地酒を楽しむということ
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今回から、「季節で楽しむシリーズ」のほかに、「日本酒談義シリーズ」を始めたいと思います。
日本酒に対する思いやこだわりは人それぞれあり、それは各個人にとってはとても大切なものです。
日本酒だけではなく、アルコール類は「流儀」や「知識」を尊重され、「うんちく」ばかりが流れていく風潮にありますが、個人的には「お酒は肩の力を抜いて楽しむもの」と感じています。
「日本酒談義シリーズ」では、もっと各々が自由に日本酒を楽しむために、時にはあえて尖った意見も述べていきますが、私と語り合う気分でゆっくりとご覧ください。
日本酒ブームの先にあるもの
日本酒の一大ムーブメントを作り上げた、それぞれの酒蔵の努力は計り知れないものがあるでしょう。
ただその反面で、「流行を追いすぎてしまう」風潮も作り上げてしまったのではないかと個人的には感じています。
しかしこれは、日本酒をもっと身近なものに、もっと楽しめるお酒にするという部分において大成功を収めた、その結果です。
一種の「日本酒ブーム」とともに年齢を重ねた私からすると、このムーブメントは一見「日本酒の間口を広めた」ようでいて、大量の「うんちく好き」も生み出した気がします。
実際、日本酒を好んで飲んでいると、「味よりも知識」を大事にしている人と出くわすことが多くなってしまったのは少し残念に思います。
このブームが進むと、例えば高級ワインのように「なんとなく敷居が高い」と感じ、日本酒にチャレンジしてみようという層が減ってしまうのではないか?と個人的には懸念してしまうのです。
日本酒はもっと気楽なもの
日本酒は日本伝統のアルコールですから、「日本人である私たちは気楽に日本酒を楽もう」、と私は提案します。
その第一歩として、もっと地酒を愛してみませんか?
「全国的に有名な酒蔵の」、「手に入りずらいプレミアムな」、「限定醸造」、などというフレーズばかりを追い求めず、時には立ち止まってすぐ足元を見てください。
地酒が素晴らしい点は、地物のうまいものと良く合うということです。地元の人間が集まって、おいしい名産品やグルメの横に、慣れ親しんだ酒蔵の地酒。または毎夜の晩酌に、季節ごとに楽しめるつまみと地酒というのもいいですね。
肩の力を抜いて地酒を楽しんでみると、また新たな日本酒の魅力に気付き、さらに虜になることでしょう。
今夜から、「誰かに羨ましがられるためではなく、自分の舌を喜ばせるために」日本酒を選んでみませんか?