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日本酒蔵見学ツアー&マリアージュ体験レポート(「天青」熊澤酒造・神奈川県茅ケ崎市)

掲載

よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)のスピンオフとして、酒蔵見学ツアーがおこなわれた。町屋校、川口校、自由が丘校合同企画の「日本酒蔵見学ツアー&マリアージュ体験」と題し、わたし・関友美が講師をつとめ、「天青」「曙光」「湘南ビール」をつくる熊澤酒造にうかがった。

 

  • 【イベント概要】
  • 「日本酒蔵見学ツアー&マリアージュ体験 」
  • ・10:55 香川駅集合
  • ・11:00~11:30 頃 五十嵐杜氏による酒蔵見学
  • ・12:00 ~ マリアージュ体験(TRATTORIA MOKICHI)、日本酒講座

 

生まれ変わり、新しい蔵の形を提示する『熊澤酒造』

明治5年(1872年)創業、現在の熊澤茂吉(もきち)社長で6代目を数える熊澤酒造は、もともと「曙光」という銘柄を造る酒蔵だった。日本酒は造れば売れる、という時代には安価な酒を大量につくっており、いくら変化をしても「曙光」ではそのイメージが払拭できずにいた。「新しい熊澤酒造をつくりたい。地元の人の手によって。」という熊澤社長の想いと共鳴するように惹き合ったのが、現在杜氏をつとめる五十嵐 哲朗杜氏だった。彼もまた、湘南に生まれ育ち、東京農業大学醸造学部を卒業したのちには、地元で働きたいと願っている若者だった。

こうして「天青(てんせい)」という新しい銘柄がメインブランドとして誕生し、「曙光」もブラッシュアップ。無くなることなく共存を続けている。「湘南ビール」はラベルもオシャレで遊び心のあり、地域になくてはならない観光資源のひとつとなっている。

かつて神奈川には今よりもっと多くの酒蔵が存在したが、時代とともに減少していき、現在では13軒を残すのみ。さらに、ここ熊澤酒造が湘南エリア最後の酒蔵となっている。

現在蔵の敷地内、そして近隣駅前にいくつかの直営店舗を持つ。

日本料理の『蔵元料理 天青

イタリアンレストラン『MOKICHI TRATTORIA

カフェ『mokichi wurst cafe

パン屋さん・酒直売『mokichi baker & sweets

地元のアーティスト作品を中心に取り扱う『okeba gallery & shop

茅ヶ崎駅前『MOKICHI FOODS GARDEN

藤沢駅前『MOKICHI CRAFTBEER

ちがさき・もあな保育園

はじめての酒蔵見学


五十嵐杜氏に蔵内の案内をお願いした。日本酒の酒蔵に足を運ぶのが初めて、というかたも多くいて、みなさん興味津々に耳を澄ましながら熱心に聞き入っている。

▲酒の充填、瓶詰めラインの説明をする五十嵐杜氏

▲ひとつの建物に酒造りの全てが集約されている熊澤酒造。ほかと比べるとかなりコンパクトなつくりだ。

▲奥が麹室(こうじむろ)、手前が仕込みタンク。

▲新しく導入した洗米機。従来のものは2~3名の手を必要としたが、この機器を使えばきれいに糠を落とすことができ、且つ1名の人員で済む。少数精鋭で作業するこの蔵にはぴったりだ。

▲蒸米と放冷の工程についての説明。

▲『湘南ビール』も五十嵐杜氏の陣頭指揮でつくられる。日本酒との違いも併せて説明してくれた。

日本酒とイタリアンとのマリアージュ体験

自由な心でさまざまな料理と日本酒と試している人は、まだ少数派だと言っていいだろう。日本酒と合うのは刺身だ、やっぱり日本料理でしょう?と聞かれることが多い。そこで敢えてイタリアンレストランである『MOKICHI TRATTORIA』に当日限定のスペシャルコースをお願いし、食事1品につき1つの酒をそれぞれ合わせてみた。

<当日のメニュー>

  • 鮮魚のカルパッチョ × 風露天青 特別本醸造
  • 藤沢産熟成豚&酒粕クリームチーズ × さざなみ 純米スパークリング
  • 黒大根と鵠沼魚醤のバーニャカウダ
  • トウモロコシの冷製ポタージュ × 雨過天青 純米大吟醸
  • 塩こうじでマリネしたスズキのポワレ × 千峰天青 純米吟醸
  • 練粕でマリネした鴨肉の炭火焼き × 千峰天青 純米吟醸 熊本9号 生原酒
  • Mokichi Bakerのパン盛り合わせ

▲魚醤から作られたソースが美味しく、これだけでも日本酒とよく引き立て合う。『さざなみ』にもメロンのような果実感、とろみを持つ甘味があるため似たもの同士。

▲『スズキのポワレ』には甘夏バターソースがかかっている。その香りと『千峰天青 純米吟醸』を合わせた。

▲「この料理はこっちのお酒にも合うよ」と自主的に組み合わせを楽しむ参加者たちの姿。

 

官能や感性に多くを頼るところもある、飲食に関する講座。教室で聞いた話は風化するかもしれないが、自分の身をもって驚いたり、笑ったり、考えたりしながら知ったことは決して忘れない。だから今回のマリアージュは、なんとなく「合うかもね」という無難さではなく、「これは単体よりも良い!最高!」と、参加者のかたがたに”マリアージュ”や”ペアリング”の意味を体感してもらえるような構成にした。加えて、その後自由に組み合わせを楽しんでもらったことによって、何の食べ物でも強くぶつからず包み込む、日本酒の万能さをも感じてもらえたと思う。百聞は一見に如かず。これからもどうか、日常生活の中で日本酒を楽しんでもらえたらと願う。

 

<協力>

MOKICHI TRATTORIA

  • 住所:
  • 神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
  • 営業時間:
  • 月から金曜11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~22:00(L.O.21:00)
  • 土・日・祝11:30~22:00(L.O.21:00)
  • 定休日:
  • 第3火曜日 ※8・12月は無休
  • 電話番号:
  • 0467-52-6111
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ライター プロフィール

日本酒ライター 友美

友美

日本酒ライター/コラムニスト
飲食店向け日本酒バイヤーや日本酒BARの看板娘を経て、「とっておきの1本をみつける感動を、多くの人に」という想いから初心者向けのイベントやセミナーの主催や記事を執筆。昭和59年度生まれの5人の酒蔵跡取りが集結した信州59年醸造会、通称「59醸(ゴクジョウ)」にサポートメンバーとして参加するなど活動の幅を拡げている。
寒さに弱い北海道出身。
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