お燗番の“お燗酒が飲みたくなる話”
掲載
日本酒は二日酔いの原因!!
毎日浴びるように聞く一言…
どんなお酒でも飲み過ぎれば体調は崩します
だから僕は日々の営業でなるべく燗酒で楽しんで頂き、アルコールの吸収を早くして、お客様には常に酔い具合を把握して頂き、飲むペースをコントロールしてもらえるように心がけています
日本酒はビールやサワーのようにガブガブ飲ませるものではありません
アルコール度数が全く違うわけですから
冷酒で胃が冷えるとアルコールの吸収が遅くなるので
それを良い事に酔いが回る前にどんどん飲ませて、売り上げを上げたって、続けていけばいずれ日本酒を飲む人がどんどん減っていきます
今は若者がアルコール離れしている時代… このままでは益々加速していく事でしょう そうなったら、好きなものが売れない環境になります
大好きな日本酒で商売をしているならば本末転倒ですよね
今僕らが伝えなきゃならない事は
「お酒のスペック?」 「酒蔵のエピソード?」
勿論、大切な事ですが まずはその前に、日本酒との上手な付き合い方や日本酒の伝統的な文化を伝えていかなくてはなりません
お酒に興味がない方、もしくは知識の浅い方に
お米が…酵母が…造りが…
って話されてもちんぷんかんぷんです
でも、そのお酒を美味しく飲む方法、体に負担をかけない飲み方、食事とのペアリング、日本酒の歴史なら
『ヘぇ〜!なるほど!』
って思う事が沢山あるのです
そもそも、お酒は全て冷蔵管理が正しいわけでもないですし、新酒が良いわけでもないですよね
開栓したてが必ずしも一番美味しい状態とも限りません
そんなお話だって日本酒なんて気にしていなかった方でも、興味を持ってくれます
ここで化学的なお話を交えて日本酒をお燗酒で飲んでみたくなるお話を一つ…
二日酔いの原因と言われている
アセトアルデヒド
毒性作用のある有害物質で、お酒を飲んだ時に顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などの症状をもたらします
これは飲酒をした際に、体内でアルコールが分解され、その際にアセトアルデヒドに変わります
そしてアセトアルデヒドを分解する酵素が足りない、もしくは無い人は二日酔いになりやすいってよく聞くお話ですよね
でも、アセトアルデヒドって体内でうまれるだけでなく、既にお酒にも含まれています
意外にもどのお酒にも含まれているものなのです
それがお燗酒とどんな関係があるかと言うと
アセトアルデヒドは非常に揮発性の高い物質です
沸点は21度
と言う事はお燗にすると身体への負担が軽減出来るかも知れないわけですね
以前、熟成酒について記事で触れましたが、「熟成」と「お燗」を組み合わせたら体への負担は更に軽減されます
こんな話を聞いたら、思わずお燗が飲みたくなっちゃいますよね
僕らがお酒との上手な付き合い方を伝えていけば、二日酔いのリスクは減っていくと思います
日本酒そのものが悪いのではなく、原因は飲み方にあるんです。
酔っ払う為のお酒から、味わい、嗜むお酒に…
そして日本が誇る和食と共にゆっくり楽しむ…
そんな景色が日常になる事を夢見ています