蔵元紀行~神奈川県編~中澤酒造
掲載
神奈川の、丹沢山系の麓、松田でお酒を醸していらっしゃる、中澤酒造さんにお邪魔しました。
中澤酒造さんの銘柄名の、松美酉は、小田原藩公より松田の景勝に因んでいただいたそうです。
昔ながらの造りで、300石を造られています。
松田の町自体が、水道水は、丹沢山伏流水を使われていて、お酒を造る際には、その伏流水を井戸から汲み上げ、濾過して仕込み水として使用されているとのこと。
蔵の建物自体は、100年ほど経過されてます。
中澤酒造さんで、使用されている酒米は、9割が他県からで、長野県の美山錦、新潟の五百万石等を使われ
残り1割が、地元神奈川県の若水を使用されているとのこと。
酵母は、 9号、7号、自社酵母を使用。
本醸造は、7号、自社酵母は、亮に使用、9号は概ねそれ以外に使われているそうです。
今期は、11月~3月の間に21本タンク仕込みをされたとのこと。
洗米に関しては、精米50~は手洗いをされ、本醸造は機械洗いになるそうです。
11代目鍵和田亮氏の案内で、洗い場から見学させていただきました。
和釜を使い、蒸した米を麹室へと流れる動線でした。
麹室は、中で温度の違う部屋に分かれてれていました。
33度の大吟醸の麹を造る部屋、30度の純米酒~を造る部屋、 20度の枯らしをする部屋。
各々、麹は9キロ取りで分けられるとのこと。
麹室は、造られて15年 たっているとおっしゃっていましたが、凄く綺麗に使われていて未だ真新しく感じました。
搾りは、佐瀬式を1台で3日かかりの搾りをされてます。
一回に搾れる量は、純米酒で400~450L、本醸造500Lとのことです。
袋に詰めて、積み上げるのに1時間~1時間半かかるそうです。
搾りにその日数がかかるので、基本的に、仕込みも3日ずれの仕込みで計画を立てているそうです。
でも、麹は生き物なので、元気が良すぎる子も出てきて、なかなか難しいところもあるそうです。
仕込み蔵は、1空調設備あって一年中一定の温度(概ね18度)で蔵内を管理されているそうです。
仕込みは、人手に頼るところが多く、
添え仕込みを一度、小型のタンクで仕込みをして本仕込みへと全て人力で行っているとのこと。
大吟醸35日、純米酒本醸造28~30日の間タンク熟成をするそうです。
濾過は、ちょっとレトロ感のある機械を使われて3000㍑で1時~1時間半時間をかけてされています。
蔵内の見学が終わった後は、蔵元見学のお楽しみの試飲タイムです。
中でも、自社酵母の河津桜酵母使い、地元の神奈川県若水の酒米を55㌫磨いて五年前から醸されている、亮が美味しかったです。
お水の清らかさが、お米の甘味を増して香りは穏やかで食中酒としても、食事の邪魔をしない美味しいお酒でした。
鍵和田亮さんの、名前を 冠しているので、蔵側としても推しているお酒ですが、地元の酒米の若水がなかなか無いので、増産をするのが難しいとのことです。
これから、いろいろと楽しみなお蔵さんだと思いました。
今回アテンドしていただきました、小田原の石塚酒店さんでは、中澤酒造さんのお酒を扱っていらっしゃるので、ご興味お持ちになられましたら是非ご連絡をお願いします。
中沢酒造株式会社
〒258-0003
神奈川県足柄上郡松田町松田惣領1875
TEL 0465-82-0024 FAX 0465-83-5332