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『白鶴 天空農園の酒』銀座発!40本だけの超限定酒~発売記念きき酒会レポート

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2018年の銀座産米「白鶴錦」を使用して醸した『天空農園の酒』が今年も完成し、その発売を記念したきき酒会が白鶴酒造東京支社にて、先日おこなわれた。通常田んぼに行き農業体験するには、多くの時間と労力を要する。銀座の真ん中に位置する白鶴酒造本社の屋上を利用して米づくりに取り組むこの企画は、多くの人にとって農業と酒造りがより身近な存在になる可能性を秘めている。

『白鶴 天空農園』とは?

2007年に白鶴酒造東京支社のビル屋上でプランター100基を使って栽培をスタートされたのが「天空農園」。植えられるのは山田錦の兄弟分として、白鶴酒造で独自開発された『白鶴錦』だ。

翌年2008年にビル屋上を大改修し、広さ約110平方メートルの屋上田んぼを完成させた。通常の田んぼは、一番下に鋤床層(すきどこそう)、その上に作土層(さくどそう)と呼ばれる土を60cm以上盛って作られる。しかし「天空農園」があるのは1981年築のビルの屋上。「そこまで盛ると、最上階の天井が抜けますよ。」と言われた。それでも諦めず、コンクリートの上にルーフソイルという特殊な土を盛り、作土層のみを造作した。

米づくりに大切とされる①日照 ②土壌 ③風 ④水管理。この4つの条件すべてに不利な状態で、周囲から「昼夜問わず明るい銀座で米造りはできないのでは?」と憂慮されながらも再スタートをきった。圧倒的不利な条件にありながらも、”銀座産の白鶴錦”からできる酒というロマンを追い続け、その希望は実りをつけ、2018年で11回目の刈取りに成功している。

『天空農園』産白鶴錦からつくられた限定酒

2013年から天空農園で収穫した白鶴錦100%で仕込んだ酒を商品化。以来、毎年限定本数を販売している。2018年の米65kgは刈り取られ、はざかけ、脱穀された後、兵庫県の白鶴本社敷地内にある本店二号蔵(全量手造りの酒)に持ち込まれ、酒へと生まれ変わる。貴重なこの酒は『銀座の地産地消』をテーマに、銀座にある『松屋銀座』『銀座三越』『いまでや銀座(GINZA SIX内)』『HANDS EXPO(東急プラザ銀座内)』の4店舗のみにて合計40本、価格は10,000円(税別)で、5/31(金)より限定発売された。

関係者から語られた想い

収量わずか65kgの白鶴錦から大切に醸された酒。出荷を前に、関係者3名が様子を振り返りそれぞれの想いを語った。

  • 東京支社長 中尾 嘉彦氏
  • 「全国各地で天災が相次いだ2018年でしたが、なんとか大吟醸として認められる2等級を頂ける米になりましたフルーティな香りとキレのある味わいが今年の酒の特徴です。銀座は情報の発信源。訪日のかたも多く、みなさまに知っていただけるような発信を続けていきたい。
  • ※「白鶴錦」は東京都の登録米でなく、また「天空農園」は農地でないことから収穫される米につけられる最高等級は2等級となる。

  • 西武造園株式会社 みどり環境事業部 東日本運営部 担当課長 藤代あゆ美氏
  • 「2017年より共同運営させていただいています。飼料を増やしても倒伏しない工夫、おいしい酒になるための酒米品質アップ、そして収量アップを目指して今後も研究の余地はまだあると思います。

  • 白鶴銀座天空農園 チームリーダー 髙尾 翔太氏
  • 「農園の作業は主に私、それから西武造園の藤代先生とで進めてきました。2018年7月は40度を超える日が続き、枯れてしまうのではないかと心配しましたがなんとか育ってくれました。収穫の日は特別で、こうして酒になって出荷されていくのは、わが子が巣立っていくかのような心境です。田植えには近隣の小学生や海外からの留学生も参加してもらいました。最初は泥に足を入れることを躊躇する子もいますが、そのうちに”田んぼって気持ちいいね”と言ってくれる。食育の発信地としていけたらいい。

 

「白鶴 銀座 天空農園の酒」概要
  • 商品名:白鶴 銀座 天空農園の酒(大吟醸)
  • 容量:500ml
  • 原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
  • 使用米:天空農園産白鶴錦100%
  • 精米歩合:50%
  • 日本酒度:+6
  • 酸度:0.9
  • アミノ酸度:1.0
  • 使用酵母:白鶴自社酵母
  • 販売本数:40本

 

丹精込めて育てた酒米が酒へと姿を変え、喜んだのもつかの間。今月には2019年度の酒米田植えがおこなわれる。来年の「白鶴 銀座 天空農園の酒」がより良いものになるよう、今から情報をチェックし、楽しみに待ちたい。

白鶴 天空農園 農園日記

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ライター プロフィール

日本酒ライター 友美

友美

日本酒ライター/コラムニスト/唎酒師/フリーランス女将/蔵人
日本酒アドバイザーや飲食店勤務を経て、現在は「とっておきの1本をみつける感動を多くの人に」という想いのもと、日本酒の持つ味わい、文化、食事との相性、風土、歴史、人情など様々な日本酒の楽しみ方を提供。記事の執筆、イベントやセミナー講師および主催、日本酒専門店の女将としての接客業務など多角的な活動を通じて、日本酒のおいしさと日本文化の豊かさを伝えている。現在兵庫県の山陽盃酒造にて蔵人として酒づくり中。
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