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冷やした出汁が起こす旨味の相乗効果。夏でも美味しい出汁割酒の冷や飲みとは

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冷やした出汁が起こす旨味の相乗効果。夏でも美味しい出汁割酒の冷や飲みとは

つい先日食事に行ったおでん屋で「出汁割酒」と言う熱燗を飲みました。東京赤羽のおでん屋が発祥で、日本酒をおでん出汁で割って飲みます。数年前からじわじわとブームになり、最近では関東以外でも出汁割酒を取り扱っている店を見かけるようになりました。和食と日本酒好きにはたまらない取り合わせを味わうこの趣向は「出汁割り燗」とも呼ばれ、暖かい出汁とお燗で楽しむのが定番です。この出汁割酒を、冷酒が美味しい暑い季節も楽しめないかと、出汁割酒の美味しさの理由と夏の楽しみ方を探りました。

出汁割酒ってどう飲むの?

出汁割酒ってどう飲むの?

東京赤羽のおでん屋が発祥と言われる出汁割酒。赤羽では注文したワンカップの日本酒を50cc程残し、そこへおでんの出汁を注いで飲むというのがスタイルです。日本酒を飲むというより、日本酒と合わせてまろやかになった出汁で食事を「〆る」感覚と言う人が多いですが、一味唐辛子を散らしたり、割り入れる出汁のベースも店や地域によって異なるなど、何通りも楽しめるのが魅力の一つです。この出汁割酒をそもそも壜詰めの商品として売り出したいと、クラウドファンディングで出資を募り商品化する団体もあるそう。立ち飲み屋が発祥ということもあり、楽しみ方がシンプルで再現しやすい点も流行の理由かもしれません。

何故、日本酒と出汁が合うのか。実は同じ「旨味」で出来ていた。

何故、日本酒と出汁が合うのか。実は同じ「旨味」で出来ていた。

ところで、本来は肴であるはずの出汁を日本酒でわざわざ割って飲む出汁割酒。この飲み方を旨いと感じる理由には、日本酒と出汁が持つお互いに似通った「旨味」が大きく影響しています。
日本酒を飲んだ時に感じる旨味の多くは、麹が発酵して起こす「アミノ酸」による旨味です。そして、出汁を口にした時に感じる旨味は、昆布や鰹などベースにする食材によって異なりますが、日本酒と同じアミノ酸系の出汁なら「味馴染みがいい」と感じ、同じく旨味成分である核酸系の出汁なら日本酒と合わせることで「旨味の相乗効果」を感じることが出来ます。
つまり、出汁割り酒にはもとより旨味に旨味を足す構図が出来ており、例えば日本酒×いりこ出汁で魚介の旨味が楽しめるのはもちろん、日本酒×しいたけ出汁で田舎出汁の風味を、日本酒×合わせ出汁(昆布+かつお)で和食と日本酒を合わせた時に感じる和の旨味を余さず味わえるのです。

ところで冷たくても旨いのか?出汁+冷酒で夏はひんやり出汁割酒。

ところで冷たくても旨いのか?出汁+冷酒で夏はひんやり出汁割酒。新潟清酒

旨味の宝庫である出汁割酒ですが、出汁の香りや旨味が引き立つように味わうには熱燗で飲むのが一般的です。しかし、和食には冷や汁や煮浸しなど、夏を盛りとして冷たい出汁を用いた料理も多く、決して出汁を冷やすと美味しくないとは言い切れません。そこで、夏酒の出回るこの時期に、冷酒と出汁でつくる冷し出汁割酒を作ってみました。

ベースはしいたけ・鰹節・日高昆布など家庭で手に入りやすい三種類。合わせる日本酒も量販店で購入出来る新潟清酒をキンと冷して使用しました。

冷蔵庫で1日じっくり寝かせた水出汁

出汁は100度のお湯にベースの3種類を浸して冷蔵庫で2時間冷やしただけの単純なものですが、鍋で煮だした出汁や冷水にベースを浸して冷蔵庫で1日じっくり寝かせた水出汁でも楽しめます。あたたかい出汁を冷やすという工程が手間に感じますが、夏場はさっと焼いた夏野菜や同じくアミノ酸系の旨味をもつトマトなどを浸しても楽しめますので、夏の肴用にまずは冷し出汁のストックがおすすめ。7:3程度の割合で冷やした出汁と日本酒を割ります。

出汁でつくる冷し出汁割酒

熱燗ではないので、出汁の香りは控えめですが、その分熱燗が苦手な方にも飲みやすく、一味唐辛子の変わりにすだちやかぼすなどの柑橘類を絞ればさっぱりと飲むことが出来ます。
残った出汁は最後にだし茶漬けでさらっと〆るのに◎。また、昆布は旨味の他に夏バテに効くカリウムも豊富ですので、この季節のお酒の肴に最適です。
今年の夏は冷し出汁割酒とともに、肴も〆も冷し出汁で夕涼んでみてはいかがでしょうか。

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ライター プロフィール

加藤 菜都美

加藤 菜都美

WEBライター
「毎日を寿(ことほ)ぐようなごはん」をテーマに、フードデザインを行っています。
ごはんを美味しくするお酒、頑張る田舎を支えるお酒事業に取材・デザイン提案をしています。三重県の片田舎出身。将来は美味しいお酒と珈琲の飲めるカフェを経営したい。
公式blog「kotohogi

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