神戸大学で2018年秋より「日本酒学入門」を開講
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神戸大学(兵庫県神戸市灘区)では灘五郷酒造組合の協力を得て、酒蔵や関連企業、団体が日替わり講師となって実地する「日本酒学入門」を2018 年度から全学部を対象に開講します。日本酒は“年輩の方が呑むお酒”と言われることもあり、日本酒を呑む若い人を増やすことが業界全体の課題とされる中、日本酒の魅力を知ってもらうことが狙いです。
灘五郷絵図 画像提供:灘五郷酒造組合
日本酒の生産量日本一を誇る兵庫県。「灘の生一本」という言葉があるように、日本三大杜氏の一つである丹波杜氏の故郷、酒造好適米の“王者”山田錦の栽培量日本一を誇るなどの要因もあって、灘の酒は名酒として知られています。
大学教育推進機構大学教育研究推進室の米谷淳教授によると、「学生に神戸の伝統と地域の代表的な産業の一つである日本酒造りについて、長年地元で酒造りに携わってきた方々や専門家に来ていただいて、日本酒について様々な角度からお話いただく」内容になっています。
灘五郷酒造組合建屋 画像提供:灘五郷酒造組合
まずは10月3日より全7回の講座としてスタートする日本酒学入門。灘五郷酒造組合が
中心となり、沢の鶴株式会社、株式会社飯田、きた産業株式会社、日本酒造組合中央会、酒類総合研究所がそれぞれ1回完結式の講義を担当します。
米谷さんが「学生に神戸と灘の生一本の魅力を味わってもらうことがねらい」と語る講座では、日本酒に関して酒造りから経営、法律、醸造、広告までを多面的・総合的に学べるほか、授業の一環として酒蔵見学の機会を設ける予定です。
神戸大学と白鶴酒造共同開発の純米酒「神のまにまに」を2017年に発売
純米酒「神のまにまに」720ml 1300円(税抜) 画像提供:神戸大学附属食資源教育研究センター
開講の発端は2017年7月、灘五郷酒造組合所属の白鶴酒造株式会社専務取締役・田中準浩さんの、日本酒に関する講義を提供したいという提案から。白鶴酒造には経営学部、農学部等を卒業された神戸大学OBが何人もいる縁があり、2017年10月1日には共同で純米酒「神のまにまに」を発売もしています。
白鶴酒造見学の様子 画像提供:神戸大学附属食資源教育研究センター
「神のまにまに」は、白鶴酒造と同大学が神戸をさらにアピールしたい思いから誕生。 掛米に神戸大学で収穫した「きぬむすめ」、麹米に兵庫県産「白鶴錦」を使った純米酒で、 淡麗な酒質ながら純米酒らしい奥行きのあるしっかりした味わいです。同大学生協や白鶴酒造資料館、白鶴御影MUSE(神戸市東灘区)などで購入できます。
ミス神戸大学も見学に 画像提供:神戸大学附属食資源教育研究センター
ミス神戸大学による試飲会も行われました 画像提供:神戸大学附属食資源教育研究センター
こうした若い人に向けた日本酒の魅力発信は同大学だけではありません。新潟県では、新潟県酒造組合が県、新潟大学と連携して「日本酒を学問として扱う挑戦」を始め、2018 年度から新潟大学で日本酒学の講義を教養科目として開講予定です。今後の広がりに期待が持てますね。
<国立大学法人 神戸大学>
<灘五郷酒造組合>
<いい白鶴ネットショップ>