旭川の老舗蔵「高砂酒造」のお酒だけを集めた「国士無双の会」に行ってきた1
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北海道はすでに冬の足音が聞こえる10月末。オホーツクの中核都市である北見市において、旭川の老舗蔵が造る銘酒、「国士無双」を囲む会が行われました。
高砂酒造の営業部係長にして唎酒師でもある執行雅顕さんも交えて、同蔵の日本酒が好きな人たちが集まり「熱い会」となった、「第1回 高砂酒造国士無双の会」の全貌を2回に分けご紹介します。
日本酒の街 旭川
雨に濡れる高砂酒造:2017年8月某日、著者の夫が撮影したもの
旭川といえば?と聞かれて、皆さんは何を思い浮かべますか?多くの人は動物園と答えると思いますが、北海道の日本酒好きならまず「日本酒の街 旭川」の側面を思い浮かべるでしょう。
国士無双を造る「高砂酒造」、全国的にも有名な「男山酒造」、「合同酒精 『大雪乃蔵』」、さらに新しく誕生した「上川大雪酒造『緑丘蔵』」。北海道のほぼ真ん中に位置する旭川地方には実に4つの酒蔵が集まっています。
日本酒造りが盛んな旭川では、「乾杯は日本酒で」という条例もあるそうです。日本酒好きなら観光だけではなく、ぜひ夜の街で旭川のディープな日本酒愛を堪能していただきたいと思います。
「高砂酒造」ついて
北海道の居酒屋に行けば、ほとんどのお店で見かける「国士無双」という雄々しい四文字。旭川の高砂酒造で作られる日本酒は道民に長く愛され、「力強くも雑味がなく、切れよし、味よし、酔い心地よし」の名酒です。
旭川にある高砂酒造の蔵「高砂明治酒蔵」内にある売店では、酒粕ソフトクリームや本格甘酒、酒粕ブルーチーズ、酒粕、蔵限定ボトルも販売されており、旭川に訪れる国内外の観光客の舌も喜ばせています。
そんな高砂酒造が、2017年度から新たな取り組みを始めました。それは「原料を道産米に切り替える」という、大胆なものです。
日本酒の大元になる米を変える。それでも「国士無双」らしい日本酒を作るという決断は、老舗の伝統を守りながらも革新的な挑戦を続け、現状では決して満足しないという蔵の決意が垣間見えます。
初の試みである「国士無双の会」
今回の主催者である「有限会社イチヤマ西田商店」さんは、北見市の駅前にて地物野菜のほか、北海道ではなかなか手に入らない野菜類を取り扱う「北見市民や飲食店に愛される八百屋さん」です。店主の西田さんは大の日本酒好きとしても知られています。
左が高砂酒造の執行さん、右が主催者の西田さん
そんな西田さんが初めて取り組んだ日本酒イベントである「国士無双の会」は、第1回にして定員20名分の予約を即埋めてしまい、当日は満員御礼の大盛況となりました。
この日、高砂酒造さんと西田さんのご厚意により提供された国士無双はなんと9銘柄。製造中止の貴重な「一夜雫」もあり、会に参加した同銘柄のファンたちは「あれもこれも」と次々に日本酒を流し込んでいきます。
今回の会では、「国士無双」の「新顔」も堪能してきましたので、各銘柄の味については第2回でじっくり報告させていただきます。