蔵開きレポート・秋田県「阿櫻酒造」
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「蔵開き」は酒蔵が地域の人やファンなどを蔵に招き、出来たての新酒を試飲したり、蔵見学ができたりする年に一度の催しです。そのためほとんどが、新酒の出る初春に開かれます。今回は秋田県横手市にある『阿櫻酒造』の様子をご紹介します。
阿櫻酒造の蔵開きはいつ?
阿櫻酒造の蔵開きは毎年、酒造りの真っ只中の時期である2月の第三土曜日に行われています。豪雪地帯である横手市はこの時期、一日の平均気温が0度を下回る日が多くあります。阿櫻酒造ではこの自然環境を活かした「寒仕込み」という手法で酒造りを行っています。
▲照井杜氏
蔵開きってどんな雰囲気?
凛と冷えた空気の中、次々と新酒が出来上がる酒蔵の中に足を踏み入れます。
すると、最初に感じるのはフワッと漂う吟醸香です。いい香りに包まれながら蔵開きの会場に入るとそこには出来たての新酒が数種類が並び、いぶりがっこをはじめとする漬物の盛り合わせと仕込み水が。会場入口では温かい特製粕汁が配られています。この粕汁は阿櫻の酒粕を使用し、横手市の居酒屋「我怜児(ガレージ)」のご主人が、この日のために腕によりをかけた大変人気の逸品なのです。「お酒を美味しく楽しめるように、冷えた体を温められるように」という蔵の方々の心遣いが感じられます。
▲新酒の数々
▲特製酒粕汁
▲代表取締役社長の田中文悟氏
お酒だけじゃない!蔵開きの楽しみ
乾杯で新酒のフレッシュな味わいを楽しんでから、十数人のグループに分かれて蔵の中を歩きながら紹介してもらいます。普段はなかなか見られない酒蔵の内部を丁寧に見学し、タンクの中でピチピチと泡がはじける様を見ると、更にお酒が愛おしく美味しく感じられるようになります。もちろん、蔵見学から戻ってから再びお酒も美味しくいただきます。
阿櫻酒造では新酒の試飲の他、100円でできる酒粕の詰め放題、限定酒や酒蔵グッズの販売なども行われています。
▲酒粕の詰め放題の様子
▲酒粕の詰め放題の様子
▲販売ブース
▲販売ブース
2017年の蔵開きでは午前の部、午後の部を合わせて約250人が蔵を訪れました。人気が高いため、阿櫻酒造では事前に予約を取っています。
厳冬の時期だけではなく、全国各地の蔵では4月以降も蔵開きを行うところもあります。蔵開きはなかなか行く機会のない酒蔵に行ける貴重な機会です。開催情報は酒蔵や各都道府県の酒造組合のホームページなどに掲載されることもありますので、興味のある方は是非、チェックをしてみてください。
自分が住む地域や好きな酒蔵の蔵開きに出かけてみてはいかがでしょうか?きっと新たな魅力の発見に繋がりますよ。