【平成27酒造年度新酒】その味わい、花の蜜のごとし。“紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて”で味わうノスタルジー
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日本酒ライター・コラムニストの津川です! 今年は暖冬だそうで、暖かな日が続いていますね。そんな時には紀州の穏やかな冬を思い浮かべつつ“紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて”を満喫したいと思います。
紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて
平和酒造株式会社
原料名:米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合:麹米50%・掛米55%
アルコール分:15度以上16度未満
“紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて”は、ハッとするほど鮮烈な香りが特徴。その香りと味わいを例えるならば、たっぷりと蜜を湛えた新鮮な花のよう。子供の頃、寄り道ついでにツツジの花の蜜を吸った思い出が浮かびました。紀土の故郷は和歌山なので、みかんの花といった方がしっくりくるかもしれません。
しかし、あんなにも鮮烈だった香りと甘みは、ほろ苦さを残して儚く去っていきます。その鮮烈な香りと甘みを少しでも長く味わおうと、知らず知らずのうちに盃を重ねてしまう。そんな不思議な魅力を持つ新酒です。
花の蜜の香りで、幼少期の思い出が蘇る?
嗅覚は感情に直接作用するため、香りによって記憶がフラッシュバックすることはままある現象だとか。この現象を、プルーストの名著「失われた時を求めて」の中にあるマドレーヌの香りで幼少期を思い出す描写になぞらえて「プルースト効果」と呼ぶそうです。“紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて”の、花の蜜のような香りは、「プルースト効果」を引き起こす力を持っているのかもしれません。
そんな酒に肴を合わせるのは、少々無粋というもの。まずはそのまま飲んで、花の蜜の香りと甘みを堪能してみてください。その時に思い浮かぶ情景を楽しむのも、また一興です。
“紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて”で、ノスタルジーに浸る
儚い思い出だからこそ愛おしく、時折思い返したくなるのかも。あの頃の記憶を思い出して、ノスタルジックな気分に浸りたい。“紀土-KID- 純米吟醸酒 しぼりたて”は、そんな時にぴったりの新酒です。