1本3万円もする「最初で最後30」の豊盃!テロワールと精米を大切にした日本酒の味わいとは
掲載
日本酒愛飲家の間で高く評価される青森県弘前市の日本酒「豊盃」が、蔵で初となる豊盃米を30%まで磨いた純米大吟醸酒を醸しました。
「豊盃」は昭和初期に創業した「三浦酒造株式会社」の代表銘酒。名前の由来は、青森県の前身である津軽藩の祖・津軽為信公が、戦場で兵士を鼓舞するために唄った歌「ホウハイ」節だと言います。全国的な人気銘柄でありながらも、生産量を増やすことなく丁寧な酒造りに徹しています。
そんな「豊盃」三浦酒造株式会社が、新たな美味しさを追求し、青森県産の希少な酒造好適米・豊盃米を30%まで磨いた日本酒「豊盃 純米大吟醸 最初で最後30」を醸しました。「最初で最後」の思いが名前に込めており、1本3万円の価格が付けられています。
埼玉県鶴ヶ島市の酒屋「キングショップ誠屋」で2月11日、「豊盃を楽しむ会」を開催し、「純米大吟醸 最初で最後30」を筆頭に豊盃シリーズの飲み比べ会を開催しました。本稿では実際に試飲した感想をお伝えします。
<飲み比べた豊盃シリーズ>
銘柄名、使用米、精米歩合の順で記載。
・豊81(豊盃米/81%)
・純米 ん(豊盃米/麹55%・掛70%)
・純米 ん おりがらみ(華吹雪/60%・掛65%)
・純米 しぼりたて無濾過生原酒(弘前市藤代産華吹雪/麹60%・掛60%)
・特別純米酒(豊盃米/麹60%・掛60%)
・純米吟醸 華想い(華想い/55%)
・純米吟醸 夏ブルー(美郷錦/55%)
・純米大吟醸 山田錦 生酒(兵庫県西脇産山田錦/48%)
・純米大吟醸 大寒仕込み(兵庫県西脇産特別栽培米山田錦/39%)
・純米大吟醸 レインボー生酒(豊盃米 契約特別栽培アップグレード/39%)
・純米大吟醸 最初で最後30(豊盃米 契約特別栽培アップグレード/30%)
・大吟醸 つるし酒(山田錦/40%)
「純米大吟醸 最初で最後30」以外のラインナップを見てみると、同蔵の豊盃米で醸すお酒が多いこと、また、大吟醸クラスであっても磨きは39〜40%(ギリギリのライン)に留めていたことが窺えます。ここから、豊盃米を非常に大切に使っていることが伝わってきます。
まず、「純米大吟醸 最初で最後30」以外のお酒を飲み比べました。どのお酒も表情の差違はもちろんありますが、根本的な含み香と芳醇な米の旨味、スルッと飲めてしまうことは共通です。豊盃米を始めとした、お米の存在感を強く認識させてくれました。
それでは、「純米大吟醸 最初で最後30」を飲んでみます。
香りの華やかさ、お酒の透明感、気持ちの良いほどのキレと、文句なしの美味さです。同じ豊盃米を使っていても、別人に近い表情に驚かされます。これまで飲んだお酒と比べると、お米の味わいの強さは若干薄れたものの、香りの華やかさに昇華された“新境地の美味さ”がありました。
酒造好適米に限って言えば、“王様”山田錦を始め、全国に様々な有名銘柄があります。しかし、「豊盃」は他県の米を使いつつも、豊盃米を使うというテロワールにこだわりがあります。
また、香り(吟醸香)が出やすくキレイなお酒を造るために、「お米をたくさん精米する」という選択肢がありますが、「豊盃」は全てのお米を大事に精米しているのが窺えました。
想いの強さが味となって伝わると、感動も一際大きいのではないでしょうか。大盛況に終わった「豊盃を楽しむ会」を見て、強く感じました。
●三浦酒造株式会社
住所:〒036-8316 青森県弘前市石渡5-1-1
電話番号:0172-32-1577
青森酒造組合公式サイト:http://www.aomori-sake.or.jp/kuramoto/houhai.html
●キングショップ誠屋
営業時間:全日10:00~19:00 ※毎週水曜日/第2日曜日(年末年始を除く)
住所:埼玉県鶴ヶ島市富士見2-18-14
電話番号:049-285-8311
公式サイト:http://www.k-makotoya.net/