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五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

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信州、現在の長野県は日本国内でもニ番目に日本酒の蔵元が多い街である。
長野県内で得られる山脈天然水を信州水と呼び、米と水だけで造られる日本酒にとっては、良質な水が得られる地域は古くから重宝される。米所である新潟に次ぎ、水所である長野県には75箇所以上の酒蔵が今も点在している。
そんな長野県の南に位置する諏訪市は、今年有名となったアニメ映画「君の名は」に登場する諏訪湖が有名だが、市内に点在している5つの酒蔵も市の観光の一端を担っている。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

「君の名は」に登場する立石公園から見る諏訪湖

上諏訪駅から徒歩10分ほど南へ下がった甲州街道沿い、わずか500メートルあまりのうちに密集するそれらは「諏訪五蔵」と呼ばれている。蔵を構える地域を同じくして、互いに同じ山脈の伏流水を使って日本酒を仕込む。今夏、その「五蔵呑み歩き」に初めて足を運んだ。

ハイピッチの呑み歩き?酒豪も満足する諏訪五蔵の楽しみ方

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

「諏訪五蔵(諏訪五蔵公式HP:http://nomiaruki.com/より引用)

諏訪五蔵に挙げられる5つの酒蔵は、いずれも諏訪と近隣地域を結ぶ霧ヶ峰の伏流水を仕込み水として酒を仕込む。同じ仕込み水、概ね長野で採れる美山錦や山田錦を酒米として使用しながらも、各蔵が独自の味を醸しており、各蔵がライバルながらも諏訪を盛り上げるべく、季節に応じた呑み歩きイベントを開催している。
今回は”いつでもごくらく”と謳い、諏訪五蔵を訪れた観光客がいつでも酒蔵巡りを楽しめる「ごくらくセット」を購入することにした。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

上諏訪駅から五蔵に向かって歩くと、蔵方面から擦れ違う人がみな、このごくらくセットを手にしていることに気づく。紺と生成りの二種類が選べる手提げ袋の中には、諏訪五蔵オリジナルのテイスティンググラスと各蔵の商品を購入する際に使えるクーポン券、各蔵でスタンプを集め投函するとプレゼントが当たるスタンプ台紙が入っている。1セット1800円で、諏訪五蔵のいずれの蔵でも購入することが出来るので、最初に訪れた蔵ではまず、こちらを購入することをお勧めしたい。

五蔵めぐりは開始時間に注意しよう

ごくらくセット片手に五蔵すべてを周りたいという方にはまず、蔵巡りを始める時間帯にご注意いただきたい。午前から回り始める分には問題ないが、各蔵は17:00〜18:00前後で閉店する蔵が多いため、午後から蔵巡りを始める場合は注意が必要。前もって閉店時間まで3時間程は見ておきたい。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

諏訪五蔵 周辺地図(諏訪五蔵公式HP:http://nomiaruki.com/より引用)

各蔵は歩いて数分の距離にあり、五蔵すべてを回りきるには1時間~1時間半程度でも十分だが、一ヶ所で4~5種類の日本酒を試飲出来るという魅力の反面、訪問時の客数によっては各蔵の回転率も上がりがち。30分程度の説明を聞きながら提供される数種類を飲みきる形になるので、各蔵々の合間に小休止を挟む観光客が多い。また、各蔵は一車線道路で往来が激しい甲州街道沿いにあり、歩道も狭いため歩いて回る上では、無理せず楽しめる範囲の時間を予め見積もっておくのも楽しい蔵巡りの基本となりそう。

とにかくまずは試飲しよう -「真澄」の場合-

諏訪五蔵の店並びでは駅側から再奥に位置する「真澄」。木造づくりに雰囲気の有る白暖簾のかかった店先を潜ると、正面にレジカウンター、右側にテイスティングコーナーと物販コーナーが分かれている。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

カウンターで試飲を申し出ると順にテイスティングコーナーに案内され、数人単位で試飲が楽しめる。
テイスティングカウンターには真澄を代表する日本酒が銘柄毎に樽桶で冷やされている。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

今回は2蔵目に訪れたが、隣でテイスティングをしていた男性に「何蔵目ですか?」と問われたので答えると、「僕はここが4蔵目でもうふらふらです。」とのこと。実際、1銘柄につきグラスの1/8程度の試飲とは言え、4〜5種類をテンポよく口に運べば1蔵で十分ほろ酔い気分になれる。蔵によってはご自由に、と試飲客がフリーで何度も同じ銘柄を試飲出来る蔵もあれば、真澄のように店員さんがグラスに注いでくれ、好みを相談しながら試飲出来る蔵もあるので、場合によっては2巡目、というのも強者もいるかもしれない。

飲み過ぎたときの和らぎ水。仕込み水を飲んでみよう

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

各蔵ではテイスティングの合間に和らぎ水が提供されることは少ない。よって、諏訪五蔵の近辺にはコンビニや自販機も見かけるのだが、せっかく酒蔵を訪れたのなら、和らぎ水代わりにぜひその蔵の酒仕込みに使っている仕込み水を飲んでいただきたい。
駅から向かって一番手前に位置する「麗人」では販売店の外に仕込み水の試飲場が設けられており、店内にも”和らぎ水代わりに”という案内を見かける。試飲した酒がどんな水で仕込まれているかを知れるのは、地酒を生産地で飲む楽しみの一つでもある。

集めて楽しい!蔵の個性はラベルやパッケージで楽しむ

日本酒自体の飲み比べはもちろんのこと、各蔵の拘りや個性はボトルのデザインやパッケージからも読み取れる。ツバメが巣作る拓けた店先を持つ「本金」では、夏の時期に新発売する商品の肩書きが店前に大きく掲げられていた。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

ぴりっとした辛口のお酒が特徴的な本金だが、梅雨明けに出回る夏酒に合うさわやかなネーミングが目を引く。「純米 雨上がりの空と」と謳う肩ラベルは無色のボトルに銀の胴ラベルが合わせられており、透明感のある銘柄。流暢な喋り口調の店主さん曰くキャッチコピーの発案者は「企業秘密」とのこと。お喋りのペースに乗って、試飲のペースも少し早めだが、しっかりした辛口好きが好むラインナップをいただける。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

「本金」のすぐ隣に店を構える「舞姫」も季節毎のラベルとパッケージに拘っている。女子ゴコロをくすぐる華やかで女性らしいラベルが特徴で、酒自体の味わいもすっきりと癖がなく飲みやすいと言われている。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

お土産に購入した1本は、写真一番左の夏吟醸。夏酒ということもあり金魚がモチーフにあしらわれたラベルで、涼しげかつ季節感のあるデザイン。テイスティングをすすめてくれる店員さんも女性からの支持を狙ったデザインだと説明しており、お土産を眺める客層も他店より女性客が多め。何度か諏訪へ足を運ぶなら季節ごとのボトルを収集するのも楽しい。

お土産はお気に入りの蔵のお気に入りの一本を

蔵巡りの最後はやはりお土産の一本を買って帰りたいところ。酒蔵巡りはその日一日が美味しいお土産選びの試飲会とも言えるため、気に入った酒蔵で普段手が出ない一本を買うのも好し、手軽なミニボトルを少しずつ買い貯めて飲み比べをするも好し、せっかく蔵を巡ったならあまり流通していない一本を購入してみるのもお勧めである。
「舞姫」では前述の夏酒を、「真澄」ではテイスティングの最後に提供された梅酒が美味しかったので、試飲後に物販コーナーを見て回った。梅酒の他にゆず酒のミニボトルが600円ほどで販売されていたので、こちらを購入。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

麗人では一番初めに試飲した1本4,500円程の大吟醸「希」があまりに美味しかったため、今回の蔵巡り一番の高額商品はこちらに。試飲した際に写真を撮ってもいいか訪ねたところ、写真映えを意識して麗人の小物を周りに用意してくれ、雰囲気たっぷりの一枚もいいお土産になった。

諏訪五蔵だけじゃない?信州の蔵めぐりで貰える地酒がすごい

ごくらくセットは巡った五蔵でスタンプを集めてポストに投函すると、毎月5名に五蔵の日本酒が当たるスタンプ台紙がついている。ごくらくセットに付随しているこの趣向は諏訪五蔵のみが対象だが、実は長野県全体の酒蔵を対象に開催されているスタンプラリーがある。
長野県内で対象の74蔵を巡り、酒造りの説明や利き酒を楽しんだ後、各蔵にて税込1,000円以上の買い物をすると各蔵1個スタンプがもらえるそう。集めたスタンプが10個、20個、30個ごとに対象の74の酒蔵から純米吟醸が貰えるのだが、なんと全74蔵を達成すると大吟醸18本もしくは好きな日本酒の一品を選ぶことが出来るという。

五蔵一度に呑み歩き。グラス片手に「諏訪五蔵」で地酒を巡る。

(長野県酒造組合公式HP:https://www.nagano-sake.or.jp/tourism/より引用)

このスタンプシートに有効期限はなく、何年もかけて達成する強者もいるとのことで、長野の酒所の繁栄に一役を買っている。
今回訪れた諏訪五蔵もこの企画に参加しており、諏訪五蔵を巡るだけでごくらくセットのスタンプラリーを達成しつつ、長野県酒造組合が設けるスタンプ10個の壁まで半分と迫ることも可能。
まずは諏訪五蔵の蔵巡りから、より長野県の美味しい日本酒に迫りたいという方は、信州全土の酒蔵制覇を目指してみてはいかがだろうか。

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ライター プロフィール

加藤 菜都美

加藤 菜都美

WEBライター
「毎日を寿(ことほ)ぐようなごはん」をテーマに、フードデザインを行っています。
ごはんを美味しくするお酒、頑張る田舎を支えるお酒事業に取材・デザイン提案をしています。三重県の片田舎出身。将来は美味しいお酒と珈琲の飲めるカフェを経営したい。
公式blog「kotohogi

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