大盛況!とっとり・おかやま新橋館で開催された『備前焼で愉しむ雄町米の地酒場(BAR)』をレポート!
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2019年1月31日、2月1日に新橋にある、とっとり・おかやま新橋館で開催された『備前焼で愉しむ雄町米の地酒場(BAR)』は、
オマチストに、日本酒愛好家、あらゆる人が集まって大盛況でした!
詳細をレポートいたします!
『備前焼で愉しむ雄町米の地酒場(BAR)』 開催概要:
日時:2019年1月31日(木) ・2月1日(金)
場所:東京・新橋にある岡山県のアンテナショップ
「とっとり・おかやま新橋館」 2F催事スペース&「ももてなし家」
入場料:2000円(地酒やおつまみと交換できるチケット7枚つづり)
※チケットをご購入の方のうち先着500名様には、備前焼ぐい呑み(1,000円相当)をプレゼント
内容:雄町米を使った備前地域の地酒や瀬戸内のおつまみ等をチケット制で提供。
主催:岡山県備前県民局
出店酒蔵:
①利守酒造:http://www.sakehitosuji.co.jp/
1868年(慶応4年)創業。 昭和48年には岡山県でわずか3ha(ヘクタール)しか作付けされなくなっていた「幻の酒米」雄町米を復活させた立役者。地酒にこだわる酒造りを行う
②宮下酒造:https://www.msb.co.jp/
1915年(大正4年)創業。地ビール、ウィスキー、日本酒など、あらゆる酒類を作る総合酒造メーカー。雄町米についても日本酒のみならずビールも製造するなど特徴ある製品が多数。雄町米のそもそもの発祥の地とされる高島地区の高島雄町を多く使用している。
③室町酒造:http://sakuramuromachi.co.jp/
1688年(元禄元年)創業。雄町米と名水百選「雄町の冷泉」にこだわり、
モンドセレクション19年連続受賞やイギリスのIWSCでは日本酒部門第一位
のトロフィに輝くなど、「雄町米のお酒」でチャレンジしている蔵元。
また岡山産フルーツをふんだんに用いたリキュールも製造。
会場はオマチストと酒好きで大にぎわい!
「とっとり・おかやま新橋館」はJR新橋駅やメトロ新橋駅から徒歩5分以内という立地にあるが、いわゆる新橋の飲み屋街とは異なります。
またお店も飲み屋ではなくアンテナショップということで、失礼だが訪問まで「こじんまりとした雰囲気なのだろうか?」と想像していたのですが、会場に入ってびっくり!
酒蔵の方に話を聞く酒好き、雄町の酒が好きすぎて「あれがいい!」「こっちはこうだ!」と盛り上がるオマチスト※ここまで雄町の酒が揃うイベントも少ないのではないでしょうか。
こんなつまみがあるのか!など盛り上がる大勢の人!
しかも、「飲むのが好き」なだけでなく「雄町の酒が好き」で集まるお客様だけあって、「味を比べたい」「味わいたい」ため、酔っ払って管を巻くような酔客は見られず老若男女ニコニコと楽しんでいる、なんとも良い空間が出来上がっていました!
そして「雄町」の酒はやっぱりうまかった!
(利守酒造 酒一筋 赤磐雄町 荒走り)
(宮下酒造 極聖 雄町米吟醸しぼりたて生原酒)
(室町酒造 特別純米無濾過生原酒あらばしり一番)
(室町酒造 純米吟醸 佐近)
雄町米で作られた酒の特徴を、一応、日本酒唎酒師資格保持者である筆者が感じたままに書くとすると以下の点かと思います。(当然造り方によって異なる酒もあります)
・比較的味の複雑さがある
・酸味と旨味のバランスが良いが旨味を強く感じる。
・どちらかというと常温や燗酒に向く
・コクがあって余韻がしっかり残る
さらに、筆者はまだ多く検証したことがないのですが、雄町の酒は全体的に熟成に適するそうで、熟成によって花ひらく、と評する方もいらっしゃいます。
イメージとしては、昨今増えている、白ワインにも近い酸やフルーティーさでグラスでいただく日本酒ではなく、今回のように備前焼のぐい呑や枡に入れて
日本酒らしくいただきたいお酒です。
実際に今回出店されていた三つの蔵の一部の酒を飲み比べてみました。
利守酒造 赤磐雄町 荒走り(純米大吟醸):
同社が復活した雄町米を使用した純米大吟醸酒を「赤磐雄町」と命名し全国に広めた。
酒造りの工程の中で、槽(ふね)と言われる搾り機の中にもろみを入れた酒袋を並べて積み重ねていき、最初に垂れてくるお酒を荒走りと言い、新酒の出来るこの時期ならではのもの。
荒走りはあまり圧力もかけない状態でとる部分なので、フレッシュ、アルコール度数が少し高め、香りに華があってと良い部分が多数ある反面、コクや複雑さと言ったものを感じる酒は少し少ないように感じていますが、「え?これが純米大吟醸の荒走り?いきなり複雑!でも、これぞ雄町!」という酒でした。荒走りならではの酸での味の切れ味も存分に味わえる酒。
筆者は冷やでいただきましたが、これは常温でも、温度さえしっかり調整すれば熱燗でも別の良さが出るのでは?と思わせる酒でした。
宮下酒造 極聖 雄町純米吟醸しぼりたて生原酒:
ブースが大人気でなかなか写真が撮れなかった同ブース。
おすすめの極聖 雄町米吟醸しぼりたて生原酒は1801酵母(吟醸香を多く生成するとされる協会酵母)と発酵食品の中に天然に含まれる「カルバミン酸エチル」(海外において一部規制の発生する可能性がある物質)を発生させないで日本酒を醸すことができる1901酵母の組み合わせで香りにも特徴を持たせたという酒。
しぼりたて生原酒ならではのフレッシュさ、香りの良さに、やはり雄町らしい旨味が存分に顔を出している酒でした。
宮下酒造ではビールなどあらゆる酒を製造していますが、より良い水を求めて拠点を移したり、雄町の中でも、「雄町発祥の地」と言われる高島雄町を使用するなど、日本酒へのこだわりが他に劣ることは一切なし。
その気風も感じることができました。
室町酒造 特別純米 無濾過生原酒あらばしり一番
無濾過生原酒ということもあり、荒々しい野性味がある酒でした。
なんと言いますか「日本酒を飲んだなあ!」という満足感を強く感じたお酒。
室町酒造は海外への輸出を早くから行っており、海外流通専用の酒もあるほど。
同社の「純米吟醸 佐近レアル」がこれに該当するのですが、同じ酒蔵、同じ米からここまでの違いが出る、やっぱり日本酒って凄い!
と実感。雄町の旨さは存分に活かしつつ、白ワインのように少しスッキリまとまった印象を与える酒でした。
それぞれ蔵元にオススメいただいた1本ずつを基本とした飲み比べ。
それでも雄町ならではの旨さは三者三様に生かされ、全く違う味わいになっていました。
「雄町」の酒、まだまだこれからも目がはなせないですね!
うまい酒、うまいもの、歴史好きにも(刀好きにも?)たまらない「岡山」に行ってみたい!
(牡蠣無双:補足文章「比べてみたらこっちの方が美味しかったので」と、燻製された旨味の溢れる日生牡蠣を、一般的なオリーブオイルではなく、より抗酸化作用も強く美容や健康に良いと言われているグレープシードオイルで漬ける。手が止まらない旨さ)
(酒粕バターや各社岡山フルーツリキュール)
瀬戸内市の武久市長
うまい日本酒にはやっぱりうまいつまみが必要ですが、その点岡山は言うことなし!
イベントでは「地元では買って食べるんじゃなくて漁師さんたちにもらって食べるんです」というくらい水揚げの多い日生牡蠣、ふなめし、鰆の刺身、下津井真ダコ、桃を含めた美味しい果物などうまいものが沢山!
さらに、桃太郎伝説の地として知られるほど歴史は長く、黒塗りの外観で「烏城」と呼ばれる岡山城、話題の国宝、数々の工芸品など見所も沢山あるとくれば、是非ともGWの訪問先として検討したい先ですね!
このイベントを通して、雄町米を復活せしめた、「岡山」という土地にも興味を掻き立てられました!
ちなみに、もし牡蠣など旬の時期が合わない時でもOK!
幸徳堂の「牡蠣無双」や、各酒造場or酒蔵でも作られる岡山特産果物のリキュールなど、保存性にも味にも優れた商品が多く開発されていることが、今回のイベントでわかりました!
なお、時期によりますが、現在ニュースにもなっている国宝「太刀 無銘一文字 山鳥毛」も岡山県立博物館にて展示されていることがあるので要チェックですよ!
個人が所有されている国宝。上杉謙信の愛刀と言われ、岡山が誇る備前長船の刀。所有者が売却を希望、海外流失の懸念もあり、瀬戸内市の武久市長によると「山鳥毛里帰りプロジェクト」としてふるさと納税型クラウドファンディングを実施中とのこと。https://setouchi-cf.jp/
まとめ
雄町米の日本酒のうまさ、だけでなく、その雄町米を復活せしめた
うまいものや歴史の溢れる「岡山」にも興味を掻き立てられるイベントでした!
イベントに出品されていた雄町米の酒は、一部を除き「とっとり・おかやま新橋館」でも購入可能とのこと!
是非、雄町米、岡山の美味しいものを楽しんでみてください!