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酒蔵の街が誇る日本酒料理「美酒鍋」のご紹介

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日本三大酒どころの一つ、広島県西条には8つの酒蔵があります。今回は、西条の蔵人たちがまかない飯にしてきた郷土料理、「美酒鍋」をご紹介します。

正しくは「びしょなべ
すでに地元民でも「びしゅなべ」と発音することが多くなりましたが、正しくは「びしょなべ」といいます。これは、蔵人のあだ名が語源です。西条地区には8個も酒蔵があるので、蔵人がたくさんいました。お水をくみ上げたり、コメを蒸したり、道具を洗ったりと、蔵人たちの服はいつもびしょびしょにぬれていたといいます。そのため蔵人たちは「びしょ」と呼ばれていました。
びしょが食べるお鍋なので「びしょ鍋」なのですが、材料には地元のお酒を使っており、うまい酒の「美酒」と「びしょ」が重なっていつからか「美酒鍋(びしゅなべ)」と呼ぶのが一般化されました。

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出典:wikipedia

賀茂鶴酒造の専務が考案

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出典:wikipedia
美酒鍋を考え出したのは、西条の酒蔵の一つ、賀茂鶴酒造の専務、石川和知さんです。終戦直後の食糧難の時代、「若い蔵人におなか一杯食べさせたい!」そう考えた石川さんは安く手に入る食材、鶏モツを使ってまかない料理を考えました。鉄鍋にモツと野菜を入れ、塩コショウで味付け、最後はお酒で炒りつけます。このシンプルな料理は、手間がかからず、またお酒造りの合間に食べても「利き酒」をする蔵人の舌にも影響しないため、まかない料理として親しまれてきました。

美酒鍋レシピご紹介(4人分)

美酒鍋
美酒鍋 / kaidouminato

材料

●日本酒 適量
●ニンニク(スライス) 少々 
●砂ズリ・ハツ、豚バラ、鶏もも、400gずつ
●白ネギ 2本 ●白菜 半玉 ●玉ねぎ 2個 ●ニンジン 1本 ●シイタケ 4枚 ●こんにゃく1枚 ●厚揚げ 2枚  

作り方

鍋に油を入れて、スライスしたにんにくを入れる
香りが出たら、肉類を炒める
お肉の色が変わったら、お野菜をたっぷり投入し、塩コショウで味付けしながら炒める
具材にかけるように日本酒を回し入れる(深さ1センチくらいの量)お酒で炒りつけるように混ぜ、野菜とお肉に火が通ったら完成
ポイント…焦げそうになったらお酒を足します。一度に全部作ろうとせず半量ずつを2回に分けて作るとシャキシャキ野菜が食べられます。

お子様やお年寄りでも食べられます
日本酒を鍋で沸かすので、アルコールは完全に飛びます。小さなお子様やお年を召した方にも安心して召し上がっていただけますよ!
また、材料を確認して驚く方もいると思うのですが、お肉が一人当たり300g、そしてお野菜の量もとても多いですよね。力仕事をする蔵人のまかない飯ですので、がっつり栄養満点なのも美酒鍋の特徴です。
うまい日本酒でつくるとよりおいしくなりますが、この料理の鍋奉行を酒好きにやらせると、鍋にちょっとしかお酒を入れなくなりますので気を付けて!安全のため日本酒を多めに準備してくださいね。
おうちにある食材で簡単に作れます。ぜひご家庭で試してみてください。

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ライター プロフィール

日本酒ライター misokko

misokko

三度のご飯よりお酒が好き。ひとり飲みはお酒と語らう極上の時間。