・雪の茅舎 齋彌酒造店(秋田 由利本荘市)
・穏・自然酒 仁井田本家(福島 郡山市)
日本酒のイマを知る。お気に入りを見つける。
日本酒ブームと言われて久しく、さらには海外に注目される場面がこれからいくつも巡ってきます。そんな現在、日本酒のイマを知り、これからを考えようという趣旨で開催されたこの試飲イベント。東京と地方との温度差や流行りの違いなどもあるでしょう。東京と新潟の2つの酒屋がそれぞれに「今、そしてこれからも飲みたい日本酒とは?」というものを提案するため、大小さまざまの酒蔵15蔵が集います。
参加15酒蔵、全60種類の酒が集う
▲長野県・西飯田酒造「積善」/水の代わりに日本酒と米と米麹でつくった「ひとそべり」。飯田さんの祖母が少し横になるときに「ちょっとひとそべろうかね」というところから、ゆっくりくつろいで飲める酒になって欲しいという願いを込めつけた名前。
▲長野県・角口酒造店「北光正宗」/通常の銘柄に加えて、試験酒が並んだ。乳酸無添加で酒母をつくるれるよう、酒母だけに白麹を使用した日本酒。甘みや酸味が突出することなく、非常にバランスの良い酒質になっている。
▲三重県・寒紅梅酒造「寒紅梅」/いくつもある酒のなかで、夏にぴったりのプロトタイプ3本を出品。左からM310、14号、7号を使用している。すべてガス感がある。「好みはわかれるが、ガスが抜ける頃に名前通り花が開くよう、飲み頃になってオススメだ」と言う。全体的には香りより味わい重視で、食事に合わせて飲む酒をつくる酒蔵だ。
▲広島県・賀茂鶴酒造「賀茂鶴/広島錦と広島県酵母である5号を使用した「広島錦」の他にも、9号系リンゴ酸多産酵母を使用した「やわら香」というお酒も。アルコールを感じにくい、柔らかな口当たり。
▲広島県・三輪酒造「神雷」/酒蔵が、広島県の標高が高い場所に位置しているため、冬場はマイナス5~6度にもなる。気温が低いため発酵が管理しやすく、綺麗な発酵経過を辿るという。一番右手の「純米酒 夏生原酒」はマイナス7度の冷蔵庫で3か月ほど置き、酒をじっくり熟成、落ち着かせてから5月に出荷する。右から二番目にある、アルコール13度の純米酒は、洋食に合いそうなかなり酸度が高いお酒だ。
▲秋田県・齋彌酒造店「雪の茅舎」/山廃と純米吟醸のほかに、普段あまり東京で出ることのない「山廃 本醸造」も。年間15万本をほとんど地元秋田で消費するという人気商品で、言われないと皆が純米酒だと間違える。その秘訣は、添加する醸造アルコールを仕入れた後3年間斗瓶に入れて寝かせること。試行錯誤の末に生まれた工夫だそう。落ち着いた味わいになる。
~会場の様子
▲アルコール13度に合わせて三輪社長が描いた13人の個性あるキャラクターたち
各会100人ずつと比較的人数も限られていたためか、終始アットホームな雰囲気で、酒蔵のかたたちとお客さんとが交流する様子が見受けられました。「今回の開催を教訓にしてさらに人数をしぼり、さらに会話ができるよう工夫したい。」と主催の今田さんが語っていたので、次回はさらに和気あいあいとした雰囲気に包まれ、日本酒初心者でも気軽に立ち寄れる会になること必至でしょう。ただし今回よりさらに人数が限られるため、ぜひ早めにチェックしてみてください。