酒は最高のコミュニケーションツール!笑顔つながる豊島屋酒蔵見学【前編】~地下150メートルの伏流水で作るいなせな江戸の酒~
掲載
5月も後半になり、雨の日が多くなってきたこの頃。
雨の日だからといって、せっかくのお休みに家にこもっているのはもったいない!
梅雨時の憂鬱気分を吹き飛ばす、豊島屋酒造見学はいかがでしょうか?
歴史ある酒蔵ながら気軽に訪問出来る豊島屋酒造
「金婚」「東村山」「屋守(おくのかみ)」を醸造する豊島屋酒造の創業は慶長年間の1596年。酒屋兼飲み屋だった神田の店舗から「トトロの森」を抱く自然豊かな地、東京都東村山市へと移転し醸造を開始したのは昭和初期です。
都心から電車で1時間、東村山駅からは歩いて10分という好立地にあるので、気軽に訪問出来るのが嬉しいところ。
豊島屋酒造のシンボル、欅の大木
のどかな住宅街を歩いていると、大きな欅(けやき)の木と白壁の土蔵が目印の豊島屋酒造が見えてきます。
「この欅は、いわばうちのシンボル。大木が元気でいるということは地下の伏流水が豊富ということですからね」
そう語るのは営業の川上さん。
豊島屋酒造では、地下150メートルからくみ上げた伏流水を使用しています。
そんな豊島屋酒造の誇る伏流水の水質はやや硬水。
体にすうっと染み渡るような、スッキリとした気持ちのよい味わいです。
東京都内でこんな美味しい天然水があるなんて……と、感動することまちがいありません。
酒の歴史や言葉の起源まで楽しく学べる
酒米を蒸す巨大な釜やヤブタ(清酒の圧搾機)を前に、参加者は真剣に解説へ耳を傾けて……はいるのですが、そこに堅苦しさは微塵も感じられません。
酒の歴史から文化、「朝飯前」「無茶」などの日本語の起源を交えた楽しい解説に、「へえ~!」という驚きの声が漏れます。
変わり者だという杜氏や蔵人のエピソードに思わず笑いが巻き起こる場面も。
見学者のレベルに合わせた解説をしてくれるので、日本酒初心者の方も安心して楽しんでいただけます。
初公開!?巨大タンク内に潜入!
一同は二階にあがり、タンク上部の入り口から内部を見せてもらうことに。
大きなタンクがずらりと並ぶ様子は、まさに圧巻!
タンク内部を覗いているうちに、持前の好奇心がムズムズとうずいてきました。
津川記者「あのう……タンクの中って、さすがに入らせてもらえないですよね?」
川上さん「いいですよ(あっさり)」
ということで、どこまでもフランクな川上さんのご厚意で、巨大タンクの内部に潜入させてもらうことに!
(※通常は見学できません)
タンク内部は……広い!声が響く!
全面をホウロウでコーティングしてあるので、ツルツル、ひんやりした感触です。
底面は中心が盛り上がっており、足元が安定しません。
「仕込みが終わった後タンク内に入って掃除をするんですが、これがなかなか大変で。タンク内は平らじゃありませんし、醪(もろみ)ってヌルヌルしてるので、よく滑ってコケたりしますね」
たしかに3メートルほどもあるタンクを手作業で掃除するのは大変そう!
蔵人の苦労が忍ばれます。
始めての櫂入れ体験にドキドキ
みりん醸造のタンクで、櫂入れ(かいいれ)を体験させてもらいました。
櫂入れとは、醪(もろみ)の入ったタンクに櫂棒(かいぼう、酒母や醪を撹拌する長い棒状の道具)で、押し出すように底から液体を撹拌させる作業。
撹拌させ醪の状態を均一にすることでより早い発酵を促す効果があります。
参加者のお子様も一生懸命に櫂入れをしていました。
お酒の飲めないお子様も一緒に楽しめる理由は、豊島屋酒造の蔵人たちが醸し出す気さくな雰囲気が大きいのかもしれません。
後編では「金婚」の飲み比べや、6月開催予定の唎き酒イベントについてレポートします!
【取材協力】
・豊島屋酒造株式会社
・株式会社アンカーマン