第3回一献展~蔵元と語らふ会 in 伊勢丹浦和店(1日目)イベントレポート
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伊勢丹浦和店の7階祭事会場で、毎年おこなわれる『一献展』は今回で3回目。そう広くはない会場ながらも、都心部のイベントと違い、イベントのサブタイトルどおりに蔵元さんたちを身近に感じ、直接話を聞きながら試飲をすることができる会です。
全国から24の蔵元が、3日間日替わりで出迎えてくれます。1日目(8月18日)のテーマは【酒米の違いを愉しむ】。2日目(8月19日は)は【日本酒の未来を語らふ】。3日(8月20日)は【We Love 埼玉蔵】と題してご当地・埼玉の酒蔵が集結します。
▲浦和駅西口からすぐに位置する『伊勢丹浦和店』
まるでホテル会場のようなホスピタリティ
7階にはイベント会場と受付会場があり、まず受付会場であるバンケットルームに向かいます。チケットを購入するか、前売り券を提示すると1チケットにつき1つ、カネコ小兵製陶所の一献盃1個をもらうことができます。4つの異なるタイプの器があり、形状によって香りや味わいが変化して感じるので、それぞれの好みに合わせて選ぶことが可能です。
全国から注目の蔵が集結
▲『龍力』営業の北原氏と「大吟醸 ドラゴンEpisode1」通称青ドラ
ドラゴンシリーズと呼ばれる、通常とは別のラインのなかでも、国内最高の酒米とも噂される、特A地区産山田錦を100%使用した贅沢な一品です。添加する醸造アルコールは、他の蔵では、海外から輸入された純正エタノールを使用するのが通常ですが、『龍力』では自社で山田錦から製造したアルコールを使用。さらに、マイナス3度の低温でじっくりと熟成させ、出来たてよりもまろやかで柔らかな味わいに仕上がっています。
▲『竹葉』数馬社長と「純米酒」
能登半島のほぼ先端に位置する数馬酒造では、地域活性や共存を目指し、地元産の米にこだわっています。さらに『竹葉 純米酒』は無農薬、化学肥料不使用の契約栽培米だけを使用し、安心安全を約束するとともに、要望や改善点を出し合いながら年々米質が向上という利点も。ワイングラスでおいしい日本酒アワード2016で金賞を受賞したお酒です。
▲『あべ』『REGULUS』を持つ阿部杜氏
新潟の酒は端麗辛口、といわれて久しいですが、そんな風潮に一矢報いる狙いで若き杜氏がつくったこちらの2品。通称スターシリーズは、地元である柏崎産の米にこだわり、低アルコール、それぞれ酸味や甘味を特徴とした、見た目通りまるでワインのように綺麗で夏の暑いなかでも飲み疲れしないお酒です。『REGULUS(レグルス)』『VEGA(ベガ)』『FOMALHAUT (フォーマルハウト) 』などその季節に出る星の名前がつけられ、ラベルの絵は同時期の柏崎の田んぼをあしらったもの。情景を思い描き、地域におもいを馳せることのできる素敵な演出です。
▲『播州一献』大吟醸と蔵人の琴地さん
平成28酒造年度全国新酒鑑評会において、金賞を受賞した山陽盃酒造。受賞した出品酒と全く同じつくり方でつくられた、別タンクのお酒です。こちらの蔵では、地元産の兵庫北錦や兵庫夢錦を中心に使用し、宍粟市よりももっと身近にスポットを当て、山崎町に密着をし、日本酒で町おこしをしようというプロジェクトの中心に立っている蔵です。そのプロジェクトに共感し、地元明石を出てカナダ留学を経たあとで、蔵人となり移住を決意した琴地さん。酒づくりの技術もさることながら、熱意を持った若手も加わり、今後ますます動向が見逃せない蔵のひとつです。
それぞれの特色を持った8蔵との交流
この他にも以下のような、個性ある蔵が集まりました。金曜日である1日目は特に、都心の日本酒イベントでは体験できないほど身近に蔵の方たちを感じ、話すことのできる有意義な時間となりました。毎年同場所でおこなわれる『一献展』。来年は足を運んでみてはいかがでしょうか。
- 【8月18日(金)参加蔵】
- 『日輪田』宮城県・萩野酒造
『大七』福島県・大七酒造
『若駒』栃木県・若駒酒造
『あべ』新潟県・阿部酒造
『竹葉』石川県・数馬酒造
『美冨久』滋賀県・美冨久酒造
『龍力』兵庫県・本田商店
『播州一献』兵庫県・山陽盃酒造
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