日本酒好きなあなたに酔い情報をお届け

MENU

「BBQ×日本酒」で地域活性を目指す!まちいくProject

掲載

近頃、盛り上がりをみせている地域活性化の活動。

地方では人口減少や高齢化の問題への対策として、また都市においても地域ごとの特色を出すために、名産品や目玉を作ろうという動きが広まっています。その中から今回は、日本酒で地域活性化を目指そうとしているプロジェクトをご紹介します。

 

まちの宝を育てる「まちいくProject」

このプロジェクトの発起人を努める深澤 了さん(むすび株式会社 代表取締役)は、現在、富士川町となった旧鰍沢(かじかさわ)町の出身で、18歳までこの町で育ちました。江戸時代、この辺りは船着場として栄えていました。

その頃の旧鰍沢町には、深澤さんの実家も含め、多くの造り酒屋がある地域でした。それが次第に住民が少なくなり、深澤さんも東京から帰った当時、街を見渡すとその寂しさに、心が悲しみに打ちひしがれる思いがしたのだそう。そして偶然、かつて酒蔵として使われていた実家の納屋で、「本菱」という名が刻まれた刻印をたまたま発見します。これを見たことがキッカケとなり、『120年前に途絶えた日本酒「本菱」を復活させることで、町に新たな地域資産を創ろう!』という考えが生まれ、今回の地域活性化活動である「まちいくProject」が発足されました。

 

どんなプロジェクトなのか??

「まちいく」には「街に行く人を増やす」、そして「街を育てる」の二つの意味が込められています。ボランティアではなく、自治体などの予算に頼らずにビジネスとして継続する、というのがこのプロジェクトの信念です。現在は第2弾プロジェクトまでがリリースされています。

 

第1弾 まちいく ふじかわProject

「本菱」の復活を目指したこのプロジェクトでは、日本酒の造り手として中込 元一郎さん株式会社萬屋醸造店 前代表取締役社長)と酒米の作り手として名執 雅之さん(株式会社ワンドリーズ 代表取締役社長)がメンバーとして加わりました。残念なことに、このプロジェクトの半ばで中込さんは亡くなられました。それでも「この活動をなんとか継続させよう」と尽力され、「本菱」は販売まで漕ぎつけることができました。困難な状況も乗り越えて、ようやくの想いで実現が果たせたプロジェクトなのです。

「本菱」は酒米である富士川町産「玉栄」を使い、富士川町にある酒蔵で造られました。その数わずか限定1000本。ラベルは5種類の千代紙を使用し、着物のような柄をイメージしています。冷やして楽しめるフルーティーでキリッとした飲み口が特徴です。

  • 純米吟醸 本菱
  • 使用米:富士川町産玉栄
  • 精米歩合:50%
  • 720ml 3,980円(税込)

 

  • 「本菱」販売情報
  • 申し込みは下記まで
  • https://machiiku.stores.jp
  • E-mail machiiku@musubi-inc.co.jp
  • FAX 03-5437-0668

 

第2弾 まちいく とだProject

埼玉県には県内35蔵の日本酒蔵があり、その出荷量は全国第4位です。「戸田市は名産といえるものがない」という「まちいく とだ」発起人代表者の鈴木 健史さん(株式会社ロット 取締役)。鈴木さんは、埼玉県内に居酒屋やレストランなど飲食店を計30店舗展開する、若手の事業家です。戸田市を代表するブランドを作り、色んな人に知ってもらうことによって、さらに地域を活性化させていきたい、という気持ちからこの企画はスターとしました。

埼玉県は、日本一の年間快晴日数を記録する県だって知っていましたか?また、荒川河川敷などBBQにぴったりのロケーションが身近にあることから、アウトドアでのBBQが盛んに行われています。新宿から電車1本で行けるという便利な立地も手伝って、都心から訪れる人も少なくありません。そこで「戸田ならでは、という日本酒を造りたい」という想いから、BBQに合う日本酒を名産とするプロジェクトが立ち上がりました。

戸田に人が集まる「架け橋」になるように、との想いを込めて「かけはし」と名づけられました。酒造りを担当する酒蔵は、「力士」を醸造する株式会社 釜屋。「BBQに合う酒質とは?」という質問に、「香りは抑え目で、肉の脂をサラっと流せるようなスッキリとした飲み口を意識しました」と答えてくれたのは、釜屋 代表取締役社長の小森 順一さん。しかも瓶内二次発酵をさせたスパークリングタイプ。甘さよりドライな味わいが特徴で、ゴクゴクッと爽快な飲み口が楽しめるように、アルコール度数もなるべく控えました。暖かい時期の花見やBBQをする暑い季節にも、ビールではなく「かけはし」が代わりに大活躍しそうな印象です。

  • 純米吟醸「かけはし」
  • 使用米:埼玉県産五百万石
  • 精米歩合:60%
  • アルコール度数:13度

「かけはし」販売情報

4月上旬より販売予定。お求めは、㈱釜屋、またはhttps://machiiku.stores.jpにて。

(㈱ロット運営の各店舗での提供)

 

 

「まちいく」では日本酒に限らず、今後も地域活性化を目指した活動が続けられていきます

続く第3弾は、山梨県都留市でネクタイの自主ブランドを立ち上げるプロジェクトが進行中です。今後他のプロジェクトとこのたび完成した地酒「かけはし」「本菱」がコラボレーションする可能性もあるのかも…??地元と・地方と・地域と繋がる地域活性の活動に皆さんも参加してみませんか?

 

 

酒蔵レポート
日本全国酒蔵レポート/「来楽」茨木酒造(兵庫県明石市)

「来楽」茨木酒造(兵庫県明石市)

「来楽」をかもす茨木酒造は、1848年(嘉永元年)創業。今回お話しをうかがった茨木幹人(みきひと)さんで、9代目を数えます。
日本全国酒蔵レポート/「灘菊」灘菊酒造(兵庫県姫路市)

「灘菊」灘菊酒造(兵庫県姫路市)

「灘菊」「MISA33」「蔵人」をかもす灘菊酒造は、1910年(明治43年)に川石酒類(資)として創業。2010年に100周年を迎えました。
地元の米で、水で、人で、つくる酒「賀儀屋」の蔵訪問/成龍酒造

「賀儀屋」成龍酒造(愛媛県西条市)

蔵がある西条市は、愛媛県のなかでも南に位置をし、「うちぬき」がある水の都として有名な場所。石鎚山の伏流水が吹き出すことからこの土地の水は、”打ち抜き水”と呼ばれています。
中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

神奈川の丹沢山系の麓、松田でお酒を醸していらっしゃる中澤酒造さんにお邪魔しました。
中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡)

豊島屋酒造(東京都)

東京都東村山市にある【豊島屋酒造】さんにお邪魔しました。

ライター プロフィール

日本酒ライター 三浦 環

三浦 環

秋田県出身。フリーライター・日本酒ライター・イベントプランナー。
地元秋田県の日本酒を広げる活動をはじめ日本酒イベントの開催、イベントでの酒蔵のコーディネーターも行っています。