日本酒のトレンド満載!日本橋髙島屋「日本酒まつり2019」レポート!
掲載
日本酒の酒造りが始まったシーズン初め。
そわそわする日本酒ファンも、日本酒ビギナーも楽しめる日本橋髙島屋「日本酒まつり2019」が今年も開催されました!
約70蔵500種類が集合!
早速レポートをまとめました!
髙島屋「日本酒まつり」の良さとは?
いろんなイベントにお邪魔し、髙島屋さんの「日本酒まつり」には日本橋・横浜とお邪魔して強く感じたことがあります。
それは【とにかく酒蔵がいっぱい】な外イベントより【百貨店フロア内で企画が煮詰めてある日本酒イベント】の方が日本酒の周辺トレンドが感じられること。
またじっくり腰を据えて味わえるということ!
飲めるイベントはとにかく人気の蔵を入れたり、数を揃えたりという点にかなり重きを置かれ、またスペースが広いため可能です。
しかし髙島屋さんの日本酒イベントは79蔵500種類と数も豊富なだけでなく、「飲める・買える」プラス「より日本酒が好きな方やビギナーの方が来ていただける企画を練られている」と感じます。
今回の日本橋髙島屋さんの日本酒まつりもトレンドに溢れていたので、カテゴリごとにご紹介します!
ペアリング
一時期から本が出版されたり、専門店も目立ち始めた【ペアリング】日本酒の流行も高まり、ワイン同様ペアリングは欠かせない条件となって来ました。
日本酒まつりでは、日本酒イベントでひっぱりだこで日本酒ペアリングの人気店「GEM by MOTO」が入り口真横にバースタイルで展開!
料理は千葉麻里絵氏が日本酒とのペアリングを考え抜いた一品がずらり!
さらにこのスペース自体のトークショーで、人気蔵元新政と仙禽の社長も来場されるなど盤石の構えでした。
今年のこれは抜群に美味しかった、こういう酒なのでこれと合わせると負けないし引き立つ、など興味深いお話をお聞きできました!
さらにペアリングでは【焼肉矢澤×日本酒応援団】!
日本酒応援団のお酒は、6県6酒蔵で作られるため、大変個性が豊かなのですが、そちらに合わせて作られたオリジナルメニューで展開されていました!
以前はお肉といえば・・・ビールやマッコリ・・・なぜか日本酒の立ち位置ではないと感じていました。
日本酒応援団のコンセプトは「日本酒のあるライフスタイルを、世界中に。」ということで身についてしまったお酒の組み合わせを脱却して、日本酒を合わせ直してみることで日本酒のポテンシャルの高さを再発見しました!
女性人気
【和食以外とのペアリング×女性人気】
昨今の日本酒ブームと、過去の地酒ブームで異なること・・・
色々あると思うのですが、筆者が一つ思っているのは、女性が自分で働いて一般的にお酒を楽しんでいる世代になっているため、女性が好む華やかさ、新しさが好まれる傾向が強くなっているのでは、ということ。
この点、梅・和菓子・チーズとのペアリングを提供された田中順子氏による「SAKE’s KITCHIN チーズ Bar」さんはとにかく女性客が多数いらっしゃいました。
提供された日本酒も江戸生酛、梅にも似た甘酸っぱさが引き立つ炭酸割、熟成酒のぬる燗など手が込んでいて、どちらかというと女性に好まれやすかったのではないかと思います。
農業と酒
【農】のキーワードは日本酒にも!
生産者の見えるお野菜、私が日本酒とのペアリングを楽しむチョコレートでも原料生産の段階からこだわる作り手がとても増えてきているのですが、日本酒もこの傾向が少しずつ育ってきているように感じています。
世界の市場シェアでいうと先輩的存在のワインでは、そもそも原料ワインの畑単位でドメーヌと呼ばれ管理、価値を認められています。
今回出展した「農!と言える酒蔵の会」は【酒米の栽培から醸造まで】関わり、拘りのある12の酒蔵で2019年7月に発足させたとのこと。
今回は自社栽培酒米三種飲み比べセットを、実際に各酒蔵の方と会話しながら楽しむ方が多数!
筆者自身、最近選ぶお酒の多くは気がつくと自社栽培酒米の酒蔵が増えていました。
意図して選んでいたのではなかったのですが、自社栽培のお米であるということで毎年変わる酒米の仕上がりをいち早く実感し、酒造りに反映できるなどの利点もあるのではないかと推察しています。
フレンチ
世界の料理の中でも屈指の繊細さを持つと言われるフレンチと和食。
そのためか食中酒としてワインをこよなく愛し、生産するフランスの料理関係者の中には、日本酒に強い興味をお持ちの方も多数。
※フランスでは「サロン・デュ・サケ」という日本酒を集めた大きなイベントも開催されるほどなんです。
フランス本国の高級レストランでも徐々に日本酒がリストに並んできています。
そんなフレンチの巨匠で、フレンチの神様とまで呼ばれたジョエル・ロブション氏。
そして酒米の磨きを突き詰め、大吟醸を徹底して磨き上げ、澄んだ味と、新たな飲用シーンを生んだと言える【獺祭】。
フランスの料理店にもリストインし【日本酒】をフランスでの認知を広げた立役者と言えるかと思います。
二つがコラボレーションした会場だけの特別メニューが「酒盗のガレット×ペアリングセット」でした。
ガレットはそば粉を使用している、食事のクレープ、と言われることがありますがこの素材のチョイスが流石で、そば粉だからこそ獺祭とガレット、それぞれの旨味が引き立って非常に美味しかったです!
「酒屋の重要性」と多様化
一時的な日本酒ブームを過ぎ、より大きな日本酒が定着するシーンが近いのかなと思う昨今ですが、こうなると存在が目立ち始めるのが「酒屋」さん!
ニッチにマニアが好む場合、酒蔵単位で良いのですが、日本酒業界が盛り上がり、各酒蔵が趣向を凝らした酒造りを加速させている今【山ほどある魅力的な日本酒を、正確に認識し、伝えることができる】酒屋の存在が際立ってきます。
日本酒マニアですら、全国津々浦々の酒蔵さんとネットワークを持っているわけではありません。
有力な酒屋さんは、酒蔵さんとコミュニケーションをとり、実際に飲んで勉強をされ、より強力な日本酒のコンシェルジュ的立ち位置になってきています。
今回は「酒のはしもと」さんが全国のおすすめ銘柄をセレクトし、出展されています。
今回酒のはしもとさんセレクト、ということでいただいた昇涙酒造さんはなんとフランスの酒造さん。
「雷」はグラスではなく燗で試させていただいたのですが、綺麗な味で雑味が出ない、旨味はしっかりのお酒でこれは知らなかったけれど旨い!と感嘆しました。
今回は日本橋髙島屋「日本酒まつり2019」をトレンドごとに紹介していましたが、いかがでしたでしょうか?
いっぱい飲める、ずらっと酒造がテントを出すイベントとは全く別の楽しみ方ができます!
私個人としては、日本酒をもっと知りたい、話を聞きたい、という方には髙島屋さんの「日本酒まつり」は最適だと思っています。
来年の開催は日本橋・横浜共にまだ未確定ですが、ここ数年は日本橋が10月末ごろ、横浜は4月ごろに開催されているので訪問を検討されている方は、この前後のイベントリリースをお見逃しなく!