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<Work Rice Balance ~仕事と日本酒と人生を味わうエッセイ 001~> 人生も酒も、「攻め」時がある

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「人生に迷った時は攻めの選択をしよう」「死ぬこと以外はかすり傷だから攻めていくのだ」、こんな金言を実践してみようと思いながらも、仕事の判断ではついついコンサバになったりして、理想とのギャップに我ながら呆れることもある。ううむ、現実社会は厳しい。

それでもなんとか会議とExcel作業に一区切りつけて、日本酒を飲みにいつもの店へ。

一杯目

「面白いの入ってきてますよ」とまだ飲んでいない瓶を並べられ、マスターにオススメされたのがこちら。

福島 曙酒造 「天明 ~初夏の生セメBLEND~」

福島 曙酒造 「天明 ~初夏の生セメBLEND~」

福島 曙酒造 「天明 ~初夏の生セメBLEND~」

柔らかい口当たりから、次第に広がる微かなビター。酸味もあって、なかなか味の幅の広い、面白みのある味わい。
セメは感じで「攻め(=責め)」とも書くが、正にその名の通り、なかなか攻めた一本だと思う。

攻めとは?

「攻め」とは、日本酒を搾る際に、最後に出てくるお酒を指す。
日本酒は、発酵を終えた醪と呼ばれる液体を搾ることで完成する。伝統的なやり方では、酒袋に醪を入れ、槽と呼ばれる搾り器に酒袋を積んで、圧力をかけてじっくり搾っていくのだが、このときに出てくる順番でそれぞれ呼び名がある。

あらばしり

酒袋を槽に積み上げていく段階で流れ出た部分や、あまり圧力をかけずに最初に出てくる部分を指す。薄く濁っていて、アルコール度数はやや低め。フレッシュな味わいと、華やかな香りが特徴。

中汲み(中取り)

あらばしりの後、上から少しずつ圧力を加え始めた段階で搾られるのが中汲み。色は完全に透明になっている。香味のバランスに秀でており、良い日本酒と称されることが多い。日本酒の鑑評会でも、中汲みが出されることが多いらしい。

攻め(責め)

中汲みが出終わった後、本格的に圧力をかけて搾ることを攻めと呼び、出てくるお酒も攻めと呼ばれる。あらばしりや仲汲みに比べてアルコールが高い。また、濃い味で飲み応えがある一方、雑味が多くなりがちとも言われている。

二杯目

どうやら最近は攻めの商品も増えているらしい。マスターから紹介された次の一本。

宮城県 萩野酒造 「萩の鶴 純米大吟醸 攻め」

宮城県 萩野酒造 「萩の鶴 純米大吟醸 攻め」

宮城県 萩野酒造 「萩の鶴 純米大吟醸 攻め」

グレープフルーツのような香りと、攻めとは思えないすっきりとした旨味。キレもすばらしく、後味がスッと消えて次の一口が欲しくなる。

これまではあらばしりや中汲みが持て囃されていたように思うが、主流である飲みやすい日本酒とやや異なる独特な飲み口が受けているのだろうか。酒造もまた「攻め」ているのかもしれない。

年を重ね、勢いと綺麗事だけで人生アグレッシブに転じることなど難しいことを十分に知ってしまった。それでもなお、空き時間を見つけてこんなエッセイを始めたので、自分の中では小さな攻めの第一歩。

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ライター プロフィール

六畳のえる

六畳のえる

コンサルタント/作家/唎酒師
バタバタと会社で仕事をしながら、合間を見て創作に打ち込む日々を送る社会人。
ビジネスマンの悲哀と生来のネガティブが混じったツイートは共感者多数。
業務に一切関係がないのに、日本酒好きが高じて資格を取った趣味人。
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