秋の味覚×「ひやおろし」、美味しい組み合わせはコレだ!【前編】
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「ひやおろし」も出揃い、秋も本番。芋、きのこ、銀杏、サンマ、きのこなど、美味しい旬の食材が豊富なのもこの季節ならでは。そこで今回は、秋の味覚と「ひやおろし」の美味しい組み合わせを検証し、ベストコンビをみつけました!
検証は、相変わらずのこの2人!
今回の検証は相変わらずの、のんだくれライター津川と、酒造で殺人的に忙しい季節にも関わらず、呑みの情熱は消えないW杜氏の2人。
ライター津川(写真左):秋の味覚で好きなものはサンマ。七輪で焼いてみたいけど、去年より50円も高いサンマに手が出ずにいる貧乏性の30歳。
W杜氏(写真右):秋は銀杏とどんこ(厚めの椎茸)が入った茶碗蒸しが食べたい。酒を美味しく呑むためなら、銀杏の殻剥きも苦にならない呑んべい29歳。
【ベストその1】菊の酢の物×〝豊盃 あきあがり〟
【スペック】
・三浦酒造株式会社
・アルコール分 16度以上17度未満
・原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
・精米歩合 麹米55% 掛米60%
【特徴】
なめらかな口当たりと共にもぎたてのリンゴのような甘みと酸味が転がりこんでくる。後味は徐々にフェードアウトしていき、心地のよい余韻が残る爽やかな酒。
【菊のマメ知識】
おひたし、酢の物,天ぷらなどにすると美味しい菊。日本で一般的に食べられるようになったのは、江戸時代から。代表的な品種は紫色の「もってのほか」や、青森県の特産品である黄色の「阿房宮(あぼうきゅう)」など。
T: 三杯酢の酸味と、豊盃の持つ酸味がぴったりですね!
W:似た風味であるということは、料理と肴のベストな組み合わせのひとつなんです。
T:そういえば、ほろ苦い後味も共通してますね。
W:豊盃のさわやかさが加わることで、菊独特の風味が引き立ちます。
T:菊は地元の青森でよく食べました。豊盃も青森だし、同じ地域で育ったお酒と食材は相性が良いのかも。
W:そうなんですね。僕は静岡出身ですけど、菊を食べたのは初めてです。
【ベストその2】ワラサ刺身×〝幸手(さちのて) ひやおろし〟
【スペック】
・石井酒造株式会社
・アルコール分 17度
・原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
・精米歩合 70%
・日本酒度 ±0
・酸度 1.7
・アミノ酸度 1.6
【特徴】
芳醇でふっくらとした穀物の香りが感じられる。やや酸味が強めで旨味がありながら、後味はすっきりとした辛口の酒。
【ワラサのマメ知識】
「ワカシ・ハマチ→イナダ→ワラサ→ブリ」と、成長過程で呼び名が変わる出世魚。体調80㎝ほどのブリは冬が旬であるのに比べ、体調70〜80㎝ほどのワラサは晩秋に脂がのる。
T:ワラサと〝幸手〟いい感じです!
W:脂が少なくて淡白な味わいのワラサには〝幸手〟の程よい旨味とすっきりした後味が合いますね。
T:ワラサより脂の乗ったブリだとまた違う酒が合うんですか?
W:おそらく、もっと旨味の濃いお酒じゃないとブリの脂に負けてしまうでしょうね。
T:じゃあ、同じ石井酒造のお酒でもブリには〝豊明 あきあがり〟(【後編】を参考の事)が合うかもしれませんね!
秋の味覚×「ひやおろし」 検証は【後編】へ続く!
【後編】では、簸上清酒〝純米 七冠馬 ひやおろし〟と石井酒造〝豊明 あきあがり〟にぴったりの秋の味覚を検証します!