まるでジュースのような華やかさ 埼玉県の日本酒「花陽浴」と酒粕に漬けたクリームチーズを味わってみた
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埼玉県にある酒蔵「南陽醸造」の醸す日本酒「花陽浴」をご存知でしょうか。一口飲んだだけで口の中いっぱいに華やかな香りと味わいが広がります。それでいて、キレが良いので舌に甘さが残らない絶妙なバランスです。
2018年の新酒「純米大吟醸 八反錦 瓶囲無濾過生原酒」
南陽醸造は家族だけでお酒を醸している蔵元。華やかさを追求した酒造りは多くの人に支持され、過去にはテレビで「ジュースみたいな日本酒」と取り上げられたことも。年1回開催される全国新酒鑑評会の受賞酒に代表されるように、香りの良いお酒が評価される現代の日本酒においても、「花陽浴」の持つ華やかさは突き抜けていて、蔵元の思いを感じ取れます。
現在はお店に入荷して即日完売するほど、埼玉県民でも入手が難しい「花陽浴」。南陽醸造と付き合いの長い埼玉県の酒屋「キングショップ誠屋」社長の眞仁田清さんは、「花陽浴が売れるようになったのは9年くらい前からだと感じています」と語りました。南陽醸造の設立はおよそ16年前だそうで、「最初のうちはこの独特な華やかさを認めるお客さんが少なかったですね」と時代が進んで飲み手のお酒の好みが変化したことも「花陽浴」ヒットの要因の一つにあげています。
「花陽浴」のステンドグラスラベル
実は「花陽浴」で気になることが一つ、それは新しくなったラベル。筆者の記憶では2017年の春頃から「花陽浴」の一部が“ステンドグラスラベル”になったことについて南陽醸造に問い合わせたところ、「酒米『美山錦』と『八反錦』で造った純米吟醸クラスだけ“ステンドグラスラベル”に変えました」と返答をもらいました。
続いて、製法を変えたのかについても、「製法は変えていない。色んなお米を使って酒を造っているので、ラベルを変えたことに特に意味はないです。これまでも何度か変えています」とのことです。ラベル表現は蔵元ごとに違うところも日本酒の魅力の一つだと思います。
キングショップ誠屋がプロデュースした花陽浴の酒粕に漬けたクリームチーズは同店のみの販売
キングショップ誠屋では、「南陽醸造の酒粕と花陽浴の純米吟醸酒に漬けたクリームチーズ」を2017年12月に試験的に発売して好評だったことから、2018年1月より正式に販売開始。奈良県にある製造元では、これまでは純米酒と酒粕に漬けたクリームチーズのみの製造で、純米吟醸酒と酒粕を使うのは初めてだそうで、「香りと味に特徴が出てより美味しくなった」と語りました。
一口食べると華やかな香りとほのかな甘さがスーッと舌に溶けていきます。ほかの純米酒と酒粕に漬けたチーズと比較して後味のサッパリ感が特徴で、花陽浴と一緒に飲んでみましたが、さすがに相性が良かったです。
もちろん日本酒のつまみにも。日本酒の組み合わせを考えるのも楽しいと思います
<南陽醸造株式会社>
埼玉県羽生市大字上新郷5951
※南陽醸造では日本酒のみ製造をしております。現在、日本酒以外の商品製造の予定はありません。
<キングショップ誠屋>
住所:埼玉県鶴ヶ島市富士見2-18-14
営業時間:月・火・木・金10:00~19:00/土・日・祝10:00~20:00
定休日:毎週水曜日/第2日曜日(年末年始を除く)