構想・開発期間15年?!「純米大吟醸 岩魚(いわな)」を飲んでみた!【今代司酒造㈱/新潟県新潟市】
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日本で一番酒蔵の数が多い新潟県。その数なんと90蔵!これだけのお蔵さんがあるということは、市場で流通している新潟ブランドの銘柄の数は…数え切れません(泣)新潟清酒はどれも銘酒と思っておりますが、その中に『構想・開発期間15年』と謳っている「岩魚(いわな)」という日本酒を発見!
一体どんなお酒だろう?もしかして岩魚骨酒に合う日本酒とか?って気になりだしたので飲んでみることにしました!
幻の酒 棚田プロジェクト
このお酒は、「幻の酒棚田プロジェクト」に先駆けて2016年にテスト醸造したプロジェクト“第0弾”
「幻の酒棚田プロジェクト」とは、「耕作放棄されてゆく棚田を守るため、そこで生産されたお米を使用してお酒を造る」というコンセプトのもと、新潟市の「株式会社幻の酒」代表取締役 松本伸一氏(SSI認定21239利き酒師)が企画したプロジェクトです。
新潟生産1%のクラシックコシヒカリ
ちなみに、この企画で米作りをする棚田で生産しているのは五百万石といった酒米ではなく、米飯用の「クラシックコシヒカリ」。私たちが普段食べている食用のお米です。
ただ、この「クラシックコシヒカリ」。米どころ新潟でも非常に希少な品種なんです。
現在、新潟で生産されているコシヒカリの99%は病気に強い品種の「BL米」に代わってしまい、このクラシックコシヒカリの生産量は1%未満。私、生まれも育ちも新潟ですが、このクラシックコシヒカリは食べたことがありません。BL米に比べ、甘味、粘り、ツヤなど格段に良いそうです。米どころ新潟においても、非常に希少なお米!プロジェクトでは、その希少なお米を贅沢に100%使用してお酒を造ることにしたのですが、そこには大きな問題がありました。
開発には15年の歳月が…
今でこそ米飯用のお米を使用して醸造している日本酒は少なくありませんが、そもそも
酒造りに酒米と呼ばれるお米を使用する理由は、米飯用より酒米の方が粒が大きく、精米しやすいからです。粒が小さすぎると精米する際に割れてしまい、美味しいお酒になりません。
企画・構想した当時(15年前)は、米飯用のクラシックコシヒカリを大吟醸クラス(精米歩合50%以上)にまで削る精米技術が発達していませんでした。
まさに幻!!
そして精米技術が進歩した2016年。ついにプロジェクトに先駆けてのテスト醸造にまでこぎ着け、発売されたのがこの「岩魚」です!天然岩魚の生息する源流の雪解け水で育まれた棚田であることにちなんで名づけられました。
テスト醸造をしたのは新潟県新潟市にあります今代司酒造㈱。全量純米仕込みのお酒を造る、新潟を代表するお蔵の一つです。
クラシックコシヒカリはとても粘り気の強いお米で、麹造りが難しかったのだとか…。棚田という厳しい環境下での米作り、精米技術の進歩、伝統の高い醸造技術をもって完成した岩魚は、まさに新潟清酒の技術と情熱の結晶、幻の酒というに相応しいですよね!
実際に飲んでみた!
おお!桐箱入り♪
蓋を開けるとフワッと柔らかな香り。ワイングラスで頂くことにしました。
まるで渓流のような透明さ!
深いコクとお米の旨味!…でも、スッと消えていく不思議でキレイなお酒でした。
プロジェクト第一弾「maborisinosake」販売中
岩魚は0弾でしたが、プロジェクト第一弾は「maborisinosake」という銘柄で今代司酒造と金升酒造と柏露酒造がそれぞれの地域の棚田のお米を使用して醸造します。※柏露酒造は棚田BLコシヒカリ使用。
ご購入は幻の酒店特設ページにて。皆さまも幻の酒を是非ご賞味してみてはいかがでしょうか?