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『第16回 2019長野の酒メッセin東京』今年も大盛況のうちに終了!

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去る5月8日、長野県酒造組合が主催する『2019長野の酒メッセ』が開催された。長野県内の全63蔵がグランドプリンスホテル高輪に集結した。ここまでたくさんの酒蔵が一堂に会するイベントは東京でも珍しく、今回は約2,200名もの来場者を数えた。

長野県と言えば、広大な面積と南北に長いこと、山々に隔てられていることから各地域に根差した酒蔵が発達した経緯がある。そのため日本酒の酒蔵が79蔵(平成29年12月日本酒・長野県ワイン振興室調べ)で、この数は新潟県に次いで全国第2位。

県開発の長野C酵母、長野D酵母をはじめM310など華やかな香りを出す酵母を多く使うことでも有名だ。また美山錦、ひとごこち、金紋錦など酒米を多く輩出している。このたび「山恵錦(さんけいにしき)」という新たな米も開発され、5月20日のリリースを控えて、山恵錦を使った酒の出来を披露した蔵も多く注目を集めた。

 

◆長野県で押さえておくべき酒

【十六代九郎右衛門(じゅうろくだいくろうえもん)】

低アルコール13%台の「山廃仕込無濾過生原酒」(写真左上)は、山廃特有の酸味を感じながらも軽やかさも実現されており、食事が欲しくなる。これから出荷されるという「夏生」(左下)は、ピチピチとしたフレッシュな舌触りのあとに濃厚な味わいが感じられ、意外性がある。「特別純米 雄町」(右)は甘みと酸味のバランスの良い大満足の一本。

【信濃鶴(しなのつる)】

つくる酒の全量を、地元・上伊那産美山錦しか使わない!というこだわりの酒蔵。そして全量純米酒。そのため種類はごく限られていて、この日のラインナップは2種類。生酒と火入れ処理したもの。「しぼりたて純米生酒」はボリューム感があり、ジューシーで飲みごたえある。

◆新しい試み、未来へのチャレンジ

【本金(ほんきん)】

「雨上がりの空と」は毎年恒例のシリーズだが、今年初の試みで白麹を採用。米も白樺錦から地元産美山錦に変更した。この方向転換により、酒のタイトルに合った爽快感、みずみずしさがより一層味わいのなかに表現されている。

【勢正宗(いきおいまさむね)】

勢正宗「有用乳酸菌PP165使用 無濾過生おりがらみ」 は業界初の試み。地元中野市にある味噌屋、醤油屋が旨味を増すために使用しているのにならった。麹との相性も良く、製麹の段階で液状のものを振りかけている。このことで低アルコールなのに、味のあるしっかりとした酒が実現する。現在地元5~6社程度、酒造ではここ一軒のみだが、大手食品メーカーも注目している技術だという。

【59醸(ごくじょう)】

長野県の昭和59年度生まれの酒蔵跡取りユニット「59醸」。5年目の今年は『道なかば』『新品種・信交545号(山恵錦)使用』『精米歩合59%』というコンセプトと条件で、5蔵5様の酒が誕生した。ラベルはテスト用紙をイメージしたもので、そこに各蔵元の直筆で今回のポイントが書かれている。

【積善(せきぜん)】

長野県唯一、全量花酵母を使用して酒づくりをするのが西飯田酒造店だ。水の影響か、前回まで感じていた微量の渋みもなくなりより柔らかな酒質になっている。「つつじ酵母」は味しっかり、旨味あふれる。「なでしこ」は、東京農業大学花酵母研究会のゼミ卒であり、杜氏・飯田一基氏の後輩にあたる、蔵人・神田良瑛氏がはじめて培養からすべてを手掛けた渾身の品。なでしこ酵母の華やかな香りにバランスする、甘くて余韻いっぱいの味わいは日本酒初心者の手にも取りやすい。

【豊香(ほうか)】

KEG DRAFT(ケグドラフト)という目を引く機械が置かれ、当日殺到した「豊香」ブース。ビールのようにKEGにボトリングし空気に触れさせないことで、まるでしぼりたてのような味わいそのままに楽しむことができる。従来KEGのみは採用する酒蔵もあったが、このたび専用の冷蔵庫がリリースされ、今回が酒イベント初のお披露目となった。

また、現在ほとんどの醸造用アルコールは輸入物に頼っているのが現状だ。そのなか、「米アルコール」という純国産のアルコールを採用した。山田錦から造られた日本酒を単式蒸留器→連続式蒸留器とかけることで、はじめて100%純国産、ラベル表記も「醸造アルコール(米(国産))」と明記できるようになった。現在まだ6社しか使用しておらず高価だが、出所が明確で「瓶内に入るすべてが日本のものです」と公言できるものをつくることによって、国内のみならず、国際市場でも競争できる品を届けたいと意気込む。

 

県産の米、酵母、水…にこだわるだけでなく、さまざまなことにチャレンジし常に高品質の日本酒製造を目指す長野県の酒蔵。日本酒を取り扱う飲食従事者にとって無視できないイベントであるだけでなく、広大な長野県のこと。一般の消費者にとっても一度に飲み比べする絶好のチャンス。長野市、東京、大阪と年に3か所で開催されるので、ぜひ足を運んでみて欲しい。

<開催概要>

~信州がうまい。空気がうまい。水がうまい。~「2019長野の酒メッセ」

  • ・主催:長野県酒造組合
    ・開催日:2019年5月8日(水)
  • ・開催場所:グランドプリンスホテル高輪 地下1F プリンスルーム
    (〒108-8612 東京都港区高輪3丁目13-1 TEL:03-3447-1111)
    ・開催時間:
    【第1部】対象・酒類卸業者、小売酒販店、飲食店向け
  • 13:00~16:00(受付開始:12:30/終了:15:30)
  • 【第2部】対象・一般向け
  • 16:30~20:00(受付開始:16:15/終了:19:00)
    ・入場料
    【第1部】1,000円(税込)
    【第2部】2,000円(税込)

<出展酒蔵・全63蔵>

  • 信州舞姫(株式会社舞姫)諏訪市
  • 本金(本金酒造)諏訪市
  • 横笛(伊東酒造)諏訪市
  • 真澄(宮坂醸造)諏訪市
  • 髙天(髙天酒造)岡谷市
  • 神渡/豊香(株式会社豊島屋)岡谷市
  • 御湖鶴(磐栄運送株式会社 諏訪御湖鶴酒造場)諏訪郡
  • 帰山(千曲錦酒造株式会社)佐久市
  • 御園竹/牧水(武重本家酒造)佐久市
  • 亀の海(土屋酒造店)佐久市
  • 澤の花(伴野酒造)佐久市
  • 佐久の花(佐久の花酒造)佐久市
  • 和田龍(和田龍酒造)上田市
  • つきよしの(若林醸造)上田市
  • 瀧澤(信州銘醸)上田市
  • 信州亀齢(岡崎酒造)上田市
  • 福無量/互(沓掛酒造)上田市
  • 黒澤(黒澤酒造)南佐久郡
  • 菊秀(橘倉酒造)佐久市
  • 金宝芙蓉(芙蓉酒造)佐久市
  • 明鏡止水(大澤酒造)佐久市
  • 深山桜(古屋酒造店)佐久市
  • 浅間嶽(大塚酒造)小諸市
  • 一滴二滴(志賀泉酒造)中野市
  • 勢正宗(丸世酒造店)中野市
  • 北光正宗(角口酒造店)飯山店
  • 59醸(信州59年醸造会)※5蔵の共同プロジェクト
  • 喜久水(喜久水酒造)飯田市
  • 今錦(米澤酒造)上伊那郡
  • 信濃錦(酒造㈱長生社)駒ケ根市
  • 井の頭(漆戸酒造)伊那市
  • 夜明け前(小野酒造店)上伊那郡
  • 黒松仙醸/こんな夜に(仙醸)伊那市
  • 信濃錦/斬九郎(宮島酒店)伊那市※酒屋PB
  • 七笑(七笑酒造)木曽郡木曽町
  • 十六代九郎衛門(湯川酒造店)木曽郡木祖村
  • 善吉(中善酒造店)
  • 水尾(田中屋酒造店)飯山市
  • 岩清水(井賀屋酒造場)中野市
  • 北安大國(北安醸造)大町市
  • 白馬錦(薄井商店)大町市
  • 福耳(福源酒造)北安曇郡
  • 金蘭黒部(市野屋)大町市
  • 岩波(岩波酒造)松本市
  • 美寿々(美寿々酒造)塩尻市
  • 酔園(EH酒造)安曇野市
  • 笑亀(笑亀酒造)塩尻市
  • 大信州(大信州酒造)松本市
  • 女鳥羽の泉(善哉酒造)松本市
  • 髙波(丸永酒造場)塩尻市
  • 秀峰アルプス正宗(亀田屋酒造店)松本市
  • 大雪渓(大雪渓酒造)北安曇郡
  • 豊賀(高沢酒造)
  • 渓流(遠藤酒造場)須坂市
  • 西之門(よしのや)長野市
  • 本老の松(東飯田酒造店)
  • 松尾(高橋助作酒造店)上水内郡
  • 風神雷神/聖山(長野銘醸)千曲市
  • 若緑(今井酒造店)長野市
  • 桝一/スクエアワン(桝一市村酒造場)上高井郡
  • 川中島幻舞(酒千蔵野)長野市
  • 北信流(松葉屋本店)上高井郡
  • 積善(西飯田酒造店)長野市
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ライター プロフィール

日本酒ライター 友美

友美

日本酒ライター/コラムニスト/唎酒師/フリーランス女将/蔵人
日本酒アドバイザーや飲食店勤務を経て、現在は「とっておきの1本をみつける感動を多くの人に」という想いのもと、日本酒の持つ味わい、文化、食事との相性、風土、歴史、人情など様々な日本酒の楽しみ方を提供。記事の執筆、イベントやセミナー講師および主催、日本酒専門店の女将としての接客業務など多角的な活動を通じて、日本酒のおいしさと日本文化の豊かさを伝えている。現在兵庫県の山陽盃酒造にて蔵人として酒づくり中。
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