熱海の居酒屋で静岡の地酒を飲み比べ!地酒と地元の名物でシンプル贅沢に楽しむ
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こんにちは!日本酒好きなワインエキスパート兼主婦ライターのharumiatamiです。
5月26日に静岡市のグランディエールブケトーカイで行われる日本酒イベント「志太平野美酒物語」が行われますが、ちょっとその前に!地元伊豆は熱海の居酒屋で静岡の地酒を飲み比べてみました。
静岡の温泉観光といえば熱海ですが、旅館で過ごす方も多いのでは?
これからの季節、昭和の街並み残る温泉街の居酒屋で、チョイと地酒を飲みくらべてみるのもおすすめ!今回は地酒と地元の名物の、ぶらり味の旅へご案内します。
静岡の誇る純米酒と旬の刺身は好相性
私の行きつけの熱海の居酒屋さんのドリンクメニューは、当然のことながら日本酒、そして焼酎もそれぞれにわけてあり、銘柄ごとに紹介文が書かれています。
こちらのマスターはあまりお酒に強くなく、むしろ蕎麦打ち名人なのですが、このような手書きの手作りメニューを見てもわかるように、熱海に来て静岡の酒と、地元名物的な和食を楽しみたい人々の気持ちを理解している配慮がうかがわれるのです。
吟醸天国といわれる静岡ですが、優れた純米酒が多いのも静岡の酒の特徴です。
静岡産100%の米を使用して、ワインでいえばテロワールを活かした米作りの技術がある蔵元も多く、純米酒の米の旨みの濃密さと刺身のもつ脂分が、実にあうように出来ているのが静岡ならではの純米酒といえます。
また特筆すべき点として、純米酒は米と米麹、水で仕込んでいます。そのため水の良さが際立つのも純米酒の良さを決めるカギとなります。
今回は島田市の大村屋酒造の注目される若竹ブランドから「鬼ころし」と『純米酒大賞2014』で純米酒部門・最高金賞の受賞経験もある富士市の富士錦酒造から富士の湧水が生んだ「富士錦」と、まさに静岡ならでは純米酒の飲み比べ2種。そして伊豆天城唯一の酒蔵が誇る本醸造酒の「あらばしり」を、刺身と旬野菜の天ぷらで味わい堪能となりました。
静岡は駿河湾と相模湾をバックにどちらに面しているかで、地元名物である刺身料理も種類や店主の好みなどで変わってきます。熱海は相模湾よりでエビやアジ、シラスなどが豊富。今回は春の金目鯛の刺身もいただけました。金目鯛のもつ甘味とクリーミーで上品な脂身、帆立、そして中トロマグロなどの舌触りと、コメの旨みや甘味をしっとりと感じさせる静岡の純米酒とあいます。
反対に、炙った白身の刺身や白身系はスッキリ淡麗な本醸造で。本醸造は醸造アルコールによる添加で、より飲みやすく淡麗さを引き出す味わいの酒が多く、静岡の本醸造はキリッとした辛口であれば刺身にあうでしょう。熱海名物桜エビのかき揚げ、旬野菜の天ぷらはアシタバ、筍、シイタケ、旬野菜を揚げた香ばしい繊細な味わいは、スッキリ淡麗な本醸造酒にぴったりです。
地酒と居酒屋 そして地元名物料理が名マリアージュを生む
この料理にはこの酒が合う、その相性が抜群なことを愛する男女のめぐりあわせに例え、日本でもマリアージュと呼ぶようになったのは、ご存知のようにフランス料理のワインと料理の組み合わせを楽しめるようになってからのことです。
すでに「サシミ」と名の付く、刺身で飲むソーヴィニヨンブラン品種の白ワインがオーストラリアで出ており、和食とワインの味のマリアージュはもはや定着しています。
そんなマリアージュの意味からいえば、日本酒と和食があわないわけがありません。和食の基本となる味噌、醤油、出汁は日本酒の原料となる成分をほとんど兼ねています。
そしてその王道をいくのが地酒と地元の名物のマリアージュになるわけです。その土地の自然が生んだ酒の味は、地元の肴に寄り添うような味になっていることが多いといえます。地酒も名物も地元の人々が育てた味、店自慢の料理とあわせた日本酒を揃えているのも、地元の居酒屋なのです。
旅先の居酒屋で、まずは地酒と地の料理!
私のいきつけの熱海の居酒屋さんは、締めに手打ち蕎麦を頂けるのが酒好きにも愛されています。
熱海にきたらぜひ居酒屋で、シンプル贅沢に、理屈抜きで日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
味の四季 そばと和食のハーモニー 熱海善作
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