ジャケ買いのすすめ⑦ ~祈りの巻 山開き・田植え~
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各地で山開きが行われる梅雨入り前の新緑の季節。個性豊かな山々が全国に広がります。山はそれ自体が神であるとされてきた日本。日本の国土の七割を占める山。身近でありながら、人はそこに神の存在を感じてきました。やがて梅雨入りの季節。山がもたらす水の恵みは、里の田畑を潤し、人々は感謝を込めて、祈りを捧げてきました。
そこで、今回の「ジャケ買いのすすめ」は「祈り」をテーマにこの季節の祈りの象徴、年中行事「山開き」「田植え」にスポットをあてました。
大雪渓 特別純米酒 (長野県)
私は山はあまり、くわしくないですが、大雪渓と言えば、白馬を思い浮かべます。もちろん、写真で見ただけですが、きっと今ごろ山開きを迎えているのでないかと思います。この大雪渓のラベルには、花火が描かれています。この時季発売の日本酒のラベルに花火とは、きっと山開きしかないと思い、少しネットで調べてみました。
以下、第51回貞逸祭・白馬連峰開山祭HPより抜粋いたします。
「残雪が残る北アルプス白馬連峰の山開きを告げる 貞逸祭・白馬連峰開山祭」
開山祭では、夏山の山開きを祝い、山の安全を祈願する安全祈願祭のほか、白馬大雪渓トレッキングツアーや、白馬のシンボルでもある白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)を縦走するツアーもあわせて開催いたします。
白馬大雪渓トレッキングツアー、白馬三山縦走登山ツアーでは約100年もの間、白馬村にそびえ立つ山々を守り続けてきた白馬山案内人組合のガイドが皆様を安全に楽しくご案内いたします。一人だと気がつかない小さな花々の見所や絶景ポイントなど、白馬の山々の秘密についても教えてくれるでしょう!」今年は5月27日でした。残念ながら花火の記載はありませんでした。
さて、私が白馬へ登ることは、今のところ考えられませんが、私の山開きは梅雨前の四国徳島、剣山登山です。登山後は麓の鮎の一夜干しを土産に自宅へ帰宅後は一人大雪渓できゅっとやりました。いつか、せめて、信州で大雪渓と岩魚料理を堪能することを夢見て、想像の世界に花火を打ち上げたいと思います。
春霞 田んぼラベル 夏純米吟醸 (秋田県)
私事ですが、私は昭和60年から28年間金融機関でサラリーマンとして仕事をしてきました。クールビズのなかった頃、いわゆるネクタイ族として、入社してすぐバブル期を迎えました。それまでのストライプを中心としたオーセンティックなネクタイからエルメス、フェラガモ、シャネルと言ったブランドが自然、動物、植物などなど様々なものをモチーフにしたネクタイが世の中を席巻していました。外回りの営業畑の自分はネクタイの柄が自分の主張でありました。
週休二日として、年200日出勤するとして、季節の移り変わりを毎日違うネクタイで季節の移ろいを200本のネクタイで主張することが一つの夢でした。
そんなバブリーな時代の春先に目にとまったのが、エルメスの田植えをする様子をモチーフにしたネクタイ。日本風と言うより、東南アジア風な感じでした。まあ、ゴールデンウィークあたりに買えばよいと思い、その時は春のネクタイを買いました。そして、迎えた新緑の季節、高松のエルメスにはもうそれはありませんでした。どうしても欲しくて、わかる限りの全国のエルメスショップに電話しましたが、ありませんでした。あれから25年。今度は、「田んぼラベル」逃しませんでした。(笑)
田植えについて
田植えは、育てた稲の苗を本田に植えつける作業のことで、一年間の水稲栽培の中で、収穫と並んで最も重要な作業だとされます。
かつて、田植えは、実際の農作業であると同時に、豊作を祈る田の神の祭りという大切な神事でもありました。
そうした神祭りとしての田植えの伝統を伝える神事は、現在でも全国各地で行われています。
以下、春霞「田んぼラベル」の裏ラベルから抜粋いたします。
当蔵は奥羽山脈の麓・美郷町に酒蔵を構え、山の雪どけ水が潤す広大な仙北平野の恵みを受けて酒造りをしております。このお酒は地元契約栽培の酒米「美郷錦」で仕込みました。ご飯のおかずとも相性の良い食中酒です。きれいな米の旨みを冷やしてご賞味ください。
蔵のある六郷は名水の里です。良質な水で育てた美郷錦が田植えされた模様のラベルです。蔵付分離の亀山酵母で仕込んだ初夏におすすめな上品な純米吟醸酒です。爽やかできれいな香味、きれいな米の味わいが感じられ軽やかな酸とキレの良いさっぱりとした後味です。
私、田んぼの真ん中で育ちましたが、祖父、父親が植木屋だったので、田植えはしたことがありません。今年は地元の蔵の田植えに参加したいと思います。祈りの季節を楽しく満喫したいと思います。