フルーツの色と香りが楽しめる日本酒のサングリアを楽しむときの注意点
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日本酒にカットしたフルーツを浮かべてフルーツカクテルのように楽しむ日本酒サングリアをご存知ですか?フルーツの甘い香りと日本酒のすっきりとした飲み口を楽しめると、女性を中心に注目を集めています。
しかし、日本には「酒税法」というアルコール飲料製造に関する法律があります。酒税法では、アルコール飲料にほかの食品を混合することも含めお酒を造ることを規制していますので、日本酒サングリアを心ゆくまで楽しむには少し注意も必要です。今回は、楽しみ方の注意点と、おすすめの果物をご紹介します。カットしたフルーツを日本酒に浮かべるだけで日本酒が女子向けおしゃれドリンクに変身しますよ!
酒税法とは?
酒税法は昭和15年に制定された法律で、この時にアルコール度数1%以上のものを「酒(酒類)」と定義されました。昭和28年に一度改正され、酒に関する税金や製造販売のための免許制度も織り込まれ、現在まで続いています。
お酒を造る酒造行為には免許が必要
酒税法ではお酒を造っていいのは酒造免許を持っている人に限られます。そして免許を持っていても定められた規定を超えて製造してはいけません。
酒造行為とは
お酒を造る行為とはアルコール発酵を行うことと思われがちですが、もっと広い範囲で規定されています。
以下が例外的に認められる行為です。
“混和できる酒類と物品の範囲
混和に使用できる「酒類」と「物品」は次のものに限られます。また、混和後、アルコール分1度以上の発酵がないものに限られます。
イ 使用できる酒類・・・蒸留酒類でアルコール分が20度以上のもので、かつ、酒税が課税済のもの
ロ 使用できる物品・・・混和が禁止されている次の物品以外のもの
(イ) 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
(ロ) ぶどう(やまぶどうを含む。)
(ハ) アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす“
引用元:国税庁ホームページ「お酒についてのQ&A【自家醸造】」
つまり、20度以上のすでに酒税のかかっているお酒を購入して、禁止されている混合物以外の食材を使えば個人で楽しむ分には問題ありません。
20度以上の日本酒じゃないとだめなの?
結論的には、ご自宅でできたての飲み切る量の日本酒サングリアを作って楽しむ分には、例外として認められています。
酒税法43条10項には
“前各項の規定は、消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合で政令で定めるときについては、適用しない。”
とありますので、「米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷん又はこれらのこうじ、そしてぶどう」を混合しなければ問題ありません。
日本酒サングリアに合うフルーツは?
日本酒に合わせるフルーツですが、基本どんなフルーツでもおいしくできます。(ただしブドウは法律に触れるため避けましょう。)
ミックスフルーツの日本酒サングリア
見た目を楽しみたいのなら、ベリー系や柑橘系を使ってガラスのグラスやカラフェを使って作るときれいなサングリアになります。
ナシやリンゴで果物の味を楽しむ
無難に楽しみたいならリンゴや梨がおすすめです。さわかやかで、飲み口も柔らかくなります。そして、果物にしみた日本酒の味が楽しめるのが、リンゴやナシのサングリアです。
甘いもの好きにおすすめ!バナナ&マンゴー
果物の香りも高いバナナはすごく濃厚な甘さにトロンとしたとろみも出て日本酒との相性も抜群です。
フレッシュフルーツがなければ缶詰でも♩
日本酒サングリアは桃缶やパイナップル、みつ豆などの缶詰フルーツでも楽しめます。缶詰のお汁を入れるかどうかはお好みで!
漬け込む場合は20度以上の日本酒を使う
さて、日本酒サングリアはその場限りで楽しむことが前提になっています。梅を漬け込む場合はやはり20度以上のアルコールを使わないといけません。最近では梅酒の時期になると、ホワイトリカーと並んで醸造用の日本酒が販売されていますし、日本酒メーカーの中にはアルコール度数の高い商品も販売しています。日本酒を使った果実酒は素材のうまみにコクが加わってホワイトリカーの果実酒とは違った飲みごたえが楽しめます。
日本酒の楽しみ方を広げる
日本酒に限らず食を楽しむ方法に固定観念をもってはその範囲が狭くなります。
フルーツと日本酒の取り合わせは、昔からの日本酒愛好家にとっては少し邪道に思われるかもしれませんが、やってみると意外にいいものかもしれませんよ!おうちで簡単にできますので、ぜひ楽しんでみてください。