この時期こそ試したい!日本酒×苺マリアージュのポイントは「酸」! 是非自分でも試してみて!
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この時期旬を迎え、美味しくやすくなる苺!
コース料理のデセールなど、でもイチゴのデザートとシャンパンが出てきますよね。
でもそこで日本酒唎酒師としては思うわけです!「絶対合う日本酒があるはず!」「ここが日本酒でもいいじゃない!」と!
というわけでマリアージュを試してみました!
日本酒は千差万別、山ほどあるわけですから、本一例となります。
是非ご自身でもお試しください!
まずはマリアージュを試すのに適したイチゴをチョイス!
今回、甘さ・酸・日本酒の風味・・・いろんな角度からトライしてみたかったので、苺にも拘りました。
結果選んだ苺は「いちごさん」!
実は約20年ぶりに佐賀県から発表された苺の新ブランドです。
「甘い」苺なら他にもあるのですが、「甘さ・酸味のバランスが良くて、そもそも味の濃い苺が良い」という点で、他の苺と食べ比べても適していると感じました。(2018年1月に都内在住女性108人に対して行った食べ比べ調査でも同様の評価が出ている:調査主催佐賀県)
すでに都内スーパーなどでは流通しており、売り場中央に配置されるなど青果店側からの人気もうかがえる商品です。
手に入らない場合、「高い苺を買う」のではなく、是非売り場の方に「味が濃くて甘さと酸味がしっかりあるもの」とご相談することをお勧めいたします!
揃えた日本酒をご紹介
今回は、日本酒唎酒師として筆者が想定した「合う合わない」に加え、筆者が度々お世話になっている「酒の阿波屋」 1948年創業の酒屋北九州地区でも大規模な酒屋さん。オンラインショップでも対応されており、拘りある酒のチョイス、適正価格、温度管理ともに信用できる酒屋さんです)さんにご相談させていただき、合計4本でトライしました。
①新政酒造株式会社(秋田県)
陽乃鳥オーク北海道支援酒
HP
貴醸酒:美山錦・米麹・日本酒(いずれも秋田県産米のみ)
日本酒の中でも最も甘さが際立つ「貴醸酒」。
水を使わずに日本酒で仕込む甘口かつ濃厚な酒。
特に人気酒造新政のこの酒は、オーク樽での醸造で、日本酒特有の香りはあまりなく、樽も強くは香らず柔らか。
甘さも強いが酸味も残り後口のキレが良い。
筆者としては「最も合うのでは?」と最初想定した1品。
②辰馬本家酒造株式会社(兵庫県)
黒松白鹿豪華千年壽
HP
純米大吟醸:国産米・米麹
たまたま頂き物で手元にあり、急遽マリアージュに参戦した1本。
「灘の銘酒」として不動に地位を築いた酒造(醸造高日本一となった記録あり)「日本酒らしい日本酒」と考えられる。
独特の日本酒らしい香り、米の複雑な旨味、酸がある。
米が公表されていないが、複雑さがあり、余韻が残る味わい。
③河津酒造株式会社(熊本県) 花雪
HP
純米吟醸原酒 山田錦(熊本県産)・阿蘇天然水・熊本酵母仕込み
九州地区の酒屋さんである「酒の阿波屋」さんから紹介いただいた日本酒どー19度と甘口。さらに米菓子のような独特の香ばしさも感じる。
コクがしっかりありつつ、日本酒特有の香りではなくフルーティーな口当たりと香りで非常に飲みやすい。
④八百新酒造株式会社(山口県) 雁木スパークリング
HP
純米大吟醸 発泡にごり生原酒
酵母が生きたまま瓶詰めするため、保管温度指定あり。
酵母が非常に元気で開けるまでにだいぶガスを抜きつつ行った。
発砲にごりの日本酒というと、1度開栓するとかなりまろやかな口当たりのクリーミーな酒が多い中、しっかりと発泡、さらに大吟醸ということもあり甘さは抑えめに感じた。
癖が少なく米の旨味や甘味もしっかりと感じられる。
発泡でさっと口が現れるが、華やかな香り、米の甘さがほのかに残る。
実際に合わせて食べてみた!
マリアージュを行うにあたって、定義を設けました
「マリアージュの相性が良い=両方口に入れても、お互いを損なわずに引き立て合う。もしくはアラをカバーしより良い味わいにしてくれる関係性にあるものがベスト。」
これに従ってより良い組み合わせを検討してみました。
①新政酒造株式会社(秋田県)
陽乃鳥オーク北海道支援酒
同時に口に入れても酒の方が勝る。
濃厚な甘みと酸味が苺の美味しさを引き立てきれず、口の中で喧嘩して、酒が勝って終わるため、マリアージュとしてはベストではないと感じた。
オークの香りは思ったほど邪魔にはならないが、そもそもの酒の味がマッチしていないと感じた。
② 辰馬本家酒造株式会社(兵庫県)
黒松白鹿豪華千年壽
あまり相性が良くない。
日本酒らしい香りや風味が、苺の酸味や甘みと方向性が異なりすぎて、味が喧嘩してまとまらない。後味も雑味が残る。
③河津酒造株式会社(熊本県) 花雪
酸味や甘さのバランスが、互いに良いためバランスは良いと感じた。
ただし、花雪の良さでもある、香ばしさは苺の風味で活かされない部分があるためベストではない。
④ 八百新酒造株式会社(山口県) 雁木スパークリング
苺との相性が最も良いと感じた。
どちらの甘さや酸味も消し合わず、果汁感も感じつつ、最後に発泡で口が洗い流され、米の甘さや旨味がほんのり残る。
また、雁木スパークリングは1つでデザート酒というほどの濃い甘さはないが、苺と組み合わさることでデザートとして完成する。
あうと思っていた「陽乃鳥オーク」は合わず、雁木スパークリングが最も良いと感じた。
さらにクリーミーで甘みのある発泡日本酒とのマリアージュをテストしたいと考えているので、今後も同様のトライは行うつもりです。
この次は同じ日本酒を使ってチョコレートとのマリアージュにトライするので、そちらもお楽しみに!