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【青森県5蔵合同/日本酒試飲会】青森の酒米・華さやかイベントレポート

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食のショールーム・パルズが主催となり【青森県5蔵合同/日本酒試飲会】青森の酒米・華さやかが、飲食関係者、酒販店、バイヤー、メディア関係者向けに開催されました。『華さやか』を使用する5蔵の杜氏や蔵元から直接話を聞くことができる貴重な会です。

◆会場は日本文化の継承をテーマとしている「食のショールーム・パルズ」

会場となったのは、六本木ヒルズからもほど近い場所に位置する「食のショールーム・パルズ」です。未来永久に残したい「日本の味」をテーマに、本当に美味しいモノ、価値のあるモノをこれからの日本で絶やさないために、従来ルートにとらわれず、無駄を省き、生産者に合わせた商品開発、販路開拓の実践を目的としています。その一環として今回取り上げたのは、青森県最新の酒米『華さやか』と華さやかを使用している酒蔵5蔵です。

◆『華さやか』という酒米について

青森県産業技術センター農林総合研究所の品種交配によって生まれた青森県の新しい酒造好適米『青系酒184号』が、『華さやか』と名付けられ、現在県内5蔵で酒づくりに使用されています。

以前から発見はされていたのですが、大吟醸用米としてはあっさりとし過ぎた酒質になる、という理由から、選抜されることのないままでした。しかしその後、『華さやか』には難分解性たんぱく質が含まれていることがわかりました。製造の過程で、たんぱく質はアミノ酸に分解されますが、このアミノ酸が多すぎると雑味として欠点になりかねません。その点『華さやか』に含まれるたんぱく質は難分解性なので、雑味を生みにくとされ、さらなる研究が進められました。

◆同じ酒米『華さやか』を使用しながらも、各蔵の味わいは様々

すっきりとした味わいの特性を活かして、白ワインのような日本酒、低アルコールの日本酒など多様な日本酒が生み出されています。

◆華さやかブランド推進協議会の青森5蔵

右上:鳩正宗・佐藤企さん(杜氏)/右下:鳴海醸造店:鳴海信宏さん(社長・杜氏)/左下:尾崎酒造:尾崎大さん(代表取締役社長)/左中:八戸酒類:加藤貴大さん(杜氏)/左上:六花酒造:河合貴弘さん(杜氏)

 

◆鳩正宗(十和田市)

今回の5蔵中最多の4銘柄をラインナップ。内4銘柄が『華さやか』を原料米として使用したお酒です。一番左の『HATOMASAMUNE 純米酒ワイン酵母仕立華さやか』はその名のとおり、通常はワインに使用する酵母を日本酒に転用し、アルコール度数を12%まで抑えた甘口の日本酒。青い瓶の『八甲田おろし特別純米酒 華さやかブルーラベル』は少し酸の効いた一品。米が割れやすいとされる『華さやか』を限界に近い50%まで研いてつくったのが『武士道』です。

◆鳴海醸造店(黒石市)

『菊乃井 純米吟醸 華さやか 無加水』は、17%と今回最もアルコール度数が高い日本酒です。青森県酵母と青森県酒造好適米を使用した、地元を代表する一品です。

◆六花酒造(弘前市)

『純米酒 じょっぱり 白神酵母NO.9仕込』は、白神山地から採収された菌のなかから良い部分を選別し、培養された白神酵母を使用しています。天然の酵母としてパンなどにも使用しているのでご存知の方もいるかもしれません。発酵力はやや弱く、こちらの日本酒もアルコール12%とやや低めで、飲みやすいのが特徴です。

◆尾崎酒造(鯵ヶ沢町)

『安東水軍』をつくる尾崎酒造では、純米吟醸にブレンドして商品化した際「他とは違う飲みやすい旨味がある」「コクのある旨味を感じる」と好評を得たのだそう。しかしせっかくの新しい酒米『華さやか』を単独で使ってみようと思い、つくったのが『純米吟醸 華さやか』。世界遺産である白神山地の水で丁寧に仕込まれた一品です。

◆八戸酒類 八鶴工場(三戸)

三戸で『八鶴』、五戸で『如空』をつくる八戸酒類は、十号酵母発祥の地だといわれている蔵のひとつです。主に十号酵母を使用しています。『華さやか』と十号酵母の組み合わせで醸造した1,2年目はオフフレーバー(硫香)がつき、相性の悪さが原因になっている可能性を疑い、3年目である今回のお酒は1801酵母を使用、米も華吹雪を掛け米に使うことによって欠点の排除に成功しました。

 

同じ酒造好適米を使用しながらも、全く違う味わいが表現されていました。青森県内外問わず、使用することのできる酒造好適米『華さやか』。まだ手にする蔵は少ないですが、この5蔵から拡がりを見せていくのかもしれません。今後の動向に注目してみてください。

 

【参考URL】

食のショールーム・パルズ”7/30 【青森・日本酒試飲会】「華さやか」5蔵”

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ライター プロフィール

日本酒ライター 友美

関友美

日本酒ライター/コラムニスト/唎酒師/フリーランス女将/蔵人
「とっておきの1本をみつける感動を多くの人に」という想いのもと、日本酒の魅力を発信するさまざまな活動をおこなっています。 全国の酒蔵を巡り取材をしWebや雑誌への記事執筆、カルチャースクールのセミナーや講演、酒蔵での酒づくり、各地の酒場での女将業など、場所と手段を超えて日本酒のおいしさと、地域文化の魅力を伝えています。北海道出身。東京と兵庫の二拠点生活中。
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